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最適解は?
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グラハム伯爵の到着で婚約のパーティーが始まった。
シャーロットが両親を伴って、しずしずと部屋に入ってくると半信半疑だった友人たちも口をあんぐり開けて驚く。 そのまぬけづらに、本当だっただろうと友人達に向かって自慢げにアランは ふんと鼻を鳴らす。
この場にいる全員。私を含めて私たちが婚約するとは誰一人想像していなかっただろう。
それほど私に対するシャーロットの態度は、あからさまだった 。
椅子を引くと、あのシャーロットが 私に微笑みかける。そして、 文句も言わずに座ると、友人たちが どよめく。
それは、そうだろう。いつもは絶対零度の視線しか送ってこなかったんだから。
そのせいで俄然興味を持ったら友人達が私達に馴れ初めや、どうして気が変わったのか などと質問してくる。 想定外の質問もあったが、シャーロットが、そつなく答える。内心焦ったがシャーロットの頭の回転の速さに助けられた。
パーティーは淡々と進み。ほどなくして、おひらきになった。 叔父や叔母を見送ったアランは 友人達の溜まり場へと足を向ける。
親戚たちからは不信がる様の話は出なかった。 とりあえず、これで両親と親戚たちは騙されただろう。 あとは、友人たちか・・。
きっと今頃はタバコを吸いながら無駄話をしていることだろう。 両親たちの手前、パーティーでは何も言わなかった。
自分が作った二人の恋物語の感想も聞きたいし、 本当のところ自分達のことをどう思ったか知りたい。
***
友人達が恋愛結婚だと信じるなら、他の者も信じるだろうから遺産を手に入れたのも同然だ。
そんなことを期待しながら 庭にあるバラのアーチをくぐると、案の定 友人達が屯っている。
どんな理由があるか知らないが 昔からこの場所だ 。
アランは足音を立てないように友人達をの側に行くと 姿が見えないように隠れる。
一体どんな話をしているのかと、のぞく。
「それにしても、アランの あの作り話には 笑いをこらえるのが大変だったよ」
年上の女と不倫中のマーティンの一言で 全員が さっきのパーティーを思い出しているのかニヤニヤしだした 。
(作り話か・・)
どうやら全員信じていない。
何故だ。恋愛小説では王道のパターンなのに不評のようだ。 どこが駄目なんだ?
自分としては 練りに練って作ったんだが。
首をひねりながら理由を考える。
「俺もだ 。顔が、まだ強張っている」
「作り話にしても 、お粗末すぎるよ。オペラの帰りに、轍に車輪を取られて困っているところ 助けてあげたのが、きっかけで親密になったなんて」
「無い。無い」
それは私だって、そう思う。しかし、日頃から他人との交流がないんだから、 誰かと出会うきっかけはトラブルしかない。こんなときばかりは 人付き合いを避けていたことが悔やまれる。
「田舎ならともかく 市内は石畳だぜ。思わず何処でって、場所を聞きそうになったよ 」
「そんなベタな出会いなんか、あるわけないじゃないか。 恋愛はドラマチックじゃなきゃ 」
自称プレイボーイのドナルドが、さらにダメ出しをする。アランは、その言葉にムッとする。 自分こそ笑いかけられただけで運命の人に、会ったと 大騒ぎするくせに 。
「俺たちに見栄を張って どうするんだか 」
マーティンたちの言葉に拳を握りしめる。 呆れられたように言われて悔しい。
自分たちだって、大して恋愛経験がある訳でもないくせに人のことが言えるのか?
