7人目の皇子

29話

チヒロside

「急に体が変わったことが原因ですね。」

ルーカス様はそう仰いました。体は変わったのかもしれないけれど。ぼーっとする頭で必死に考えました。

「繁殖は令嬢には出来ないのでご結婚は男性の方の方が良いかと。可能性は色々ありますけれど、子供を産まないといけなくなる場合もお考え下さい。」

本当にそんな器官が私の体にあるのか実感は湧きませんが、この国を魔物から守るには私の力が必要な時もあるかもしれません。私がこんなことで死んでしまったら、この国が危なくなってしまうかもしれませんし。これからは男性の方と、関係を築いていかなければなりませんかね。

「とりあえず今日はこちらでお休み下さい。体調が急変しても俺がすぐに来られますし、この部屋を
お使いください。」

お礼を申し上げて、眠りにつきました。

起きると唐突に吐き気がし、えずきが止まりませんでした。ただ唾液や胃液が流れてくるだけですが
本当に苦しかったです。フィリップ卿が謝りを入れながら、背中をさすってくださり、すぐにルーカス様もここにやってきました。