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異世界にて
それだけは見られたくなかった…!!!(アドルファス目線)
しおりを挟むはぁ…何とか上手くいって良かった…
破天荒過ぎるお母様があまに変な事を言わなくて良かった…本当に良かった…
俺の昔の事なんかを言われると思ったが、お父様が隣に居たからか落ち着いていて助かった
お父様のおかげだな…これは
そんな事を思いながら歩いているとあまに手をくいくいっと引かれた
「?どうしたんだ?あ…ま……ってそれは!!!!!」
いつの間に渡したのかあまの手に収まるそれは
「えーっと…帰り際渡されたんやけど…これって…」
「あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!やめてくれ!!あま!!それは見るな!!!」
それは!!!それだけは見られたくない!!!!
「あー…ごめんなぁ?アドルファス…もう見ちゃったんよねぇ…」
……もう死にたい…よりによってあまにそれを見られるなんて…
「なんと言うか…アドルファスにも可愛いところがあったんやね?」
あまは急にニヤニヤ笑いながらそう言ってくる
「…………。」
天を仰ぎ、真っ赤になっているだろう顔を隠す
「ふふっ、これは良い弱点を手に入れれたかもなぁ~?」
天使だったあまは今や小悪魔へと変身を遂げていた
「やめてくれ…ダメージがデカすぎる…」
はぁ…本当にあのお母様は…!!
「ふふっ」
あまはくすくすとずっと笑っている
あまりにもずっと笑っているので、仕返しをすることにした
「あま」
「ん~?」
あまはニコニコしながらこちらを見る
そしてあまがこちらを見た瞬間に隙をつき、脇腹に手を当てて…
「へっ?!」
一気にくすぐった
「ひゃわっw?!んんっ、あっちょっw」
あまはくすぐりに弱いのか身を捩り耐えている
「あまが悪い」
「あひっwかっかんにんしてやぁwwひぃw」
綺麗な顔に似合わないようなゲラゲラ笑いをしているあまを見ているとより一層愛おしさが増してしまう
これだけ笑っていてもあまは美しいんだからずるいな…
「もっwええやろ?!僕がっ悪かったからぁっ」
笑い過ぎて苦しいのかあまの息は荒くなり、目は潤み、頬は紅潮している
その顔を見てかなりドキッとした
「……………まぁこれくらいにしておこう」
なんだその顔は…中々に色気が……
「はぁー…疲れたわぁ…」
笑い過ぎて疲れたのかあまは肩で息をしている
「お姫様抱っこしてやろうか?」
そう尋ねるとあまは
「へっ…あぁ…んー…お願い…しようかな…?」
と、てれてれ照れながらお願いしてきた
「ん、任せろ」
ひょいっとあまを抱き上げるとあまはすぐに俺の首に腕を回してくる
「ふふふ、アドルファスはやっぱり力持ちやなぁ~」
ニコニコと機嫌が良さそうにそう言うとまた子猫のように俺に頬ずりしていた
くっ…あざとい…あまりにもあざとい…!!!
天使になったり小悪魔になったり、はたまた子猫になったりとあまの魅力が行ったり来たりしている
こんなにも自分があまにベタ惚れになるのも頷ける気がするな…
今や俺の脳内はあまが可愛いということで埋め尽くされていた
「アドルファス?どうしたんそんな顔して」
ハッとなりあまの方を見やると不思議そうな顔をしたあまがこちらを見ている
「いや…なんでもない、気にするな」
「そう?すっごく嬉しそうな?顔しとったから何かいい事があったんかな~って」
…そんなに顔に出ていたのか…顔に出にくい方だと思っていたんだが…
「まぁうん…幸せを感じていただけだ」
「そうなんや~ふふっ、僕と一緒やね?」
うん、やっぱりあまは天使だな
そんなことを思っていたらいつの間にか家を売っている場所に辿り着いた
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