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15話
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チヒロside
助けて、助けてと思っていた時、ふとテーズに殴られたました。痛い。
「お前ほんと反抗しないな。」
反抗?そのようなものはできないようにされているじゃないですか。絶望の中でそう呟いてみました。もちろん心の中で。おそらく私はもうすぐ死ぬで
しょう。早く殺して欲しいです。
呼吸が荒くなっていることが分かります。散々変な気分で気持ちいい?と聞かれついに限界というものが来たのでしょうか。熱で倒れている中で連れられてきたのですから。急に扉が開きました。驚いて扉の方を見ると、
「チヒロ!」
という声が聞こえました。幻でしょうか。皇子様方が視界に入りました。
「おっとぉ来ちゃったか。こっちもチヒロを取られたら怒られちゃうからね。本気で行くよ!出てこい!」
と、唐突に皇子様たちの周りを炎が囲ってしまい、何も出来ない自分がとても恥ずかしく思いました。絶対に守ろうと思っていた方たちが怪我をしたり転んだりしていて、、、なんで私はこんなにダメなのでしょう。そう考えていると、だんだん体が重くなってきました。ああ、やはり限界でしょう。視界がぼやけて光がなくなっていく感じがしました。
暖かいのに体が動かずただ下に落ちていく
感じです。でも決して痛い、辛いとは思いませんでした。ただ暖かい。
目が覚めると客室の一室。前私が使っていた部屋とは別の部屋でした。そばには第2皇子様と、どなたか存じ上げない方がいらっしゃいました。
「ん……」
「あ、起きたね。こっちはカイン兄さん。第1皇子だよ。」
第1皇子様でした。私の勉強不足で本当に失礼しました。
「どこか痛いところは無い?あれから2日経ったんだけど。」
2日も熟睡して、、。情けないです。
「大丈夫です。お気になさらず、」
「嘘、だな。こんなに熱があるのに大丈夫なわけがない。」
第1皇子様はすぐに嘘だとご指摘して下さいました。そのように早く見抜けてしまわれるところ、尊敬します。
「早く元気になれよ。」
と仰って退室されていきました。
「普段は魔物狩りであまり帰ってこないんだけど飛んで帰ってきたよ。心配だったんだね!」
そんなことは多分ないです。私は心配されるような人間ではないから。そのようなことはされてはいけない人間だから。
「第2皇子様。」
「ん?」
「お怪我とかはされませんでしたか?」
「え!?僕はないけど…。チヒロ自分の心配しなよ!ものすごい高熱だったんだからね!?」
「私は心配されてはいけない人間なのd」
「違うよ!それは間違ってる。そんな人間はない、断言するよ。ねぇチヒロ自分の心配をして、今だけは。ね?」
「第2皇子様……」
「イエレルでいいよ!兄さんつけてくれた方が嬉しいけれど。」
兄さんなんて呼べるわけないじゃないですか!!
でも呼ばないと怒られてしまうかな。
「イエレル兄様っ、これが精一杯です。」
「ありがとうチヒロ。」
助けて、助けてと思っていた時、ふとテーズに殴られたました。痛い。
「お前ほんと反抗しないな。」
反抗?そのようなものはできないようにされているじゃないですか。絶望の中でそう呟いてみました。もちろん心の中で。おそらく私はもうすぐ死ぬで
しょう。早く殺して欲しいです。
呼吸が荒くなっていることが分かります。散々変な気分で気持ちいい?と聞かれついに限界というものが来たのでしょうか。熱で倒れている中で連れられてきたのですから。急に扉が開きました。驚いて扉の方を見ると、
「チヒロ!」
という声が聞こえました。幻でしょうか。皇子様方が視界に入りました。
「おっとぉ来ちゃったか。こっちもチヒロを取られたら怒られちゃうからね。本気で行くよ!出てこい!」
と、唐突に皇子様たちの周りを炎が囲ってしまい、何も出来ない自分がとても恥ずかしく思いました。絶対に守ろうと思っていた方たちが怪我をしたり転んだりしていて、、、なんで私はこんなにダメなのでしょう。そう考えていると、だんだん体が重くなってきました。ああ、やはり限界でしょう。視界がぼやけて光がなくなっていく感じがしました。
暖かいのに体が動かずただ下に落ちていく
感じです。でも決して痛い、辛いとは思いませんでした。ただ暖かい。
目が覚めると客室の一室。前私が使っていた部屋とは別の部屋でした。そばには第2皇子様と、どなたか存じ上げない方がいらっしゃいました。
「ん……」
「あ、起きたね。こっちはカイン兄さん。第1皇子だよ。」
第1皇子様でした。私の勉強不足で本当に失礼しました。
「どこか痛いところは無い?あれから2日経ったんだけど。」
2日も熟睡して、、。情けないです。
「大丈夫です。お気になさらず、」
「嘘、だな。こんなに熱があるのに大丈夫なわけがない。」
第1皇子様はすぐに嘘だとご指摘して下さいました。そのように早く見抜けてしまわれるところ、尊敬します。
「早く元気になれよ。」
と仰って退室されていきました。
「普段は魔物狩りであまり帰ってこないんだけど飛んで帰ってきたよ。心配だったんだね!」
そんなことは多分ないです。私は心配されるような人間ではないから。そのようなことはされてはいけない人間だから。
「第2皇子様。」
「ん?」
「お怪我とかはされませんでしたか?」
「え!?僕はないけど…。チヒロ自分の心配しなよ!ものすごい高熱だったんだからね!?」
「私は心配されてはいけない人間なのd」
「違うよ!それは間違ってる。そんな人間はない、断言するよ。ねぇチヒロ自分の心配をして、今だけは。ね?」
「第2皇子様……」
「イエレルでいいよ!兄さんつけてくれた方が嬉しいけれど。」
兄さんなんて呼べるわけないじゃないですか!!
でも呼ばないと怒られてしまうかな。
「イエレル兄様っ、これが精一杯です。」
「ありがとうチヒロ。」
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