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残り0日。結婚式
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シャーロットたちの思惑に乗りマロニアと一夜を共にしたアランは 鳥のさえずる音で目が覚めた。
(朝か・・)
横を向くとストロベリーブロンドの髪を 枕いっぱいに広げて マロニアが眠っている。
こうして毎朝迎えることになるだろう。
肘をついて起き上がったアランは マロニアの髪を耳にかける。
乱れた髪も、腫れぼったい唇も 、白い肌についたキスマークも、全てが私の物だという証拠だ。
これで生涯、マロニアは私を愛し、盲目的に信じる 。
誰に、とられることもない。
自分で自分の計画を頓挫させたという自覚はある。
でも、後悔は微塵もない。
シャーロットは逃げ切れたと考えていることだろう。負けたわけではない。
私がマロニアに乗り越えただけだ。
生まれて初めて女性と外泊をしてしまった。
家の者も何の連絡もしていないから心配していることだろう。
ここに来ている事を知ってるのは御者だけだ。
だから、 夜通しシャーロットを探していると思われているかもしれない。
帰って事情を説明しなくてはいけないのかと思うと 面倒くさい気もする。
その内容が、花嫁を変更すると言う内容だし・・。
「はぁ~」
正直、逃げ出したい。
でも、こうした理由は知っている。 覚悟を決めろ!と、自分で退路を断って、 逃げられないようにしたんだ。
家族や親族、シャーロットの両親も黙っては居ない。
気が変になったと大騒ぎする。
しかし、そうするのが筋だし家長としての責務だ。
理解してくと言っても聞く耳は、持たないだろう。ゴリ押しするしかない。まぁ、男爵の事だ。このチャンスを失いたくないから、何とかするだろう。こうなったのは男爵のせいなんだ。お手並み拝見といこう。
結局のところ シャーロットの遺産より マロニアの眼差しの方が 大切ということか・・。
何で、そんな理由でマロニアを選んだのか。なんとも私らしくない 。
下級貴族で、大根女優。 しかも義理の父親に罠にはめられた。 何一つ、私に利がない。
金なら儲けるチャンスは、これからもある。だが、人との出会いは金では買えない。
「う~ん」
眠ったまま甘えるように擦り寄ってくるマロニアを見て アランは片方の口角をあげる。どんな反応をするのか楽しみだ。生粋の箱入り娘。舞台以外で男と手を繋いだことさえ、無かったのに。いきなり、男と朝を迎えたんだ。
マロニアの瞼がゆっくりと開いて 眠そうな目で私を見る 。
「・・アラ・・」
「おはよう」
そう挨拶すると気だるげに微笑むマロニアから、昨夜の名残が感じられる。
「っ」
ところが急に、目が大きく見開かれたかと思うと 素早い動きでマロニアがシーツを引き上げて顔を隠す。
(?)
なんなんだと、いぶかしく思っていると マロニアがシーツをちょっとだけ下げて私の顔を見たかたと思うとまたシーツに隠れた。
わずかに見えた顔は、りんごかと思うほど顔が真っ赤だ 。
何て初心な反応なんだ。 心はまだまだ娘気分が抜けていない。
(もしかして・・恥ずかしいのか?)
「ぷっ!」
そんなマロニアの反応に思わず吹き出して腹を抱えて笑う。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
昨夜どんなことをしたと思っている。 あんなことを平気でやったのに、恥ずかしがる時間は、とっくに過ぎている。 今更取り繕って何になる。
****
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「・・・」
(なんで?なんで笑うの?)
腹を抱えて笑っているアランをマロニアは呆然と見る。
(どうして?何が、おかしいの?)
物語では、恥ずかしがる彼女を抱き締めて、それはそれはロマンチックな朝になるはずなのに・・。
目を開けて最初に目に入ったのはアランの優しい笑顔だった。それが嬉しかった。
昨夜のことは夢じゃないって。
ひとりぼっち、取り残された訳じゃないと分かって。
私のことと本気なんだと信じられて。
でも、次の瞬間、 昨夜のめくるめくる出来事が蘇ってきて、どうしようもなく恥ずかしかった。
メイド以外に肌を見せたことなどなかったのに 昨夜はアランの前で・・。
あんな事をされたとか、あんな事をしたとか 。どうして、あんな事を許したのか自分が信じられない。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「・・・」
大笑いするアランに 恥ずかしさより、だんだん怒りの方が強くなってきた。
そもそも夜と朝で違う。 夜は闇が秘め事を隠してくれるけど、 朝は太陽の光の下で 全てが白日にさらけ出される。だから、恥ずくて当たり前だ。
「笑わないで!」
マロニアは、たまらず乙女の恥じらいを笑い飛ばすアランに向かって 怒って枕を投げつける。
しかし、アランが枕を軽々と受け止める。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
裸を見せ合ったからって 恥ずかしかったら駄目なの?
