7人目の皇子

28話

ルイside

最近喧嘩ばかりしている。宮中はピリピリ
していて、居心地が悪い。カイン兄さんとチヒロは喧嘩は参加していないけれど。
ムカつくからすぐ人に当たってしまう。自分でもよく分からない。ちょっと前までそんなことになっていなかったじゃないか。

「ここはこうだって言ってるだろ！」

成人したのに、なんでこんな気持ちに。

朝食会が開かれると聞いて、憂鬱な気分になった。多分またお兄様に当たってしまう。チヒロには
当てたくない。あんだけ辛い思いをしていて、やっと解放されたのにそんな恐怖を怒鳴られる恐怖を感じて欲しくない。

朝食会は最悪だ。朝なのにみんなずっとイライラしているし、お父様は困っている。

「バン！」

急に音がして振り向いたら、チヒロが俯いて
机に手をつき、立っていた。チヒロが机を叩いた？あの温厚で優しいチヒロが？
喧嘩ばっかりしているから怒ってしまったのかな。酷いことをした。使用人達は慌ててチヒロのあとをついて行った。

「チヒロを怒らせてしまったかな。」

イエレル兄さんがそう言った。すると、

「怒る？」

カイン兄さんも言葉を口にした。なんで怒るかもわかっていないのか？またイライラしてきた。すると

「チヒロはこのところ体調が悪いんだぞ。」

え？そうなのか？そんなことにも気づかなかった。
自分の事しか頭になくて、チヒロのことは全然頭になかった。今は司祭様に手当してもらってるのか？
それともテファニ公爵の病院か？
とにかくそんなに体調が悪いならもっと気遣ってあげるべきだ。最低だ。

「確か今日は熱があるが参加すると言っていた。お前たちに会いたいのだろう。」

お父様もカイン兄さんの助言をした。