京都人(♂︎)が異世界転生してその先で何故か多数の男に惚れられる話

藍錆

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異世界にて

ギルドに登録するんやって

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「あま、起きろ着いたぞ」


「ん……んぅ…?」



ぱちぱちと目を動かしゆっくり光を目に馴染ませる



「も…着いたん……?」



「そうだ、受付嬢も待ってるから起きてもらえるか」



「んぇ?!」



その言葉を聞きガバッと起き上がる



「おっと…」



間一髪の所でアドルファスは起きた僕の頭を避けた



「あ…かんにんな…」



そうやった、アドルファスの腕の中で寝とったんやった…



「いや、大丈夫だ」



「お、アドルファス~すごく美人な女の子拾って来たね~!!!」



女性の声なのだがかなり威勢の良い声が聞こえ慌ててそちらを見る



そこにはかなりのべっぴんさんが立っとった

ん…?待ってこん人今なんて言いよった?



「馬鹿言え、こいつは男だ」



そうアドルファスが返す



「へぇ~男をあんたはお姫様抱っこしてんの?」



そうくすくす笑って居るべっぴんさんにアドルファスは溜息をつく



「アドルファス…もうちゃんと目覚めたから降ろして欲しいんやけど…」



「ん?あぁ、すまない」



アドルファスはゆっくりと僕を地面に下ろしてくれた



「おおきにな」



「あぁ」



アドルファスにお礼を言い僕はべっぴんさんの方を見て



「えらいべっぴんさんやけど豪快な人やね?」



けたけた笑いながら言うとべっぴんさんは



「あはは、これでも顔が売りの仕事だからね、それに堅苦しいのは嫌いだからさ!!」



まぁ確かに堅苦しいのは嫌いそうやなぁ…



「そうなん、男の僕より強そうやねぇ…」



「試して見る?」



「ええけど…あんさん仕事中やろ?仕事終わってからにしい?」



腕試しより先に僕の事ちゃんと登録してくれんと困るからなぁ…



「あーごめんごめん、それじゃこの用紙に名前を描いて」



「はーい」



有墨甘っと…あ、これってひらがなも付けといた方がええんやろか?



「これひらがなも付けた方がええ?」



「うん!つけて貰えると助かるかな!!!」



「はぁい」



(ありすみあま) うん、これでええかな



「はい、これ」



「はーい、じゃ後のことは私がやっとくね~2人は必要な物買いに行ってらっしゃい。
あ、でも他にも書いてもらわないと行けないからまた戻ってきてよ~!」



「はぁい」



って、そうや忘れとった…



「アドルファス…僕お金持ってないんやけど…」



「あぁ、それは大丈夫だ、ギルドの方から支払われるからな まぁ別に俺は金に困ってるわけじゃ無いし、なんならお前が何人増えた所で困らない程度には持ってるしな」



「ほぁ~流石は騎士団長様やねぇ…すごいわぁ…」



「ははっ、まぁな」



「そうや、アドルファスって今何歳なん?」



騎士団長やから20後半やろうか?アドルファス本人も雰囲気がとても落ち着いとるしな…僕より年上やろうか



「ん?俺か?俺は19だぞ?」



は?