(酷い。酷い。酷い)
半分涙目で睨む。
もっと私の気持ちを汲んでくれてもいいのに・・。
それなのに、その目が面白そうに笑ってる。
カチンときたマロニアは アランから枕を奪い取ると これ以上笑うなとバシバシと殴りつける。
「もう!笑わないで!」
「はっ、はっ、はっ、はっ」
アランが 笑いながら殴られるままに なっている。
私の攻撃など痛くも痒くもないと、言いたいのだろう。
意地悪な男だ。
そうだ。忘れていた。 この男は意地悪な男だ。
私の腕を掴んで引き止めて ただでチケットを譲ったくせに無視する。
意地悪な男だ 。
そのくせ泣いている私にハンカチを 貸してくれる。
ゴミを取るふりをして頬に触れる。 私が騒げば 自意識過剰だと言う。
意地悪な男だ 。
でも、その指が震えているから許してしまう。
馬車に轢かれそうになった私を捨て身で助けてくれた。 お礼を言おうとしたら逃げ出した。
意地悪な男。
でも、私を守ってくれた。
本当に意地悪な男だ。
「 愛してる」とも「好き」とさえ言ってくれない。
でも、私を妻にしてくれると約束してくれた。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
一向に笑いやむ気配が無いアランに、こうなっら、実力行使だ。
「そっちが、その気なら私だって考えがあるんだから」
笑い続けるアランを黙らせようとマロニアは、アランをベッドに突き飛ばすして、倒すとその上からのしかかって、その口を自分の唇で塞ぐ。
*結婚式 当日**
アランは教会の祭壇の前で 落ち着きなく足をふみかえる。
教会の祭壇の前で ひしめくように 座っている 参列者を見ても 自分が結婚するという実感が、わかない。
そう思ってしまうほど この5日間 、あまりの目まぐるしさに 毎晩泥のように眠って 、落ち着いて考える時間がなかった。
性急に事を進めるなど 自分らしくない。
( 男爵に踊らされていたのか?)
今思い起こしても 我ながら大きな決断をしたと思う。
そのたった5日で、すべてが一変した。 決めることも、用意することも、 断ることも、あっという間。
シャーロットの為に用意した物は全てが却下され、新しく料理、酒、飾り付け、付き添い人の衣装に至るまで男爵が用意させた。
男爵が秘密裏に結婚証明書を変更させていた。 義理の父親は、どこまで金とコネがあるのか 。そう考えると、ゾッとする。弱みを見せたら、私の事も良いように利用しそうだ。
今回のことで金がものを言うと再確認した。だから、これ以上、口出しされたくないから持参金は断った。
男爵のことだ何かに、かこつけて圧力をかけるに違いない。
だから、 これからは、出来るだけ距離を置こう。男爵は、暫く出禁だ。
私は、マロニアさえ居れば十分だ。
マロニアと言えば・・。
一番驚いたのは今日の式を了承したマロニアだ。花嫁に取って結婚式は一生に一度の一大事だと聞く。
式をキャンセルして 半年なり一年の準備期間を作って もよかったのに・・。
(後悔していないんだろうか?)
