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「イラつくんだよ!」
「…うぐっ…はぁ、はぁ」
この国の最強の戦士は第7皇子に暴力を
振るっていた。自分の息子にも関わらず、遠慮なく
振るっていた。生まれた時から皇后の部屋で毎日毎日暴力を振るわれ、時には性に関わることもあって、この歳、14歳までずっと酷い事をされてきた。
使用人は皇子の敵であり、皇后がいない時には使用人らが、暴力を振るってくる。
皇子達は第7皇子が嫌いだった。いつも皇后に好かれて、常に一緒にいるのに舞踏会などでは皇子達の悪口を言って恥を欠かされる。社交界でも悪として、ちょっとした有名人だ。
「またあいつはお母様と一緒にいるよ。この歳でまだお母様と一緒がいいのかよ。」
「ま、まぁまぁ」
「俺はあいつ嫌いだわー。」
5男のルイと次男イエレルの会話だ。
当然、皇后の部屋の外では溺愛っぷりを見せているため、暴力を振るっているなどは到底思えない。
今日は皇后が宮にいない日だ。
次男イエレルside
「なぁ、チヒロを見に行こうぜ!皇后がいなくて寂しがっている姿をよ!」
「まぁいいけど。気になるし。」
軽い気持ちで皇后の部屋に行った。部屋の前に護衛は居なくて少しだけ扉が空いていたので、2人で
こっそり中を覗いて見た。部屋の中はチヒロが寂しがっている様子は見られず、使用人達に暴力を振るわれながら隠し部屋に連れていかれそうになっている姿だけがあった。
「ほらさっさと来いよ。面倒なんだよお前」
「うぐっ…ごめんなさい、ごめ、、さい
許してくださいッ…いやだ…いッや…」
こちらからその部屋の中は見られないので、何が嫌なのかは分からない。しかし、使用人が皇家にタメ口を使うことが少し気がかりだった。
「なぁ、あれって…我儘すぎたから怒られてる
だけ、だよな?ていうかそれしかない、よな。」
ルイは困惑しているな。だけど、その線も1里あるから、否定できないよなぁ。でもどんだけ嫌がらせされても、あんなにはやらなくていいと思うんだけど。と、少し同情が湧いてしまった。ルイが困惑しているからこちらは冷静に考えることができた。
しばらく考え込んでいるとチヒロと目が合った。
「た、たすけて、」
というか細い声が聞こえた。どうすればいいのかわからなかった。
「誰も助けに来るわけねぇだろ。
頭までおかしくなったのかよ!」
「ヴッッッッ……はぁ、はぁ、」
この一撃が痛かったのかそのまま倒れ込んで
連れられてしまった。使用人がこちらに来たから、
ルイを連れて急いでその場から離れた。ルイは険しい顔をしながら、考え込んでいた。
「お父様に言うべきか?」
考えていることは同じだった。
「これは言わない方が良いのかも。」
そう答えた。いつも自分勝手すぎるから、それで
躾られている みたいな。頭の中がいっぱいになってどうすればいいのか分からない。
「分かった。とりあえず言わない。」
ルイはそれで話が終わったのか、庭園の方へ歩いていった。
それからしばらく月日がたった。相変わらずチヒロは僕たちに恥をかかせることを言われた。僕たち2人はその出来事を頭の隅に置いていたがチヒロはいつも通りだったため、すっかりそんなことは忘れていた。だがある日、事件が起きた。
「…うぐっ…はぁ、はぁ」
この国の最強の戦士は第7皇子に暴力を
振るっていた。自分の息子にも関わらず、遠慮なく
振るっていた。生まれた時から皇后の部屋で毎日毎日暴力を振るわれ、時には性に関わることもあって、この歳、14歳までずっと酷い事をされてきた。
使用人は皇子の敵であり、皇后がいない時には使用人らが、暴力を振るってくる。
皇子達は第7皇子が嫌いだった。いつも皇后に好かれて、常に一緒にいるのに舞踏会などでは皇子達の悪口を言って恥を欠かされる。社交界でも悪として、ちょっとした有名人だ。
「またあいつはお母様と一緒にいるよ。この歳でまだお母様と一緒がいいのかよ。」
「ま、まぁまぁ」
「俺はあいつ嫌いだわー。」
5男のルイと次男イエレルの会話だ。
当然、皇后の部屋の外では溺愛っぷりを見せているため、暴力を振るっているなどは到底思えない。
今日は皇后が宮にいない日だ。
次男イエレルside
「なぁ、チヒロを見に行こうぜ!皇后がいなくて寂しがっている姿をよ!」
「まぁいいけど。気になるし。」
軽い気持ちで皇后の部屋に行った。部屋の前に護衛は居なくて少しだけ扉が空いていたので、2人で
こっそり中を覗いて見た。部屋の中はチヒロが寂しがっている様子は見られず、使用人達に暴力を振るわれながら隠し部屋に連れていかれそうになっている姿だけがあった。
「ほらさっさと来いよ。面倒なんだよお前」
「うぐっ…ごめんなさい、ごめ、、さい
許してくださいッ…いやだ…いッや…」
こちらからその部屋の中は見られないので、何が嫌なのかは分からない。しかし、使用人が皇家にタメ口を使うことが少し気がかりだった。
「なぁ、あれって…我儘すぎたから怒られてる
だけ、だよな?ていうかそれしかない、よな。」
ルイは困惑しているな。だけど、その線も1里あるから、否定できないよなぁ。でもどんだけ嫌がらせされても、あんなにはやらなくていいと思うんだけど。と、少し同情が湧いてしまった。ルイが困惑しているからこちらは冷静に考えることができた。
しばらく考え込んでいるとチヒロと目が合った。
「た、たすけて、」
というか細い声が聞こえた。どうすればいいのかわからなかった。
「誰も助けに来るわけねぇだろ。
頭までおかしくなったのかよ!」
「ヴッッッッ……はぁ、はぁ、」
この一撃が痛かったのかそのまま倒れ込んで
連れられてしまった。使用人がこちらに来たから、
ルイを連れて急いでその場から離れた。ルイは険しい顔をしながら、考え込んでいた。
「お父様に言うべきか?」
考えていることは同じだった。
「これは言わない方が良いのかも。」
そう答えた。いつも自分勝手すぎるから、それで
躾られている みたいな。頭の中がいっぱいになってどうすればいいのか分からない。
「分かった。とりあえず言わない。」
ルイはそれで話が終わったのか、庭園の方へ歩いていった。
それからしばらく月日がたった。相変わらずチヒロは僕たちに恥をかかせることを言われた。僕たち2人はその出来事を頭の隅に置いていたがチヒロはいつも通りだったため、すっかりそんなことは忘れていた。だがある日、事件が起きた。
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