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ペンダント
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クロエはエミリアから 調査報告を聞いていた。
「睡眠薬は 薬局で処方される薬草を利用して作られたものだったわ。これが成分表」
そう言ってエミリアがカバンけら封筒を取り出す。
「もう!? 早いわね」
もっと時間がかかると思っていた。
さすがトンプソン家だと感心する。
社交界を牛耳ってるだけのことはある。封筒から書類を取り出していると、
「クロエ。もう帰るわ。何か用があったら連絡ちょうだい」
出されたお茶を飲み干すと、私の返事を待たずに手を振って帰っていった。
自分も軽く手を振って見送る。
「ラベンダー、ベルガモット、バレリアン……」
成分分析表には馴染みのある薬草から、聞いたことのない薬草まで、名前が ズラリと並んでいる。
貴族が病気の時は魔法石を使用するが、市井の者は安価な薬草を使う。
(結構いろんな種類の薬草を使ってるのね……)
どの薬草を何グラム使うかは 処方箋がないと難しい。それなのに自分で完成させている。犯人は薬学に通じてるらしい。でも、全ての薬草を自前で揃えるは無理なはずだ。
医者でもないのに薬草を買ったら珍しいから、薬草園の人が覚えてるかも。これなら私でも調べれば 目星がつく。
だったら、睡眠薬の方から調べた方がいいだろう。パチンと手帳を閉じる。
でも、どの薬草から調べれば 犯人に繋がるんだろう……。
成分分析表を手に取る。
( ……… )
仕方ない。ネイサンに聞いてみよう。医者ではないが、医療用魔法石を作ってるから私よりは知識があるはずだ。
****
ネイサンはクロエから渡された書類を見て驚く。
(成分分析表?)
ここまで調べてあげるとは……。驚きと同時に怖くなる。
とても子供が考え付くものじゃない。
「どれが、そうですか?」
しかし、試験結果を待つように期待に目を輝かせているクロエを 邪険にできない。仕方なく成分分析表の書類をめくっていると、その手が止まる。
『ハラルハウス』
確か……2年前にある事件をきっかけに栽培禁止になった花だ。
ピンク色のかすみ草みたいで、花束にすると見栄えがすると婦女子に人気があった。
しかし その花には 吸収を遅くする成分が入っていた為、それを利用した犯罪が多発した。その方法は 毒を飲ませた後、その場を離れて完璧なアリバイを作るというものだ。じわじわと毒が回るから、犯行時刻と死亡事故が異なる。 それが使われたとなると より事件性が高くなる。
この花を選ぶなんて、犯人は用意周到に準備をしている。だが、その結果が、眠ってるだけ……。ここまで計画を練ることが出来るのに、それだけ?
どう考えても割に合わない。何か見落としているに違いない。
話して欲しそうなクロエには悪いが、そういう次元の話ではなくなってしまった。本人が思っている以上に悪質な事件の匂いがする。
これ以上クロエに調査させてはいけない。 しかし、母親のことだから手を引かせるのは簡単じゃない。
何か適当な理由を 探そうと質問してみることにした。
*****
「クロエ。そもそもどうして、事件だと思ったんだ」
そう聞かれてクロエはネイサンに事件だと気づいた、その理由を説明することにした。
「それは、母様のペンダントに ヒビが入っていたからです」
「ヒビ?……」
「そうです。犯人がナイフを突き立てた時に出来たものです」
殺人未遂だと打ち打ち明けるのは気が重い。 母様が恨みを買ったと、教えるようなものだから。
でも、一緒に捜査するんだから秘密はないほうがいい。
鏡台の上にある宝石箱から証拠のペンダントを持ってくるとネイサンの目の前に置く。 ペンダントを見たネイサン
の顔色がさっと変わる。 感情をあらわにするネイサンに驚く。一体どうしたんだろう?
何か問題でもあるんだろうか? それとも 殺人未遂と分かって 手を引きたくなったのか……。
「ネイサン様?」
「 ……… 」
声をかけても、 反応がない。
憑かれたようにペンダントを見ている。急に黙り込んだネイサンを見て不安になる。
「 ……… 」
「 ……… 」
沈黙が広がり、いたたまれない。
口をきくのも出来ず自分も無言でいると、顔をこわばらせていたネイサンが、ひたと私を見る。
それに対して無意識に居住まいを正した。何を話す気だろう……。
しかし、何かを決めたように 立ち上がると 何も言わずに 部屋を出て行ってしまった
慌てて後を追うと その背中に声を掛ける。何をそんなに焦っているんだろう。
「ネイサン様、 どこへ行かれるんですか?」
すると、振り返りもせずに答えた。
「直接この手で夫人の診察しようと思う」
「えっ?」
ネイサンの思いがけない言葉に驚く。
ネイサンが医療用魔法石を作るのを手伝ってきたが、本人が直接診断したことはない。
医術の心得があるとは初耳だ。大抵は 医者の診断書やジェームズさんの診たてを確認してから作っている。
そんな戸惑う私を置き去りにして、どんどん先へ行く。
「お待ち下さい」
***
母様の部屋につくと、なぜ急にそんなことを言い出したのか分からないままネイサンの診察が始まった。
( 一体 どういうことだろう……)
母様の症状に何か心当たりがあるんだろうか? 聞きたいことは、いっぱいあるが、今は見守ることにした。
ネイサンが母様の手首を掴んで目を閉じて耳を澄ませるように顔を傾ける。
(脈を見ているのだろうか? )
もしかして毒とか麻痺とか……。他のモノが混ざってる?
ネイサンの背後から母様を覘き込む。しかし、私には分からない。
じりじりしながら待っていると、診察が終わったらしくネイサンが目を開ける。
「ネイサン様、どういうことか説明してください」
「 ……… 」
しかし、気難しい顔で何も語らない。
その顔は何を意味するの?
また、母様の顔に目をやったが 直ぐに、視線を外して口に手をやって考え込んだ。その姿に心配になる。早く診断結果を教えて欲しい。
我慢できずに催促した。
「ネイサン様。早く教えて下さい」
「とりあえず、部屋を出よう」
「えっ」
そう言うと、またしても私を置き去りにして一人勝手に部屋を出て行ってしまった。
「ちょっと!」
外に出るとネイサンの姿は遠い。
既に客間に向かって歩いている。
一体何がしたいのか、さっぱり分からない。ネイサンに振り回されることに苛立ちを隠せない。
「ネイサン様!」
「 ……… 」
声をかけたが、今度は返事もしない。
その態度にムッとしてネイサンの前に
回り込んで止めようとした。だけど、ネイサンの厳しい顔を見てやめた。
頭は疑問だらけ。
質問したいが、そんな雰囲気ではなかった。
「はい。はい」
話し掛けるなと言うなら、それに従うしかない。ネイサンの行動は何か考えがあっての事だと経験上知っているから。諦めたように肩を落とした。
***
結局、部屋に行くまでの間、何一つ言葉を発さなかった。客間のドアの前に着くとネイサンが 私を押し込むように部屋に入れる。
「えっ、ちょっ」
乱暴な扱いに振り返ると、自分の口に指を当ててからドアを指差す。
(はっ? えっ? 静かにしろってこと?)
ネイサンが、閉めたドアを音をたてないように開けて、外の様子を伺っている。まるで、自分たちの後を付けている人がいるかのような行動に やれやれと肩を竦める。スパイじゃあるまいし、本の読みすぎ。
(随分オーバーね)
「ネイサン」
「しっ!」
名前を呼ぶと鋭い視線が返っきた。
ただならぬ雰囲気に黙る。
(名前を呼んだだけなのに……)
分かったと大人しく従ったが、ベッドの下を覘いたりタンスの引き出しを開けたり、備え付けの家具を調べている。
凄く警戒している。そんなに聞かれて不味い話をするんだろうか? そう考えるとネイサンの行動が怖い。
一通り確認したネイサンが、ぐるりと部屋を見渡して満足気に頷く。
やっと話ができる。
「どうなさったのですか?」
声をかけると、くるりと振り向いて
ネイサンが私の前に立つ。そして、
ジッと顔を見たかと思うと私の両肩に手を置いた。
「落ち着いて聞いてくれ」
「なっ、何ですか」
深刻な話? 何を話そうとするのか、全く見当がつかない 。不安で聞きたくなくなる。だけど、母様に関する話だ。
息を殺して話の続きを待った。
「夫人にペンダントをプレゼントした事を覚えているか?」
次回予告
*双子石
「睡眠薬は 薬局で処方される薬草を利用して作られたものだったわ。これが成分表」
そう言ってエミリアがカバンけら封筒を取り出す。
「もう!? 早いわね」
もっと時間がかかると思っていた。
さすがトンプソン家だと感心する。
社交界を牛耳ってるだけのことはある。封筒から書類を取り出していると、
「クロエ。もう帰るわ。何か用があったら連絡ちょうだい」
出されたお茶を飲み干すと、私の返事を待たずに手を振って帰っていった。
自分も軽く手を振って見送る。
「ラベンダー、ベルガモット、バレリアン……」
成分分析表には馴染みのある薬草から、聞いたことのない薬草まで、名前が ズラリと並んでいる。
貴族が病気の時は魔法石を使用するが、市井の者は安価な薬草を使う。
(結構いろんな種類の薬草を使ってるのね……)
どの薬草を何グラム使うかは 処方箋がないと難しい。それなのに自分で完成させている。犯人は薬学に通じてるらしい。でも、全ての薬草を自前で揃えるは無理なはずだ。
医者でもないのに薬草を買ったら珍しいから、薬草園の人が覚えてるかも。これなら私でも調べれば 目星がつく。
だったら、睡眠薬の方から調べた方がいいだろう。パチンと手帳を閉じる。
でも、どの薬草から調べれば 犯人に繋がるんだろう……。
成分分析表を手に取る。
( ……… )
仕方ない。ネイサンに聞いてみよう。医者ではないが、医療用魔法石を作ってるから私よりは知識があるはずだ。
****
ネイサンはクロエから渡された書類を見て驚く。
(成分分析表?)
ここまで調べてあげるとは……。驚きと同時に怖くなる。
とても子供が考え付くものじゃない。
「どれが、そうですか?」
しかし、試験結果を待つように期待に目を輝かせているクロエを 邪険にできない。仕方なく成分分析表の書類をめくっていると、その手が止まる。
『ハラルハウス』
確か……2年前にある事件をきっかけに栽培禁止になった花だ。
ピンク色のかすみ草みたいで、花束にすると見栄えがすると婦女子に人気があった。
しかし その花には 吸収を遅くする成分が入っていた為、それを利用した犯罪が多発した。その方法は 毒を飲ませた後、その場を離れて完璧なアリバイを作るというものだ。じわじわと毒が回るから、犯行時刻と死亡事故が異なる。 それが使われたとなると より事件性が高くなる。
この花を選ぶなんて、犯人は用意周到に準備をしている。だが、その結果が、眠ってるだけ……。ここまで計画を練ることが出来るのに、それだけ?
どう考えても割に合わない。何か見落としているに違いない。
話して欲しそうなクロエには悪いが、そういう次元の話ではなくなってしまった。本人が思っている以上に悪質な事件の匂いがする。
これ以上クロエに調査させてはいけない。 しかし、母親のことだから手を引かせるのは簡単じゃない。
何か適当な理由を 探そうと質問してみることにした。
*****
「クロエ。そもそもどうして、事件だと思ったんだ」
そう聞かれてクロエはネイサンに事件だと気づいた、その理由を説明することにした。
「それは、母様のペンダントに ヒビが入っていたからです」
「ヒビ?……」
「そうです。犯人がナイフを突き立てた時に出来たものです」
殺人未遂だと打ち打ち明けるのは気が重い。 母様が恨みを買ったと、教えるようなものだから。
でも、一緒に捜査するんだから秘密はないほうがいい。
鏡台の上にある宝石箱から証拠のペンダントを持ってくるとネイサンの目の前に置く。 ペンダントを見たネイサン
の顔色がさっと変わる。 感情をあらわにするネイサンに驚く。一体どうしたんだろう?