後になって、ねちねち文句を言われたら堪らない。
今夜、念押ししておこう。
パイプオルガンの音を合図にドアの開いてマロニアが 男爵と腕を組んでこちらに向かって歩いてくる。
そのマロニアの姿に目を奪われる。 今まで見たどの花嫁よりも群を抜いて美しい。その美しい姿は 私の妻にふさわしい。
アランは男爵に 一礼 すると マロニアに腕を差し出す。その体からは、あの夜と同じ香りがする。
緊張した様子のマロニアが微笑む。
アランは、マロニアに 微笑み返す。
結婚は一度きりと決めている。 金も苦労も一度で十分。私の最初で最後の花嫁。マロニア・・。
(朝か・・)
横を向くとストロベリーブロンドの髪を 枕いっぱいに広げて マロニアが眠っている。
こうして毎朝迎えることになるだろう。
肘をついて起き上がったアランは マロニアの髪を耳にかける。
乱れた髪も、腫れぼったい唇も 、白い肌についたキスマークも、全てが私の物だという証拠だ。
これで生涯、マロニアは私を愛し、盲目的に信じる 。
誰に、とられることもない。
自分で自分の計画を頓挫させたという自覚はある。
でも、後悔は微塵もない。
シャーロットは逃げ切れたと考えていることだろう。負けたわけではない。
私がマロニアに乗り越えただけだ。
生まれて初めて女性と外泊をしてしまった。
家の者も何の連絡もしていないから心配していることだろう。
ここに来ている事を知ってるのは御者だけだ。
だから、 夜通しシャーロットを探していると思われているかもしれない。
帰って事情を説明しなくてはいけないのかと思うと 面倒くさい気もする。
その内容が、花嫁を変更すると言う内容だし・・。
「はぁ~」
正直、逃げ出したい。
でも、こうした理由は知っている。 覚悟を決めろ!と、自分で退路を断って、 逃げられないようにしたんだ。
家族や親族、シャーロットの両親も黙っては居ない。
気が変になったと大騒ぎする。
しかし、そうするのが筋だし家長としての責務だ。
理解してくと言っても聞く耳は、持たないだろう。ゴリ押しするしかない。まぁ、男爵の事だ。このチャンスを失いたくないから、何とかするだろう。こうなったのは男爵のせいなんだ。お手並み拝見といこう。
結局のところ シャーロットの遺産より マロニアの眼差しの方が 大切ということか・・。
何で、そんな理由でマロニアを選んだのか。なんとも私らしくない 。
下級貴族で、大根女優。 しかも義理の父親に罠にはめられた。 何一つ、私に利がない。
金なら儲けるチャンスは、これからもある。だが、人との出会いは金では買えない。
「う~ん」
眠ったまま甘えるように擦り寄ってくるマロニアを見て アランは片方の口角をあげる。どんな反応をするのか楽しみだ。生粋の箱入り娘。舞台以外で男と手を繋いだことさえ、無かったのに。いきなり、男と朝を迎えたんだ。
マロニアの瞼がゆっくりと開いて 眠そうな目で私を見る 。
「・・アラ・・」
「おはよう」
そう挨拶すると気だるげに微笑むマロニアから、昨夜の名残が感じられる。
「っ」
ところが急に、目が大きく見開かれたかと思うと 素早い動きでマロニアがシーツを引き上げて顔を隠す。
(?)
なんなんだと、いぶかしく思っていると マロニアがシーツをちょっとだけ下げて私の顔を見たかたと思うとまたシーツに隠れた。
わずかに見えた顔は、りんごかと思うほど顔が真っ赤だ 。
何て初心な反応なんだ。 心はまだまだ娘気分が抜けていない。
(もしかして・・恥ずかしいのか?)
「ぷっ!」
そんなマロニアの反応に思わず吹き出して腹を抱えて笑う。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
昨夜どんなことをしたと思っている。 あんなことを平気でやったのに、恥ずかしがる時間は、とっくに過ぎている。 今更取り繕って何になる。
****
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「・・・」
(なんで?なんで笑うの?)
腹を抱えて笑っているアランをマロニアは呆然と見る。
(どうして?何が、おかしいの?)
物語では、恥ずかしがる彼女を抱き締めて、それはそれはロマンチックな朝になるはずなのに・・。
目を開けて最初に目に入ったのはアランの優しい笑顔だった。それが嬉しかった。
昨夜のことは夢じゃないって。
ひとりぼっち、取り残された訳じゃないと分かって。
私のことと本気なんだと信じられて。
でも、次の瞬間、 昨夜のめくるめくる出来事が蘇ってきて、どうしようもなく恥ずかしかった。
メイド以外に肌を見せたことなどなかったのに 昨夜はアランの前で・・。
あんな事をされたとか、あんな事をしたとか 。どうして、あんな事を許したのか自分が信じられない。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
「・・・」
大笑いするアランに 恥ずかしさより、だんだん怒りの方が強くなってきた。
そもそも夜と朝で違う。 夜は闇が秘め事を隠してくれるけど、 朝は太陽の光の下で 全てが白日にさらけ出される。だから、恥ずくて当たり前だ。
「笑わないで!」
マロニアは、たまらず乙女の恥じらいを笑い飛ばすアランに向かって 怒って枕を投げつける。
しかし、アランが枕を軽々と受け止める。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
裸を見せ合ったからって 恥ずかしかったら駄目なの?
