2 / 51
1話
しおりを挟む
「イラつくんだよ!」
「…うぐっ…はぁ、はぁ」
この国の最強の戦士は第7皇子に暴力を
振るっていた。自分の息子にも関わらず、遠慮なく
振るっていた。生まれた時から皇后の部屋で毎日毎日暴力を振るわれ、時には性に関わることもあって、この歳、14歳までずっと酷い事をされてきた。
使用人は皇子の敵であり、皇后がいない時には使用人らが、暴力を振るってくる。
皇子達は第7皇子が嫌いだった。いつも皇后に好かれて、常に一緒にいるのに舞踏会などでは皇子達の悪口を言って恥を欠かされる。社交界でも悪として、ちょっとした有名人だ。
「またあいつはお母様と一緒にいるよ。この歳でまだお母様と一緒がいいのかよ。」
「ま、まぁまぁ」
「俺はあいつ嫌いだわー。」
5男のルイと次男イエレルの会話だ。
当然、皇后の部屋の外では溺愛っぷりを見せているため、暴力を振るっているなどは到底思えない。
今日は皇后が宮にいない日だ。
次男イエレルside
「なぁ、チヒロを見に行こうぜ!皇后がいなくて寂しがっている姿をよ!」
「まぁいいけど。気になるし。」
軽い気持ちで皇后の部屋に行った。部屋の前に護衛は居なくて少しだけ扉が空いていたので、2人で
こっそり中を覗いて見た。部屋の中はチヒロが寂しがっている様子は見られず、使用人達に暴力を振るわれながら隠し部屋に連れていかれそうになっている姿だけがあった。
「ほらさっさと来いよ。面倒なんだよお前」
「うぐっ…ごめんなさい、ごめ、、さい
許してくださいッ…いやだ…いッや…」
こちらからその部屋の中は見られないので、何が嫌なのかは分からない。しかし、使用人が皇家にタメ口を使うことが少し気がかりだった。
「なぁ、あれって…我儘すぎたから怒られてる
だけ、だよな?ていうかそれしかない、よな。」
ルイは困惑しているな。だけど、その線も1里あるから、否定できないよなぁ。でもどんだけ嫌がらせされても、あんなにはやらなくていいと思うんだけど。と、少し同情が湧いてしまった。ルイが困惑しているからこちらは冷静に考えることができた。
しばらく考え込んでいるとチヒロと目が合った。
「た、たすけて、」
というか細い声が聞こえた。どうすればいいのかわからなかった。
「誰も助けに来るわけねぇだろ。
頭までおかしくなったのかよ!」
「ヴッッッッ……はぁ、はぁ、」
この一撃が痛かったのかそのまま倒れ込んで
連れられてしまった。使用人がこちらに来たから、
ルイを連れて急いでその場から離れた。ルイは険しい顔をしながら、考え込んでいた。
「お父様に言うべきか?」
考えていることは同じだった。
「これは言わない方が良いのかも。」
そう答えた。いつも自分勝手すぎるから、それで
躾られている みたいな。頭の中がいっぱいになってどうすればいいのか分からない。
「分かった。とりあえず言わない。」
ルイはそれで話が終わったのか、庭園の方へ歩いていった。
それからしばらく月日がたった。相変わらずチヒロは僕たちに恥をかかせることを言われた。僕たち2人はその出来事を頭の隅に置いていたがチヒロはいつも通りだったため、すっかりそんなことは忘れていた。だがある日、事件が起きた。
「…うぐっ…はぁ、はぁ」
この国の最強の戦士は第7皇子に暴力を
振るっていた。自分の息子にも関わらず、遠慮なく
振るっていた。生まれた時から皇后の部屋で毎日毎日暴力を振るわれ、時には性に関わることもあって、この歳、14歳までずっと酷い事をされてきた。
使用人は皇子の敵であり、皇后がいない時には使用人らが、暴力を振るってくる。
皇子達は第7皇子が嫌いだった。いつも皇后に好かれて、常に一緒にいるのに舞踏会などでは皇子達の悪口を言って恥を欠かされる。社交界でも悪として、ちょっとした有名人だ。
「またあいつはお母様と一緒にいるよ。この歳でまだお母様と一緒がいいのかよ。」
「ま、まぁまぁ」
「俺はあいつ嫌いだわー。」
5男のルイと次男イエレルの会話だ。
当然、皇后の部屋の外では溺愛っぷりを見せているため、暴力を振るっているなどは到底思えない。
今日は皇后が宮にいない日だ。
次男イエレルside
「なぁ、チヒロを見に行こうぜ!皇后がいなくて寂しがっている姿をよ!」
「まぁいいけど。気になるし。」
軽い気持ちで皇后の部屋に行った。部屋の前に護衛は居なくて少しだけ扉が空いていたので、2人で
こっそり中を覗いて見た。部屋の中はチヒロが寂しがっている様子は見られず、使用人達に暴力を振るわれながら隠し部屋に連れていかれそうになっている姿だけがあった。
「ほらさっさと来いよ。面倒なんだよお前」
「うぐっ…ごめんなさい、ごめ、、さい
許してくださいッ…いやだ…いッや…」
こちらからその部屋の中は見られないので、何が嫌なのかは分からない。しかし、使用人が皇家にタメ口を使うことが少し気がかりだった。
「なぁ、あれって…我儘すぎたから怒られてる
だけ、だよな?ていうかそれしかない、よな。」
ルイは困惑しているな。だけど、その線も1里あるから、否定できないよなぁ。でもどんだけ嫌がらせされても、あんなにはやらなくていいと思うんだけど。と、少し同情が湧いてしまった。ルイが困惑しているからこちらは冷静に考えることができた。
しばらく考え込んでいるとチヒロと目が合った。
「た、たすけて、」
というか細い声が聞こえた。どうすればいいのかわからなかった。
「誰も助けに来るわけねぇだろ。
頭までおかしくなったのかよ!」
「ヴッッッッ……はぁ、はぁ、」
この一撃が痛かったのかそのまま倒れ込んで
連れられてしまった。使用人がこちらに来たから、
ルイを連れて急いでその場から離れた。ルイは険しい顔をしながら、考え込んでいた。
「お父様に言うべきか?」
考えていることは同じだった。
「これは言わない方が良いのかも。」
そう答えた。いつも自分勝手すぎるから、それで
躾られている みたいな。頭の中がいっぱいになってどうすればいいのか分からない。
「分かった。とりあえず言わない。」
ルイはそれで話が終わったのか、庭園の方へ歩いていった。
それからしばらく月日がたった。相変わらずチヒロは僕たちに恥をかかせることを言われた。僕たち2人はその出来事を頭の隅に置いていたがチヒロはいつも通りだったため、すっかりそんなことは忘れていた。だがある日、事件が起きた。
29
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる