7人目の皇子

50話

チヒロside

目を覚ますとルーカスがコーヒーを飲んでいた。
朝食を食べながら。

「おはよう」

「おはようチヒロ」

太陽がルーカスを照らしていてすっごい綺麗で
見とれていたら、

「何見とれてるんだ？手紙、届いてるぞ。」

と、ニヤニヤした顔で言っていました。
照れながらテーブルの方へ行くと
さっきルーカスが言っていた手紙が
置いてありました。

「皇宮…」

と呟き、中を開くと    
体調が良ければすぐに来るように  　　
と書いてありました。

「なんて書いてあったんだ？」

と興味津々に聞いてきました。

「皇宮に行かなくては行けません。」

「ではすぐに行くのか？」

「はい。」

「もう少しゆっくりしてもいいのに」

「そういう訳にも行きません。」

「無理だけは絶対にするなよ。」

「わかりました。」

服を着替えて支度をして行く準備が
整った時、

ギュッ

と後ろからハグをされました。

「本当に行くのか？」

うるうるした目で訴えかけられドキドキしましたが

「行かなきゃ」

「…気をつけて行くんだぞ」

とお見送りしてくれた。
皇宮に着いて、急いで書かれた場所に行った。
扉を開くと、お兄様方やお父様が
全員揃っていました。
お兄様方は目を見開いて私を見ていて、

「チヒロ、ここまでご苦労」

とお父様がおっしゃっいました。

「なぜ私はここに呼ばれたのですか？」

早速本題に移りました。

「早いなぁ。とりあえず座れ」

お父様がそういうとお兄様方も席に着席
されました。

「体は大丈夫なのか？」

「はい。大丈夫です。」

「チヒロがイエレルを守ったと、その時手が
切れてしまったと聞いたが、」

マントを着て顔を隠したけれどバレてしまった。
早く退散したはずなのに、、

「なぜ私だと？」

と聞くとイエレルお兄様が

「何となくチヒロだった。顔は見えなかったけど
傷の治し方も剣の振り方もチヒロだったんだよ。」

お兄様には全てわかってしまったようで、
結局黒のマントを被った意味はありませんでした。

「ところで腕が治っているように見えるんだけど」

とイエレルお兄様に聞かれた、

「何故か再生していて腕も手もしっかり使えます。」

「本当か！すごいなチヒロは」

とルイお兄様に褒められました。
そこからは楽しい談話をして帰ると、
ルーカスが待ってくれていました。

「おかえり」

「ただいま」

ギュッとハグをして、幸せだなと感じました。
これからも幸せに生きていきます。




完結です