(酷い。酷い。酷い)
半分涙目で睨む。
もっと私の気持ちを汲んでくれてもいいのに・・。
それなのに、その目が面白そうに笑ってる。
カチンときたマロニアは アランから枕を奪い取ると これ以上笑うなとバシバシと殴りつける。
「もう!笑わないで!」
「はっ、はっ、はっ、はっ」
アランが 笑いながら殴られるままに なっている。
私の攻撃など痛くも痒くもないと、言いたいのだろう。
意地悪な男だ。
そうだ。忘れていた。 この男は意地悪な男だ。
私の腕を掴んで引き止めて ただでチケットを譲ったくせに無視する。
意地悪な男だ 。
そのくせ泣いている私にハンカチを 貸してくれる。
ゴミを取るふりをして頬に触れる。 私が騒げば 自意識過剰だと言う。
意地悪な男だ 。
でも、その指が震えているから許してしまう。
馬車に轢かれそうになった私を捨て身で助けてくれた。 お礼を言おうとしたら逃げ出した。
意地悪な男。
でも、私を守ってくれた。
本当に意地悪な男だ。
「 愛してる」とも「好き」とさえ言ってくれない。
でも、私を妻にしてくれると約束してくれた。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
一向に笑いやむ気配が無いアランに、こうなっら、実力行使だ。
「そっちが、その気なら私だって考えがあるんだから」
笑い続けるアランを黙らせようとマロニアは、アランをベッドに突き飛ばすして、倒すとその上からのしかかって、その口を自分の唇で塞ぐ。
*結婚式 当日**
アランは教会の祭壇の前で 落ち着きなく足をふみかえる。
教会の祭壇の前で ひしめくように 座っている 参列者を見ても 自分が結婚するという実感が、わかない。
そう思ってしまうほど この5日間 、あまりの目まぐるしさに 毎晩泥のように眠って 、落ち着いて考える時間がなかった。
性急に事を進めるなど 自分らしくない。
( 男爵に踊らされていたのか?)
今思い起こしても 我ながら大きな決断をしたと思う。
そのたった5日で、すべてが一変した。 決めることも、用意することも、 断ることも、あっという間。
シャーロットの為に用意した物は全てが却下され、新しく料理、酒、飾り付け、付き添い人の衣装に至るまで男爵が用意させた。
男爵が秘密裏に結婚証明書を変更させていた。 義理の父親は、どこまで金とコネがあるのか 。そう考えると、ゾッとする。弱みを見せたら、私の事も良いように利用しそうだ。
今回のことで金がものを言うと再確認した。だから、これ以上、口出しされたくないから持参金は断った。
男爵のことだ何かに、かこつけて圧力をかけるに違いない。
だから、 これからは、出来るだけ距離を置こう。男爵は、暫く出禁だ。
私は、マロニアさえ居れば十分だ。
マロニアと言えば・・。
一番驚いたのは今日の式を了承したマロニアだ。花嫁に取って結婚式は一生に一度の一大事だと聞く。
式をキャンセルして 半年なり一年の準備期間を作って もよかったのに・・。
(後悔していないんだろうか?)
後になって、ねちねち文句を言われたら堪らない。
今夜、念押ししておこう。
パイプオルガンの音を合図にドアの開いてマロニアが 男爵と腕を組んでこちらに向かって歩いてくる。
そのマロニアの姿に目を奪われる。 今まで見たどの花嫁よりも群を抜いて美しい。その美しい姿は 私の妻にふさわしい。
アランは男爵に 一礼 すると マロニアに腕を差し出す。その体からは、あの夜と同じ香りがする。
緊張した様子のマロニアが微笑む。
アランは、マロニアに 微笑み返す。
結婚は一度きりと決めている。 金も苦労も一度で十分。私の最初で最後の花嫁。マロニア・・。
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