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11話
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ノアside
チヒロが誘拐されたとか。俺はそんな面倒なことはしたくないから、手伝うつもりもない。話も聞きたくない。チヒロという言葉さえも。
自分を刺して倒れた時は正直驚いたが、それもただのわがまま、みんなに構われたいだけだとしたら、納得いく。今回もお母様じゃなく、4人の黒いやつがやったのなら、お母様と言う根拠はなくなる。
実際に、お母様が言っていたチヒロが腹部を指した時の言葉は確かに虐められていたかもしれない。けれど殴った時の打撲や傷は見つからなかった。と言われたし、実際にいじめられているところを見てもいない。
「ねぇノア。」
イエレル兄さんだ。
「チヒロの話を聞いて欲しい。今までの事。チヒロに何があったか、」
反吐が出る。あんなに恥をかかされたのに、イエレル兄さんはなんでこんなに優しいのか。何故優しくするのか。
「嫌だ。なぜ俺が聞かなければならない。あんなに恥をかかされてて、それで今頃こんな事態になってる。あんな屈辱をもう1回受けるかもしれないのに、一緒に暮らす?訳が分からないな。」
兄さん相手でも敬語を使わなくてもいいのはおそらくこの国だけだろう。兄さんは兄さんでも、七つ子なんだからと、周りがいない時は敬語なんか使わないことになっている。
「チヒロはお母様にいじめられていた」
はっきり言われる。根拠がないのならそれはただ意見・願望を言っているだけ。
「チヒロが被害者がそう言っていた。」
「今までその嘘に振り回されてきた。」
チヒロは嘘ばっかりだから信用なんてできない。
「僕とルイが見ていた。と、言っても
信じてくれないかな。」
「願望だろ?」
確かにルイがそんなことを言わないのはわかっているから、俺を手伝わせようというイエレル兄さんの嘘かもしれない。
「ここに映像石がある。ノアの知っている通り、映像石は1度使うと続きをとったりいじったりなんてできない。」
映像石を見て、いじめられているところをちゃんと見た。チヒロが泣き叫ぶところを。
「……そんなの撮っていたのか。でもいつ?」
「数ヶ月前だ。ルイとたまたまお母様の部屋を見に行った時、扉の隙間からチヒロが泣き叫ぶのを聞いた。ルイにも内緒でこっそり撮った。護衛は中にいたから、こちらには気づいてないと思う。その中にいたヤツらも全員捕まえたし。」
「お父様は映像石の話はせずただチヒロを受け入れていた。見せたのか?それを。」
「もちろん。口だけでは証拠不十分だ。」
ちゃんと考えていることを知った。実際にいじめられているところを見てしまった。あんだけ嫌いだったのにその感情は一切無くなった。
「わかった。チヒロ探しを手伝おう。」
「ありがとう。」
こうして俺はイエレル兄さんに負け、チヒロ探しを手伝うことにした。
チヒロが誘拐されたとか。俺はそんな面倒なことはしたくないから、手伝うつもりもない。話も聞きたくない。チヒロという言葉さえも。
自分を刺して倒れた時は正直驚いたが、それもただのわがまま、みんなに構われたいだけだとしたら、納得いく。今回もお母様じゃなく、4人の黒いやつがやったのなら、お母様と言う根拠はなくなる。
実際に、お母様が言っていたチヒロが腹部を指した時の言葉は確かに虐められていたかもしれない。けれど殴った時の打撲や傷は見つからなかった。と言われたし、実際にいじめられているところを見てもいない。
「ねぇノア。」
イエレル兄さんだ。
「チヒロの話を聞いて欲しい。今までの事。チヒロに何があったか、」
反吐が出る。あんなに恥をかかされたのに、イエレル兄さんはなんでこんなに優しいのか。何故優しくするのか。
「嫌だ。なぜ俺が聞かなければならない。あんなに恥をかかされてて、それで今頃こんな事態になってる。あんな屈辱をもう1回受けるかもしれないのに、一緒に暮らす?訳が分からないな。」
兄さん相手でも敬語を使わなくてもいいのはおそらくこの国だけだろう。兄さんは兄さんでも、七つ子なんだからと、周りがいない時は敬語なんか使わないことになっている。
「チヒロはお母様にいじめられていた」
はっきり言われる。根拠がないのならそれはただ意見・願望を言っているだけ。
「チヒロが被害者がそう言っていた。」
「今までその嘘に振り回されてきた。」
チヒロは嘘ばっかりだから信用なんてできない。
「僕とルイが見ていた。と、言っても
信じてくれないかな。」
「願望だろ?」
確かにルイがそんなことを言わないのはわかっているから、俺を手伝わせようというイエレル兄さんの嘘かもしれない。
「ここに映像石がある。ノアの知っている通り、映像石は1度使うと続きをとったりいじったりなんてできない。」
映像石を見て、いじめられているところをちゃんと見た。チヒロが泣き叫ぶところを。
「……そんなの撮っていたのか。でもいつ?」
「数ヶ月前だ。ルイとたまたまお母様の部屋を見に行った時、扉の隙間からチヒロが泣き叫ぶのを聞いた。ルイにも内緒でこっそり撮った。護衛は中にいたから、こちらには気づいてないと思う。その中にいたヤツらも全員捕まえたし。」
「お父様は映像石の話はせずただチヒロを受け入れていた。見せたのか?それを。」
「もちろん。口だけでは証拠不十分だ。」
ちゃんと考えていることを知った。実際にいじめられているところを見てしまった。あんだけ嫌いだったのにその感情は一切無くなった。
「わかった。チヒロ探しを手伝おう。」
「ありがとう。」
こうして俺はイエレル兄さんに負け、チヒロ探しを手伝うことにした。
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