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五個目
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クロエは ネイサンと一緒にリユースで作った医療用魔法石を両手に抱えて、母様の部屋に向かっていた。
寝ているだけでも魔力は消費する。
つまり、魔法石の魔力が減っていると言う事だ。母様には出来上がったばかりで、満タンな物をつかって欲しい。
効き目は変わらないだろうが 気持ち問題だ。
ネイサン特製の魔法石を使って危篤状態は脱した。しかし、あれから数日たつが、まだ目を覚まさない。
大丈夫だと ネイサンに言われても、人は自分勝手だから その先を願うものだ。
クロエは魔法石をサイドテーブルに置くと 母の寝顔を見つめる。随分顔色が良くなった。
(生気が戻ったと 言い直した方が当たっているかも)
早速、魔法石をベッドの四隅に魔法石を置く。すると、ネイサンが私の行動に呆れる。
「四つも、いらないんじゃ ないのか?」
「何を言っているのです。“大は小を兼ねる” です」
一つで十分だと言いたいのだろう。
でも、沢山ある方が効き目が倍になると考えるのが人間だ。ネイサンが首を傾げながら自分の意見を言う
「いやこの場合 “量より質” だろう」
「何か言いました?」
ネイサンの正論に冷たい視線を送る。ハッとしたような顔で私を見ると、ネイサンが強張った笑みを浮かべて両手を振る。
「否、何も言って無い。それよりもう一つはどうするんだ?」
ネイサンがそう言って、五個目の魔法石を私に手渡す。
(最後の一つは……何処に置こう)
「そうですねぇ~」
ネイサンに手渡された魔法石を持ちながら何処に置くか考える。
オーソドックスに魔法石の対角線が交差する母様の腹? それでは、ちっとも面白みがない。う~ん。
「やっぱり、ここかな」
冗談交じりで、フエロニエールのように 輝く宝石を一つ母様の額に そっと置く。
儚げな雰囲気がピッタリだ。何処かのお姫様と言ってもいいくらい似合っている。
「どうですか?」
意見を求めてネイサンを見る。
「いいんじゃないか」
と、今度は同意した。
だけど、どうせなら 少しでも綺麗にしたい。クロエは鏡台から櫛を取って来ると、母様の髪をとかして身嗜みを整える。
「母様。とっても綺麗よ」
そう言って頬にキスする。こんな風にからかうと母様は
「大人をからかうんじゃありません」
と、言って笑いながら叱るのに……。
閉じたままの瞼を見ると切ない。
駄目だ。思い出ばかり浮かんでくる。
何時までもこうしていたいけど、離れたくなってしまう。振り切るように立ち上がる。
「ネイサン様。戻りましょう」
「ああ」
ネイサンが、もうすぐ目を覚ますさ、と元気づけるように私の横に並ぶと肩を抱きよせた。
あんなに自立したいと思っていたのに、その手を払いのけられない。今の私はネイサンに依存している。だから、自分で決断することを 恐れている。そのくせ、従うことが出来ない。
父様に真実が言えないことも。伯母が犯人かも知れないことも。
でも、何より辛いことは、疑っている事も知られてはならないように、気を張って生活してはイケないことだ。
たとえ、母様が目を覚ましても 犯人が捕まらない限り続く。
後何日待てばいいの? 一日? 二日? 十日? 一月? 一年? 十年? そんな未来が見えない状況に、押し潰され
そうになる。
(それまで私は耐えられる?)
希望が欲しい。そうすればまた 一人で立てるのに……。しかし、地道に待つしかない。
コツン! ……コロコロ……。
ドアを開けようとした時、私たちの背後で何か固い物が床に落ちた音が聞こえた。何が落ちたのかと振り返った私の目が、床に落ちた魔法石に留まる。
何で落ちたの?
風? でも、 窓は閉まっている。
さっきまで魔法石のあった場所を見て、思わず口を両手で覆う。
「えっ……」
嘘! 母様が起き上がって、頭をはっきりさせようと首を振っている。
「かっ、……母様?……」
これは私の願望が見せた幻なの?
