7人目の皇子

カエデ

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18話

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ノアside

チヒロが遅れてきた。敬語を使い、俺の事を第3皇子様と呼ぶ人が遅れてくるだろうか。でも遅刻は遅刻だと思いながら気づいたら

「今度からは気をつけるようにした方がいいぞ。」

と言ってしまった。チヒロは少し下を向いてしまった。顔は見えなかったがきついことを言って
しまったか。悪い事をした。

お父様から学園の話があった。チヒロはなんと思っただろうか。社交界で評判がいいとは言えない。

「どちらでもいい。好きなようにしろ。カイン兄さんは入らないらしいし、あとはみんなで入るが、」

さっきの罪悪感から、助言をした。お父様は目を丸くした。普段俺が助言などを言わないのにというのが分かった。余計なお世話だ。俺はもちろん学園に入ってもっと勉強したいがチヒロはどうするのだろう。俺が考えている時お父様はチヒロと世間話のようなものをしていた。

「もう少し話をしたかったが仕事に戻らないと」

というところでチヒロが退室しようとしたのでせっかくだし、俺が送っていこうと思った。
お父様に頼むと言われたので、

「では失礼致しました。」

というチヒロの声と共に俺も外へ出た。扉が閉まると同時にチヒロが床にすわりこんでしまった。

「!?どうしたチヒロ!体調悪いのか!?」

急に座るのだから本当に心配した。

「少し……」

と返ってきたが明らかに少しではないだろう。顔が真っ青で立とうともしてない。護衛騎士がいたが構わないで欲しい。

「少し所じゃないだろ立てるか?」

と手を差し出したが腕に掴まるだけで全然力が入っていない。直ぐに戻ることを伝え

「持ち上げるぞ。」

と言って持ち上げると簡単に持ち上げることが出来た。他の兄弟よりも鍛えてない俺でも簡単に持ち上げることが出来た。

「チヒロ。本当に食べてるんだよな?あんまり鍛えてない俺がこんなに簡単に持ち上げられるんだぞ。」

「第3皇子様は鍛えていらっしゃる
 じゃないですか。」

そりゃチヒロよりかは。

「これからはもっと沢山食べるように。」

と言った。前よりは食べるようになったのかもしれないが全然軽い。平均体重よりも遥かに小さいの
じゃないだろうか。

部屋に戻るとベッドに寝かせ、俺はそばの椅子に座りチヒロに話しかけた。

「学園に行くか?」

と。

「どうするのがいいでしょうか。」

「学びたいことがあるなら絶対行った方がいい。決めるのはチヒロだが俺は行ってもいいと思うぞ。何か学びたいこととかはあるのか?」

「剣術や魔法を学んでみたいです。カインお兄様のような剣術。第5皇子様のような魔法、尊敬致します。」

「チヒロ、カイン兄さんのことをお兄様と呼んでいるのか?」

「はい。」

「その、俺もそう呼んでくれないか?」

「ノアお兄様ということですか?」

人ってこんなに可愛いものなんだろうか。他の兄弟からは検討がつかないくらいの可愛さだ。みんな生意気だからな。

「そうだ。ありがとう。」

カイン兄さんがちゃっかりそう呼ばれてるなんて
ちょっと腹立つけどな。
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