そう反論したいのをぐっと我慢する。
最後まで聞こう 。あいつらの本音を聞くいいチャンスだ。
「シャーロットが アランのこと 見直すことなんか 天地がひっくり返ってもないね」
「そうだ。無い。無い」
ドナルドが顔の前で手を振ると まるで それが 合図のように 友人 たちが腹を抱えて笑い出した 。 そんなこと自分が一番知っているし、それで構わない 。シャーロットの心が欲しいんじゃない。
遺産が欲しいだけだ。
「「あっ、はっ、はっ」」
我慢しようとしても友人達の笑い声が神経を逆なでする。
(・・・)
金のためだと割り切りとしたが、無理だ。
人をバカにした態度に我慢できずに、友人たちを黙らせようと、声をかけながら近づく。
「こんなところで隠れて吸ってたのか? 全く、服に匂いがついたら どうするんだ」
アランは、 忌々しげに煙を払う。 タバコのどこがいいのか分からない。金をかかるし、歯が黄色く変色するし、健康に悪い。
「アッ、アラン」
「どっ、どうして?」
友人達が私に気づくとタバコを投げ捨たり、靴で踏み潰したりして、 私の機嫌をとろうと証拠を隠滅する 。
(よくも好き勝手言ってくれたな)
作り笑顔で私を迎える友人達を仁王立ちで睨みつる。すると、話を 聞かれたと感じたらしく、皆が視線をそらす 。
「 お前たち、ここで何を話してたんだ」
「「・・・」」
わざと、そう聞くと黙り込んで何も言わない。
そんな友人たちに呆れ果てる。人の悪口なら、 ペラペラ喋るくせに 言い訳一つ出てこない
まるで頭の悪い子供のようだ。
いつまで経っても大人に、なりきれない。
こいつらを前にすると、怒る気も失せる。
どうせ注意しても変わりはしない。
アランは、 諦めたようにため息をつく。
「はぁ~ 、もういい」
恋愛結婚の証人としたかったが 役に立ちそうにない。
( そろそろ潮時か)
「この人たちは、私が」
そんなことを考えていると、女の声が急に聞こえてきた。 誰の声だ?聞き覚えかある。
どこから聞こえるんだと友人たちも声の主を探そうと辺りを見回していた。
その時、突然シャーロットが 悲しそうな顔で現れた。
(どこから現れたんだ?)
シャーロットの乱入に友人達も驚いて 注目する 。 何故そんな顔をしてるんだ?
気の強いシャーロットが、我々に弱み見せるはずがない。 明らかに怪しい。
「婚約して僅か1ヶ月で結婚するのは、 私が孕んでいるからじゃないかと 侮辱したんです」
(何の話だ?)
意味が分からず眉をひそめるする。
すると、シャーロットが友人たち一人 一人と視線を合わせる。 その側から友人たちが、バツが悪そうな顔をする
なるほど、私が、ここに来る前にそういう話をしていたということか。
「私はそんな、ふしだらな女じゃありませんわ」
シャーロットが、ひどいと首を横に振る。
しかし、ちっとも悲しそうに見えない。演技してるんだ 。笑みが隠しきれていない。
そのシャーロットの余裕の表情に 何か企んでいるなと警戒する。 婚約パーティーとは打って変わって生き生きしている。
この様子では、私が来る前から友人達の話を盗み聞きしていたな。
(ちっ!)
ああ、本当に小賢しい。
隙あらば攻撃を仕掛けてくる。アランは、心の中で舌打ちする。
「何言ってるんだ!俺たちは、そんなこと 一言も言ってない。なっ、なっ!」
「そっ、そうだよ」
「 シャーロットが、勝手に言ってるだけだ 」
友人達が、なんとかごまかそうとする。
本当はシャーロットを調子づかせるほどの、私の悪口を言っているんだろう。
そのぐらい 想像がつく。
しかし、それを証明することなど出来ないはず。それなのに シャーロットは余裕綽々だ 。
そのことに苛立つ。
(いったい何を言ったんだ?)
こめかみに 青筋 をたてて友人達を睨みつける。
「いいえ、本当ですわ 。 私にずっと付いていたメイドたちに、聞いて下されば分かりますわ」
そう言ってシャーロットが、後ろを振り返って メイドを指差す。
その場にいた全員に注目されてメイドたちが縮こまる。なんてことだ。自分の家の使用人に追い詰められるとは。
二人いるんだから、気を利かせて 私に知らせるとか、盗み聞き出来無いように遠ざけるとか、友人達に存在を知らせるとか、方法は いろいろあったのに、 どうしてシャーロットを止めない。
(役立たずどもが !)