「え????じゅう…きゅぅ…?!??そ、そんな嘘つかんといてや?!あんさんが19は嘘やろ!!!」



「いやいや、何故あまに嘘つく必要があるんだ、ほんとだぞ?」



「い…いや確かにそうなんやけど…僕の方が歳上なんはおかしいやろ…」



「あまの方が年上なのか?!てっきり下かと…えっと…一体いくつなんだ…?」



「僕は23やで…」



「嘘だろ…全然そうは見えない…」



「童顔で悪かったなぁ…これでもばりばり働いとったんやで?」



僕は手先が器用やったから着物を作る仕事に就いとった



一つ一つ手縫いで作っとって、せやからそこそこお値段は張っとったし
そんな贅沢な生活をしようとは思ってなかったから生活苦に陥ったことは無かった


流石に騎士団長様には負けるけどなぁ



「どんな仕事をしていたんだ?」



「どんなって…そんな大したことや無いからそんな目キラキラさせんといて…」



アドルファスはまるで新しいおもちゃを見つけたワンコのように目をキラキラさせている


ま…眩しい…イケメンのその顔はズルいやないの…



「服を作っとったよ、僕手先が器用やから」



「そうなのか!!材料があればまた作れたりするか…?」



「あぁうん、作れるよ あんさんに作ったろうか?結構特殊な服やから慣れるまでは1人では着れんかもやけど…」



「それでもいい、着てみたい」



いっそう目をキラキラ輝かせた

うーん…可愛い……って可愛いってなんや!相手は騎士団長様やで?!あんなでかいのに可愛く見えるわけがあらへん!!!


自分の頬をぺちぺち叩いているとアドルファスに不思議そうな顔をされた


あかん、その顔すら可愛く見えてきた。なんでや…



「どうしたんだ…?」



「なっ、んでもないっ!」



あぁっ、やっっってしもた…声が裏返ってしもうた。明らかに何かあるようにしか思えない返事をしてしもうた…



「ははっ、何をそんなに緊張してるんだあまは」



うぅ…その笑顔はずるいやないの…本当にどうしたんや僕…


胸がきゅうきゅうしてすごく苦しい…のにとてつもなく甘い…そんな感じや



「本当になんでもないから…気にせんといて…」



「そうは言われてもな…そんな顔されたらほっとけない」



そんな顔…?そんなに僕今酷い顔しとるんやろうか



「実はあまに言ってなかったことがあるんだ」



???言ってなかったこと…?



「周り、ピンクの花がたくさん植わってるだろ?」



「あぁ、せやね」



「何故だが分からないんだが……」



アドルファスが話してくれた内容はこうやった


ピンクの花は何故か迷い人に反応し、尚且つ相性の良い人が一緒に居るとその人の事を好きになるようにフェロモン的なものを出すそうや。ん?相性の良い人って…



「ちなみに相性が良いとは心もあるが身体も合うらしいぞ」



な、なんで笑いながらこっち見るん…


ってあ、さっきから僕がおかしいのってもしかしなくてもこの花のせいやないの?!てことは、あ…アドルファスと相性がいい…??体も…???


え、そんな、どないしよう…?!僕…僕、人を好きになった事なんてあらへんのやけど…!!!


僕が1人で大焦りしていると



「あま?どうした?大丈夫か?顔が赤いぞ?」 



心配したように見つめてくるアドルファスに大混乱の僕は



「はわ…僕…どうしたらええの……?」



「何がだ?どうしたんだ?」



「あの…僕…あんさんの事……好きになってもうたみたい……」



と告白?してしまった



「?!」



「ど…どうしたら……僕、人を好きになんてなった事ないから分からんのやけど…」



混乱して少し涙ぐみながらそう伝えると



「んん…んー…まぁ少なくとも本人に好きになっちゃったどうしよう?!とは言わないよな…??」



アドルファスもよく分からないようで首を傾げている

あぁ…僕今すごく迷惑かけとるかも…



「そうなん…?迷惑やった…?」



僕がそう鼻をぐすぐす言わせながら言うと



「あっ、いやそういう訳では無いぞ?!ただ、俺も人と恋仲になったりとか好きになったことがないから…でもあまの告白は嬉しいと思ったぞ!?」



「ほんと?!嬉しいわぁ…」



アドルファスに嬉しかったと言われ心の底から安堵した

僕嫌われてないんや…良かったぁ…



「でも今住んでる家がちょっとな…だから2人で住む家を選ぼうか」



「…?分かった」



僕が来る事で何か大変な事があったりするんやろうか…あんま迷惑やないとええんけど…



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