7人目の皇子

カエデ

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12話

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イエレルside

ノアは僕より頭がいいから心配だったけど、上手くいってよかった。あの時こっそり映像石を使っておいて良かった。

あとはエリゼオとアドルフだけだ。みんなでチヒロを助けに行こう。

エリゼオもアドルフも少し考えていたが、ノアの名前を出した途端承諾してくれた。ノアはすごいな。

「ノアはどこにいると思う?」

カイン兄さん以外で集まって僕はノアに聞いた。

「正直、手がかりはゼロだな。どこに行ったかも分からない。」

だよな。ルイは消えた、と言っていたっけ。

「探知魔法みたいなのは使えないの?」

エリゼオが不意に呟いた。ありかもしれない。
探知魔法はその人の髪の毛等があれば探し出せる。
髪の毛はチヒロの寝ていたベッドの上にあるかも、

「じゃあちょっと見に行ってくる!」

「お願い」

ルイが行ってくれた。数分して、

「多分あるよ!これじゃないかな?」

ルイは気遣いができないがこういう時だけは気遣いができるようだ。手袋をはめ、容器の中に入れて持ってきてくれた。

「すぐに魔法士を手配しよう。」

探知魔法は魔法士にしかできない。魔法士は平民でも貴族でも魔法が得意とする者は誰でも加入できる。身分は下から順に 奴隷→平民→魔法士→貴族→皇族になっている。もちろん、平民の中でも身分はあり、貴族の中でも身分がある。平民は基本的に魔法は無いが例外もいるため、その例外は平民から魔法士の身分に昇格する。貴族は魔法士になっても降格はしない。この国は奴隷はダメなものとしているから平民が1番低い。

数時間後魔法士達が来た。すぐに探知魔法をかけてくれた、場所はこの国の南東。ブリュー地方だ。

「すぐに出発するから準備してくれ。」

弟達もすぐに準備を開始していた、ブリュー地方はとても暑い。ここ、首都からだと、馬で飛ばしても5時間はかかる。帰りのことを考えて、馬車で行くから、もっとかかる。チヒロがいなくなって2日目の20時だから、着くのは1時過ぎになるだろう。もっと早く行きたいのだけれどそんなに離れていたとはな。馬車2台で急ぐ。騎士団は後でくるらしい。

「なるべく急いで欲しい」

と、お願いをしてすぐに乗り込んだ。よし、出発しよう。

「イエレル様。」

執事が慌てて駆け寄ってきた。

「これをお持ちください。」

手渡されたのはかなり大きいタオル?いや、毛布か?微妙なものだった。

「いざという時のためにお持ちください。」

とだけ言って後ろに下がってしまった。いざという時?後々使うのだろうか?馬車はすぐに動いた。
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