7人目の皇子

カエデ

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31話

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ルーカスside

遡って、15歳の暖かい時期。入学試験・剣術で、当たった相手は悪い噂が目立つ第7皇子。
1度だけ話したことがあるが噂通りの人だ。態度はまぁ皇族だからなんとも言えないが、ちょっと傲慢すぎる。俺は特になんとも思わなかったが。

「第7皇子様よろしくお願い致します。」

と言うと、傲慢な態度で返されると思ったが、

「はい、こちらこそ」

と、丁寧に返された。そろそろ反省しだしたのか?婚期が近づいているもんな。と考えつつ、試験が開始した。まず思ったことは強いということだ。開始早々仕掛けたのにしっかり弾き返された。
負ける……!!と思ったが第7皇子は手を抜いた。
結局試合は俺が勝ってしまった。相手にされないような感じがしてちょっとイラついた。

これが出会い。

俺と一緒の時期に早期卒業をしたと聞いたが
それ以降会ってないから気にとめなかった。

お母様とお父様と事業を始めた。病院だ。平民でも治療が受けられるようにと願いを込めて始めた。
最初は少人数だったけど、段々と人数が増えていった。司祭様を呼ぶのはお金がかかるから。

俺も病院に入って診察をしていた。医師の中で1番評価が高かったから貴族の相手が多かった。
次の診察が入ったから個室に入ると、そこには入学試験で戦った相手だった。相手にすらさせて貰えなかった。でも仕事は仕事だ。やらなければ

「お待たせ致しました。どこか優れない所が
お有りですか?」

と話すと、現状を話してくれた。第7皇子には協力な呪いがかかっていた。呪い?誰にかけられたんだろうか?少し心配になった。体調が悪くなったりならなかったりを繰り返し、病院に来てばかりだ。正直嫌な奴だと思っていたけれど、少し可哀想だと思ってしまう。

皇后が牢獄に入れられ、第7皇子は大魔法士だったという噂が帝国中に広まった。魔術を使うと痛いというのはやはり呪いだった。皇后は悪いやつなのか。分からないことは沢山あるがとにかく呪いから逃れたようで良かった。それに子供ができるようになる体なんて、前代未聞だ。大魔法士にも欠点が無いわけじゃないよな。

それからまた、体調が悪くなったり良くなったりを繰り返した。ここに来る度にたまに笑顔を漏らすこの笑顔がたまらなく愛おしいと感じたのはいつからだっけ。見た目とかそういうんじゃなく、言動も全てが可愛らしいと思ってきた。相手は同性なのに。

朝起きて第7皇子の顔色を覗きに来ると朝日に照らされて本当にかわいい。かわいい。かわいい。


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