それを確かめるように 歩きながら手を伸ばす。
(どうか……どうか……どうか……どうか……消えないで、お願い)
すると、顔を上げた母様が私を見て驚いている。
「えっ、クロエ? どうしてここにいるの」
ああ、良かった。本当によかった。
また会えた。
駆け出してその胸に、ぶつかるように飛び込む。母様が驚いたように私を受け止める。
「母様―!」
「クッ、クロエ?」
この暖かさ、この香り、この声。すべて失うところだった。
(神様、ありがとうございます)
ネイサンが起きると約束してくれたことを 信じていなかったわけではない。
それでも、不安がずっと影の様に付き纏っていた。本音を言えば、もしかしたらと悪い方に考えていた。
嬉しくて、ホッとして、張りつめていたものが解けて涙に変わる。
「会いたかった……会いたかった…ずっと……ずっと……会いたかった」
もう二度と離さないとギュッとしがみ付く。 なぜ泣いているのか 理由を尋ね様と顔を覗き込むとする母様に
「どっ、どうしたの? クロエ?」
嫌だと抱きしめる腕に力を入れる。
「クロエ……」
戸惑っていた母様だったが 私の様子に何かあったのだろうと察したのか黙って背中をトントンと子供のころのようにあやしてくらる。
こうして、怖い事や、嫌な事も 全部母の腕の中で 甘えて乗り越えた。
ここは私の場所だ 。それを取り戻せた。
その幸せに浸っていると、バン!とドアが勢いよく開く。そちらを見ると 父様とネイサンの姿が見える。
そうだ。忘れてた。
ネイサンが気を使って父様に伝えに行ってくれていたみたいだ。
「キャサリン!」
「あなた……」
母様の背中から腕を外して、 場所を譲ろうとしたが、その前に父様が私ごと母様を抱きしめる。
父様の肩が震えている。つられるように、また涙が溢れる。私達は この日が来るのを ネイサンの言葉だけを頼りに
長い時間待っていた。
それは 私たちにとって辛い日々だった。でも、それも今日で終わり。
楽しそうに話している両親の姿に、日常は元に戻ったと実感する。
「良かったね」
何時の間にか隣にいたネイサンが肩をポンと叩く。クロエは ネイサンの手を両手で包むと、その上に頭を下げる。
「ありがとうございます」
心からの感謝だ。父様を呼んできてくれた事も。母様ために 魔法石を作ってくれた事も。私を連れてくれた事も。
全部、ネイサンがいてくれたからだ。
涙が滲む目でネイサンを見上けたけど、ぼやけてはっきりとは見えない。けれど、微笑んでくれているのが伝わる。今日は泣いてばかりだ。パッと涙を指で拭う。
「これで夫人は大丈夫だ。後は、美味しい物を食べて、落ちてしまった体力を元に戻せば問題ない」
いくら魔法石から魔力を取っていたとは言っても、やはり口からの摂取した方が良いに決まっている。
「分かりました。母の大好物をいっぱい食べさせます」
「そうすれば良い。喜ぶだろう」
母様の好物のプリンを作ってあげよう。舌触りもいいし、食べやすいし、栄養価があるから最適だ。
「これで……」
一安心。そう続けたかったが、何も言えずに口を閉じた 。そうはいかない。
新たな問題が……。否、状況が悪化したと考えた方が良いのかも……。
きっと父様は、母様の口から どう言う状況だったか聞くはずだ。
(父様だって知りたい)
それは犯人にとって致命的だ。せっかくの喜びが、あっと言う間に恐れへと変わる。
(犯人が母様が目を覚ました事を知ったら……。もう一度狙われるかもしれない)
記憶が戻ったとしても 睡眠薬を飲まされたとか その程度だ。自分と入れ替わろうと双子石が使われた事は知らない。真実を知っているのは私と、ネイサンと、犯人の三人。
( ……… )
今からでも そのことを伝えようか? いや、不安にさせるだけだ。
ネイサンの言う通り、伯母が犯人だと母様が言ったとして、父様は母様の言葉をそのまま信じるだろうか? 父様の事だ。私と同じように鵜呑みにはしない。私だっていまだ 半信半疑で確信が持てない位なんだから、付き合いが長い父様にしてみれば 私以上に信じられない。今あるのは状況証拠だけだから、下手に父に疑問を口にしたら藪蛇になるかもしれない。
