7人目の皇子

49話

ルーカスside

本を読んでいた時、ふと視線を感じて、
チヒロの方をみると目を開けてこちらを
見ていた。

「起きたか。」

と傍に駆け寄った。熱はちょっとあるな。
俺の手が冷たくて、気持ちがいいのか、
擦り寄って目を細めていた。かわいい。
すると、ハッと思い出すように聞いてきた。

「お兄様方は大丈夫なのですか？」

と聞かれた。何も話していなかった。

「元気にご政務をなされている。街の人たちも
みんな元気だ。」

「良かった。」

本当に安心した顔でふにゃっと笑った。
かわいい。

その後は2人でベッドな寝転んで色んなことを
話した。

「チヒロかなり無理をする。」

「それは……ごめんなさい。」

「怒ってるわけじゃない。
もっと体を大事にした方がいい。」

「でもお兄様を守りたくて……」

「それもわかる。だが、もし腕が
再生しなかったらどうするつもりだった？」

「必死すぎて、考えていませんでした。」

「はぁ、、こっちに来い」

ともう少し近くに呼んだ。
ぎゅうと抱きしめて

「本当に心配したんだ。もう二度と熱があるうちは
どこにも行かせないからな。」

「はい！」

「本当にわかってるのか？」

「わかってます。」

「不安だ。」

その日はそのまま眠りに落ちた。
久しぶりにチヒロと一緒に寝たからか、しっかり
眠れた気がした。
朝起きてもまだチヒロは眠っていたため
こっそりと起きて、簡単に身支度を終える。
朝食をこちらに用意してコーヒーを飲みながら
チヒロが起きるのを待つ。
チヒロ宛の手紙が来て、紋章は皇宮から
なんの招待なのだろう。
平和だなと幸せだなと思った。