怒鳴りつけたいのを我慢してメイドたちを見ると さらに縮こまる。
この場で 叱りたいか、そうすると 事態が悪化しかねない。下手に言い訳されても困る。アランは、メイド達 に下がるように手で払うと そそくさと居なくなる。
(どうして私の周りには有能な者が、いないんだ。 皆、足を引っ張ってばかり)
「お願いです。私の純潔を 証明してください。アラン 様のお友達までもが 、そう思うのですから世間の人達は ・・」
シャーロットが、しおらしく胸の前で手を組んで懇願する。 しかし、その目は私を挑発している。
「このまま予定通り結婚したら 一生後ろ指をさされてしまいます。 そんなの残酷すぎます・・ 」
(はっ?)
何を言い出すかと思えば、そんなこと?私に手を出すなとでも言いたいのか?
全く、どこまで自信過剰なんだ 。私にだって選ぶ権利がある。別段結婚したからといって手を出すつもりはない。 そのそぶりをして怖がらせる方が何倍も楽しい。服従させたい気持ちはあるが、無理やり襲うより、素直に私に身を任せる従順な女の方がいい。
アランはシャーロットの鶏ガラ見たいな身体に目をやる。 こういう小さくて華奢な体の方が男うけ するんだろうが 、私はもっと女らしい体の方が好みだ。
シャーロットが考える暇を与えないと、すぐさま 追撃してくる。
「これは、私だけの為ではありません。アラン様の為でもあるんです 」
「・・・」
言うに事欠いて私のため?
シャーロットが、 みんなの前で同情を誘うように、これ見よがしに ハンカチを取り出すと 出てもいない涙を 拭う真似をする。
それを顔をこわばらせながら見るしかない。
こんな茶番劇早く終わらせたい。しかし、シャーロットの狙いが分からない以上 適当なことは言えない。 それが、分かわるまでは耐えるだけだ。
しかし、シャーロットに、いいように言われるのは癪に障る。
「身持ちの悪い妻を 持ったと 誤解されるのは 本意ではないはず 。違いますか ?どうか 、私のことを思うなら 結婚を半年 延ばして下さい」
半年? 先延ばし?
時間を稼ぎしたい。そう言うことか。
そんなのは却下だ。
しかし、E何と言えばいいのかいい・・。
シャーロットに、ぞっこんという設定になっているから 冷たい態度も取れない。
すでに 私たちの関係を友人達が信じてもらえていない。
ここは考えて、それらしいことを言わないと疑惑が確信になってしまう。
(・・・)
シャーロットが両親を伴って、しずしずと部屋に入ってくると半信半疑だった友人たちも口をあんぐり開けて驚く。 そのまぬけづらに、本当だっただろうと友人達に向かって自慢げにアランは ふんと鼻を鳴らす。
この場にいる全員。私を含めて私たちが婚約するとは誰一人想像していなかっただろう。
それほど私に対するシャーロットの態度は、あからさまだった 。
椅子を引くと、あのシャーロットが 私に微笑みかける。そして、 文句も言わずに座ると、友人たちが どよめく。
それは、そうだろう。いつもは絶対零度の視線しか送ってこなかったんだから。
そのせいで俄然興味を持ったら友人達が私達に馴れ初めや、どうして気が変わったのか などと質問してくる。 想定外の質問もあったが、シャーロットが、そつなく答える。内心焦ったがシャーロットの頭の回転の速さに助けられた。
パーティーは淡々と進み。ほどなくして、おひらきになった。 叔父や叔母を見送ったアランは 友人達の溜まり場へと足を向ける。
親戚たちからは不信がる様の話は出なかった。 とりあえず、これで両親と親戚たちは騙されただろう。 あとは、友人たちか・・。
きっと今頃はタバコを吸いながら無駄話をしていることだろう。 両親たちの手前、パーティーでは何も言わなかった。
自分が作った二人の恋物語の感想も聞きたいし、 本当のところ自分達のことをどう思ったか知りたい。
***
友人達が恋愛結婚だと信じるなら、他の者も信じるだろうから遺産を手に入れたのも同然だ。
そんなことを期待しながら 庭にあるバラのアーチをくぐると、案の定 友人達が屯っている。
どんな理由があるか知らないが 昔からこの場所だ 。
アランは足音を立てないように友人達をの側に行くと 姿が見えないように隠れる。
一体どんな話をしているのかと、のぞく。
「それにしても、アランの あの作り話には 笑いをこらえるのが大変だったよ」
年上の女と不倫中のマーティンの一言で 全員が さっきのパーティーを思い出しているのかニヤニヤしだした 。
(作り話か・・)
どうやら全員信じていない。
何故だ。恋愛小説では王道のパターンなのに不評のようだ。 どこが駄目なんだ?