いずれにせよ、 明日になれば全てが明らかになる。
次回予告
*母の記憶
寝ているだけでも魔力は消費する。
つまり、魔法石の魔力が減っていると言う事だ。母様には出来上がったばかりで、満タンな物をつかって欲しい。
効き目は変わらないだろうが 気持ち問題だ。
ネイサン特製の魔法石を使って危篤状態は脱した。しかし、あれから数日たつが、まだ目を覚まさない。
大丈夫だと ネイサンに言われても、人は自分勝手だから その先を願うものだ。
クロエは魔法石をサイドテーブルに置くと 母の寝顔を見つめる。随分顔色が良くなった。
(生気が戻ったと 言い直した方が当たっているかも)
早速、魔法石をベッドの四隅に魔法石を置く。すると、ネイサンが私の行動に呆れる。
「四つも、いらないんじゃ ないのか?」
「何を言っているのです。“大は小を兼ねる” です」
一つで十分だと言いたいのだろう。
でも、沢山ある方が効き目が倍になると考えるのが人間だ。ネイサンが首を傾げながら自分の意見を言う
「いやこの場合 “量より質” だろう」
「何か言いました?」
ネイサンの正論に冷たい視線を送る。ハッとしたような顔で私を見ると、ネイサンが強張った笑みを浮かべて両手を振る。
「否、何も言って無い。それよりもう一つはどうするんだ?」
ネイサンがそう言って、五個目の魔法石を私に手渡す。
(最後の一つは……何処に置こう)
「そうですねぇ~」
ネイサンに手渡された魔法石を持ちながら何処に置くか考える。
オーソドックスに魔法石の対角線が交差する母様の腹? それでは、ちっとも面白みがない。う~ん。
「やっぱり、ここかな」
冗談交じりで、フエロニエールのように 輝く宝石を一つ母様の額に そっと置く。
儚げな雰囲気がピッタリだ。何処かのお姫様と言ってもいいくらい似合っている。
「どうですか?」
意見を求めてネイサンを見る。
「いいんじゃないか」
と、今度は同意した。
だけど、どうせなら 少しでも綺麗にしたい。クロエは鏡台から櫛を取って来ると、母様の髪をとかして身嗜みを整える。
「母様。とっても綺麗よ」
そう言って頬にキスする。こんな風にからかうと母様は
「大人をからかうんじゃありません」
と、言って笑いながら叱るのに……。
閉じたままの瞼を見ると切ない。
駄目だ。思い出ばかり浮かんでくる。
何時までもこうしていたいけど、離れたくなってしまう。振り切るように立ち上がる。
「ネイサン様。戻りましょう」
「ああ」
ネイサンが、もうすぐ目を覚ますさ、と元気づけるように私の横に並ぶと肩を抱きよせた。
あんなに自立したいと思っていたのに、その手を払いのけられない。今の私はネイサンに依存している。だから、自分で決断することを 恐れている。そのくせ、従うことが出来ない。
父様に真実が言えないことも。伯母が犯人かも知れないことも。
でも、何より辛いことは、疑っている事も知られてはならないように、気を張って生活してはイケないことだ。
たとえ、母様が目を覚ましても 犯人が捕まらない限り続く。
後何日待てばいいの? 一日? 二日? 十日? 一月? 一年? 十年? そんな未来が見えない状況に、押し潰され
そうになる。
(それまで私は耐えられる?)
希望が欲しい。そうすればまた 一人で立てるのに……。しかし、地道に待つしかない。
コツン! ……コロコロ……。
ドアを開けようとした時、私たちの背後で何か固い物が床に落ちた音が聞こえた。何が落ちたのかと振り返った私の目が、床に落ちた魔法石に留まる。
何で落ちたの?
風? でも、 窓は閉まっている。
さっきまで魔法石のあった場所を見て、思わず口を両手で覆う。
「えっ……」
嘘! 母様が起き上がって、頭をはっきりさせようと首を振っている。
「かっ、……母様?……」
これは私の願望が見せた幻なの?