何か問題でもあるんだろうか? それとも 殺人未遂と分かって 手を引きたくなったのか……。
「ネイサン様?」
「 ……… 」
声をかけても、 反応がない。
憑かれたようにペンダントを見ている。急に黙り込んだネイサンを見て不安になる。
「 ……… 」
「 ……… 」
沈黙が広がり、いたたまれない。
口をきくのも出来ず自分も無言でいると、顔をこわばらせていたネイサンが、ひたと私を見る。
それに対して無意識に居住まいを正した。何を話す気だろう……。
しかし、何かを決めたように 立ち上がると 何も言わずに 部屋を出て行ってしまった
慌てて後を追うと その背中に声を掛ける。何をそんなに焦っているんだろう。
「ネイサン様、 どこへ行かれるんですか?」
すると、振り返りもせずに答えた。
「直接この手で夫人の診察しようと思う」
「えっ?」
ネイサンの思いがけない言葉に驚く。
ネイサンが医療用魔法石を作るのを手伝ってきたが、本人が直接診断したことはない。
医術の心得があるとは初耳だ。大抵は 医者の診断書やジェームズさんの診たてを確認してから作っている。
そんな戸惑う私を置き去りにして、どんどん先へ行く。
「お待ち下さい」
***
母様の部屋につくと、なぜ急にそんなことを言い出したのか分からないままネイサンの診察が始まった。
( 一体 どういうことだろう……)
母様の症状に何か心当たりがあるんだろうか? 聞きたいことは、いっぱいあるが、今は見守ることにした。
ネイサンが母様の手首を掴んで目を閉じて耳を澄ませるように顔を傾ける。
(脈を見ているのだろうか? )
もしかして毒とか麻痺とか……。他のモノが混ざってる?
ネイサンの背後から母様を覘き込む。しかし、私には分からない。
じりじりしながら待っていると、診察が終わったらしくネイサンが目を開ける。
「ネイサン様、どういうことか説明してください」
「 ……… 」
しかし、気難しい顔で何も語らない。
その顔は何を意味するの?
また、母様の顔に目をやったが 直ぐに、視線を外して口に手をやって考え込んだ。その姿に心配になる。早く診断結果を教えて欲しい。
我慢できずに催促した。
「ネイサン様。早く教えて下さい」
「とりあえず、部屋を出よう」
「えっ」
そう言うと、またしても私を置き去りにして一人勝手に部屋を出て行ってしまった。
「ちょっと!」
外に出るとネイサンの姿は遠い。
既に客間に向かって歩いている。
一体何がしたいのか、さっぱり分からない。ネイサンに振り回されることに苛立ちを隠せない。
「ネイサン様!」
「 ……… 」
声をかけたが、今度は返事もしない。
その態度にムッとしてネイサンの前に
回り込んで止めようとした。だけど、ネイサンの厳しい顔を見てやめた。
頭は疑問だらけ。
質問したいが、そんな雰囲気ではなかった。
「はい。はい」
話し掛けるなと言うなら、それに従うしかない。ネイサンの行動は何か考えがあっての事だと経験上知っているから。諦めたように肩を落とした。
***
結局、部屋に行くまでの間、何一つ言葉を発さなかった。客間のドアの前に着くとネイサンが 私を押し込むように部屋に入れる。
「えっ、ちょっ」
乱暴な扱いに振り返ると、自分の口に指を当ててからドアを指差す。
(はっ? えっ? 静かにしろってこと?)
ネイサンが、閉めたドアを音をたてないように開けて、外の様子を伺っている。まるで、自分たちの後を付けている人がいるかのような行動に やれやれと肩を竦める。スパイじゃあるまいし、本の読みすぎ。
(随分オーバーね)
「ネイサン」
「しっ!」
名前を呼ぶと鋭い視線が返っきた。
ただならぬ雰囲気に黙る。
(名前を呼んだだけなのに……)
分かったと大人しく従ったが、ベッドの下を覘いたりタンスの引き出しを開けたり、備え付けの家具を調べている。
凄く警戒している。そんなに聞かれて不味い話をするんだろうか? そう考えるとネイサンの行動が怖い。
一通り確認したネイサンが、ぐるりと部屋を見渡して満足気に頷く。
やっと話ができる。
「どうなさったのですか?」
声をかけると、くるりと振り向いて
ネイサンが私の前に立つ。そして、
ジッと顔を見たかと思うと私の両肩に手を置いた。
「落ち着いて聞いてくれ」
「なっ、何ですか」
深刻な話? 何を話そうとするのか、全く見当がつかない 。不安で聞きたくなくなる。だけど、母様に関する話だ。
息を殺して話の続きを待った。
「夫人にペンダントをプレゼントした事を覚えているか?」
次回予告
*双子石
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