自分としては 練りに練って作ったんだが。
首をひねりながら理由を考える。
「俺もだ 。顔が、まだ強張っている」
「作り話にしても 、お粗末すぎるよ。オペラの帰りに、轍に車輪を取られて困っているところ 助けてあげたのが、きっかけで親密になったなんて」
「無い。無い」
それは私だって、そう思う。しかし、日頃から他人との交流がないんだから、 誰かと出会うきっかけはトラブルしかない。こんなときばかりは 人付き合いを避けていたことが悔やまれる。
「田舎ならともかく 市内は石畳だぜ。思わず何処でって、場所を聞きそうになったよ 」
「そんなベタな出会いなんか、あるわけないじゃないか。 恋愛はドラマチックじゃなきゃ 」
自称プレイボーイのドナルドが、さらにダメ出しをする。アランは、その言葉にムッとする。 自分こそ笑いかけられただけで運命の人に、会ったと 大騒ぎするくせに 。
「俺たちに見栄を張って どうするんだか 」
マーティンたちの言葉に拳を握りしめる。 呆れられたように言われて悔しい。
自分たちだって、大して恋愛経験がある訳でもないくせに人のことが言えるのか?
そう反論したいのをぐっと我慢する。
最後まで聞こう 。あいつらの本音を聞くいいチャンスだ。
「シャーロットが アランのこと 見直すことなんか 天地がひっくり返ってもないね」
「そうだ。無い。無い」
ドナルドが顔の前で手を振ると まるで それが 合図のように 友人 たちが腹を抱えて笑い出した 。 そんなこと自分が一番知っているし、それで構わない 。シャーロットの心が欲しいんじゃない。
遺産が欲しいだけだ。
「「あっ、はっ、はっ」」
我慢しようとしても友人達の笑い声が神経を逆なでする。
(・・・)
金のためだと割り切りとしたが、無理だ。
人をバカにした態度に我慢できずに、友人たちを黙らせようと、声をかけながら近づく。
「こんなところで隠れて吸ってたのか? 全く、服に匂いがついたら どうするんだ」
アランは、 忌々しげに煙を払う。 タバコのどこがいいのか分からない。金をかかるし、歯が黄色く変色するし、健康に悪い。
「アッ、アラン」
「どっ、どうして?」
友人達が私に気づくとタバコを投げ捨たり、靴で踏み潰したりして、 私の機嫌をとろうと証拠を隠滅する 。
(よくも好き勝手言ってくれたな)
作り笑顔で私を迎える友人達を仁王立ちで睨みつる。すると、話を 聞かれたと感じたらしく、皆が視線をそらす 。
「 お前たち、ここで何を話してたんだ」
「「・・・」」
わざと、そう聞くと黙り込んで何も言わない。
そんな友人たちに呆れ果てる。人の悪口なら、 ペラペラ喋るくせに 言い訳一つ出てこない
まるで頭の悪い子供のようだ。
いつまで経っても大人に、なりきれない。
こいつらを前にすると、怒る気も失せる。
どうせ注意しても変わりはしない。
アランは、 諦めたようにため息をつく。
「はぁ~ 、もういい」
恋愛結婚の証人としたかったが 役に立ちそうにない。
( そろそろ潮時か)
「この人たちは、私が」
そんなことを考えていると、女の声が急に聞こえてきた。 誰の声だ?聞き覚えかある。
どこから聞こえるんだと友人たちも声の主を探そうと辺りを見回していた。
その時、突然シャーロットが 悲しそうな顔で現れた。
(どこから現れたんだ?)
シャーロットの乱入に友人達も驚いて 注目する 。 何故そんな顔をしてるんだ?
気の強いシャーロットが、我々に弱み見せるはずがない。 明らかに怪しい。
「婚約して僅か1ヶ月で結婚するのは、 私が孕んでいるからじゃないかと 侮辱したんです」
(何の話だ?)