それを確かめるように 歩きながら手を伸ばす。
(どうか……どうか……どうか……どうか……消えないで、お願い)
すると、顔を上げた母様が私を見て驚いている。
「えっ、クロエ? どうしてここにいるの」
ああ、良かった。本当によかった。
また会えた。
駆け出してその胸に、ぶつかるように飛び込む。母様が驚いたように私を受け止める。
「母様―!」
「クッ、クロエ?」
この暖かさ、この香り、この声。すべて失うところだった。
(神様、ありがとうございます)
ネイサンが起きると約束してくれたことを 信じていなかったわけではない。
それでも、不安がずっと影の様に付き纏っていた。本音を言えば、もしかしたらと悪い方に考えていた。
嬉しくて、ホッとして、張りつめていたものが解けて涙に変わる。
「会いたかった……会いたかった…ずっと……ずっと……会いたかった」
もう二度と離さないとギュッとしがみ付く。 なぜ泣いているのか 理由を尋ね様と顔を覗き込むとする母様に
「どっ、どうしたの? クロエ?」
嫌だと抱きしめる腕に力を入れる。
「クロエ……」
戸惑っていた母様だったが 私の様子に何かあったのだろうと察したのか黙って背中をトントンと子供のころのようにあやしてくらる。
こうして、怖い事や、嫌な事も 全部母の腕の中で 甘えて乗り越えた。
ここは私の場所だ 。それを取り戻せた。
その幸せに浸っていると、バン!とドアが勢いよく開く。そちらを見ると 父様とネイサンの姿が見える。
そうだ。忘れてた。
ネイサンが気を使って父様に伝えに行ってくれていたみたいだ。
「キャサリン!」
「あなた……」
母様の背中から腕を外して、 場所を譲ろうとしたが、その前に父様が私ごと母様を抱きしめる。
父様の肩が震えている。つられるように、また涙が溢れる。私達は この日が来るのを ネイサンの言葉だけを頼りに
長い時間待っていた。
それは 私たちにとって辛い日々だった。でも、それも今日で終わり。
楽しそうに話している両親の姿に、日常は元に戻ったと実感する。
「良かったね」
何時の間にか隣にいたネイサンが肩をポンと叩く。クロエは ネイサンの手を両手で包むと、その上に頭を下げる。
「ありがとうございます」
心からの感謝だ。父様を呼んできてくれた事も。母様ために 魔法石を作ってくれた事も。私を連れてくれた事も。
全部、ネイサンがいてくれたからだ。
涙が滲む目でネイサンを見上けたけど、ぼやけてはっきりとは見えない。けれど、微笑んでくれているのが伝わる。今日は泣いてばかりだ。パッと涙を指で拭う。
「これで夫人は大丈夫だ。後は、美味しい物を食べて、落ちてしまった体力を元に戻せば問題ない」
いくら魔法石から魔力を取っていたとは言っても、やはり口からの摂取した方が良いに決まっている。
「分かりました。母の大好物をいっぱい食べさせます」
「そうすれば良い。喜ぶだろう」
母様の好物のプリンを作ってあげよう。舌触りもいいし、食べやすいし、栄養価があるから最適だ。
「これで……」
一安心。そう続けたかったが、何も言えずに口を閉じた 。そうはいかない。
新たな問題が……。否、状況が悪化したと考えた方が良いのかも……。
きっと父様は、母様の口から どう言う状況だったか聞くはずだ。
(父様だって知りたい)
それは犯人にとって致命的だ。せっかくの喜びが、あっと言う間に恐れへと変わる。
(犯人が母様が目を覚ました事を知ったら……。もう一度狙われるかもしれない)
記憶が戻ったとしても 睡眠薬を飲まされたとか その程度だ。自分と入れ替わろうと双子石が使われた事は知らない。真実を知っているのは私と、ネイサンと、犯人の三人。
( ……… )
今からでも そのことを伝えようか? いや、不安にさせるだけだ。
ネイサンの言う通り、伯母が犯人だと母様が言ったとして、父様は母様の言葉をそのまま信じるだろうか? 父様の事だ。私と同じように鵜呑みにはしない。私だっていまだ 半信半疑で確信が持てない位なんだから、付き合いが長い父様にしてみれば 私以上に信じられない。今あるのは状況証拠だけだから、下手に父に疑問を口にしたら藪蛇になるかもしれない。
いずれにせよ、 明日になれば全てが明らかになる。
次回予告
*母の記憶
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