7人目の皇子

27話

チヒロside

金色の光る髪に、澄んだ青色の瞳この噂は帝国中に広まりました。見た目が変わると態度も変わると聞きましたが、本当のようです。ご令嬢の方が何人も結婚に関する話題を提示されました。

人付き合いは得意では無いので困惑です。

「なるべく早く返事をした方が相手のためとは思うけれど……」

とイエレルお兄様に言われてしまいましたので、
全て断ってしまいました。1度会っただけでそのまま結婚というのは私としては難しいですし、
婚約して、破棄してしまうのも相手の方が嫌な気持ちになるんじゃないかなと思ってしまい、
結局誰とも関わることは出来ませんでした。

お母様を捕まえた後、また、フィリップ卿を連れて
1人でルーカス様に診てもらうと呪いは完全になくなっていました。大魔法士の資料は見た目のことしか書かれていないので、知りませんでしたが、
私は男という性なのに、子供を作れる体になったらしいです。実感というものは湧きません。
資料が少ないのでこれからどうなるかなどは
分かりません。熱が出るのか、力が強くなるのかなど分からないことばかりで、不安です。

「体調が悪くなったらすぐここに来い」

そう仰ってくださったので本当に救われたような気がします。私も図々しくなってしまいました。
もう少し気を引き締めないと、、。


長男が成人しても皇太子が誰か決まってないのは
異例の出来事で、普段仲の良いお兄様方は喧嘩ばかりしています。私はこんな体ですし、皇太子には
なることを希望していませんから、私に怒りが向くことはありませんでした。

数日して、朝食会が開かれることになりました。
私は最近体調を崩しかけています。使用人さんにも

「顔色が悪いですが司祭様をお呼びしますか？」

と言われたほどです。宮中のみんな知っているとお聞きしました。

「大丈夫です。お気になさらず……」

いつもそう言って部屋の布団に駆け込みます。

朝食会当日はなんだか気持ちの悪い熱が出ていましたが、かなり無理をして朝食会に出ました。
お兄様は喧嘩ばかりなのでお父様も困っているようでした。

ご飯を食べていくにつれ、頭の中がぐちゃぐちゃになり、吐き気も増えていきます。その感覚に耐えられず、椅子から立ち上がり、走って部屋に行こうとしましたが、立てなくなって、床に座り込んでしまいました。フィリップ卿が

「テファニ公爵令息に診てもらいましょう」

と、馬車まで運んでくださって病院に向かうことが出来ました。病院に着くと、ルーカス様が走って向かいに来てくださいました。

「直ぐにこちらにお願いします」