意味が分からず眉をひそめるする。
すると、シャーロットが友人たち一人 一人と視線を合わせる。 その側から友人たちが、バツが悪そうな顔をする
なるほど、私が、ここに来る前にそういう話をしていたということか。
「私はそんな、ふしだらな女じゃありませんわ」
シャーロットが、ひどいと首を横に振る。
しかし、ちっとも悲しそうに見えない。演技してるんだ 。笑みが隠しきれていない。
そのシャーロットの余裕の表情に 何か企んでいるなと警戒する。 婚約パーティーとは打って変わって生き生きしている。
この様子では、私が来る前から友人達の話を盗み聞きしていたな。
(ちっ!)
ああ、本当に小賢しい。
隙あらば攻撃を仕掛けてくる。アランは、心の中で舌打ちする。
「何言ってるんだ!俺たちは、そんなこと 一言も言ってない。なっ、なっ!」
「そっ、そうだよ」
「 シャーロットが、勝手に言ってるだけだ 」
友人達が、なんとかごまかそうとする。
本当はシャーロットを調子づかせるほどの、私の悪口を言っているんだろう。
そのぐらい 想像がつく。
しかし、それを証明することなど出来ないはず。それなのに シャーロットは余裕綽々だ 。
そのことに苛立つ。
(いったい何を言ったんだ?)
こめかみに 青筋 をたてて友人達を睨みつける。
「いいえ、本当ですわ 。 私にずっと付いていたメイドたちに、聞いて下されば分かりますわ」
そう言ってシャーロットが、後ろを振り返って メイドを指差す。
その場にいた全員に注目されてメイドたちが縮こまる。なんてことだ。自分の家の使用人に追い詰められるとは。
二人いるんだから、気を利かせて 私に知らせるとか、盗み聞き出来無いように遠ざけるとか、友人達に存在を知らせるとか、方法は いろいろあったのに、 どうしてシャーロットを止めない。
(役立たずどもが !)
怒鳴りつけたいのを我慢してメイドたちを見ると さらに縮こまる。
この場で 叱りたいか、そうすると 事態が悪化しかねない。下手に言い訳されても困る。アランは、メイド達 に下がるように手で払うと そそくさと居なくなる。
(どうして私の周りには有能な者が、いないんだ。 皆、足を引っ張ってばかり)
「お願いです。私の純潔を 証明してください。アラン 様のお友達までもが 、そう思うのですから世間の人達は ・・」
シャーロットが、しおらしく胸の前で手を組んで懇願する。 しかし、その目は私を挑発している。
「このまま予定通り結婚したら 一生後ろ指をさされてしまいます。 そんなの残酷すぎます・・ 」
(はっ?)
何を言い出すかと思えば、そんなこと?私に手を出すなとでも言いたいのか?
全く、どこまで自信過剰なんだ 。私にだって選ぶ権利がある。別段結婚したからといって手を出すつもりはない。 そのそぶりをして怖がらせる方が何倍も楽しい。服従させたい気持ちはあるが、無理やり襲うより、素直に私に身を任せる従順な女の方がいい。
アランはシャーロットの鶏ガラ見たいな身体に目をやる。 こういう小さくて華奢な体の方が男うけ するんだろうが 、私はもっと女らしい体の方が好みだ。
シャーロットが考える暇を与えないと、すぐさま 追撃してくる。
「これは、私だけの為ではありません。アラン様の為でもあるんです 」
「・・・」
言うに事欠いて私のため?
シャーロットが、 みんなの前で同情を誘うように、これ見よがしに ハンカチを取り出すと 出てもいない涙を 拭う真似をする。
それを顔をこわばらせながら見るしかない。
こんな茶番劇早く終わらせたい。しかし、シャーロットの狙いが分からない以上 適当なことは言えない。 それが、分かわるまでは耐えるだけだ。
しかし、シャーロットに、いいように言われるのは癪に障る。
「身持ちの悪い妻を 持ったと 誤解されるのは 本意ではないはず 。違いますか ?どうか 、私のことを思うなら 結婚を半年 延ばして下さい」
半年? 先延ばし?
時間を稼ぎしたい。そう言うことか。
そんなのは却下だ。
しかし、E何と言えばいいのかいい・・。
シャーロットに、ぞっこんという設定になっているから 冷たい態度も取れない。
すでに 私たちの関係を友人達が信じてもらえていない。
ここは考えて、それらしいことを言わないと疑惑が確信になってしまう。
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