7人目の皇子

カエデ

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8話

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チヒロside

お母様は嘘をついていたとはとても思えません。寧ろ第2皇子様の方が嘘をついているのではないかと思いました。さっきから私はとても失礼です。でも第2皇子の温かいお言葉からこの方のことを信じたい。と、心から思ったのです。ただ自分が楽な方にいくだけというのはわかっていますが、でも私はそちら側に行きたいと思いました。

お恥ずかしいですが、人の前で涙を見せてしまいました。その後、急に眠気と喉の痛みがやってきて、そのまま眠ってしまったような気がします。起きようと思ったら、まだ雪の降る季節に欠片もなっていないのにとても寒くて、体が重たくて、息が少し苦しくなっていました。またこの感じです。私はこうなることが多々あり、このような症状がある度に動けなくなってしまいます。そのためお母様に怒られてしまいました。お母様はもちろん使用人の方たちも移りたくないからと、そういう日だけは免除という形になりました。翌日に2日分ですが。

「あれ?起きてた。体調はどう?」

第2皇子様です。

「喉の痛みは無くなりました。」

「そっか良かった!朝食を持ってきたよ。あ、
あと熱もはかるね。」

「はい」

「38.2か、うーんかなり高いね。僕達6人の皇子は熱になったことないけれど、司祭様から聞いたよ。」

「熱?熱とはなんでしょうか?」

「発熱、、知らないの?簡単に言うと、体温が上昇している状態のことを言うんだよ。倦怠感や喉の痛み、頭痛なんかもある人はいるみたいだね。」

「存じ上げませんでした。もっと勉強致します。」

「いいから寝てなって、辛くない?司祭様は辛いものだと言っていたけど。」

「今は、大丈夫です。」

「そっか。朝食食べれる?」

「いえ、食欲は無いので」

「じゃあ寝転んでよっか。辛かったら遠慮なく使用人か、誰かに、言ってね!僕は仕事に行ってくるから。」

そのまま第2皇子様は部屋を後にして行きました。
第2皇子様は昼も夜も来てくださって、昼には
陛下もいらっしゃいました。

「チヒロ、体調はどうだ。食事を1回もとっていないようだが、、。」

「食欲がなくて食べれておりません。」

「いいから食べなさい。イエレルから事情は聞いた。これからは毎日他の皇子達とそしてこの私と一緒に暮らそう。」

「はい。」

料理人の方が作ったこの料理はとても美味でした。顔に出てしまっていたのでしょうか。

「美味しいか?今までどんなものを食べてきたんだ?」

と、仰ってくださいました。私は今まで腐りかけたパンや雑草。虫は苦手なので触ることも食べることもできませんでしたが、主な食事はそれと、たまにシチューが出てきました。この事を伝えると眉間にシワを寄せ、そうかというお返事を頂きました。

「これからはいっぱい食べるように。」

といい、部屋からご退室されていました。
とにかく、このおかゆというものはとても美味しいです。しばらくはこれに似たような胃に優しいものが出るとの事なので、楽しみです。

翌日からは体調が悪化しあまり自由に動けず、辛い思いをしました。こんなことは初めです。
司祭様曰く

「疲れが体に出始めているので、しばらくはこの状態が続くでしょう。ですが、徐々に回復していきますので、ご安心ください。」

との事なのでしばらくは食事も自分では食べられず、ただ耐える日々が続くのでしょう。
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