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草原に行くみたいなので 2

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基本的には低級者のために残している依頼も、多少は融通してもらえる関係とでも言える間柄。トラキチのに丁度良い狩りができるようにと、仲の良い受付が用意した書類は、草原で取れる弱い魔獣の皮の納品の依頼であった。
混雑の時間が過ぎても良い依頼を融通してもらえるのは、仲の良さだけでは無いが、ありがたく受け、早速向かうことにしたサエに受付が明るく手を振る。、。
サエもにっこり手を振って元気よくギルドを出た。


今日のトラキチは自分で歩き、サエはどんどん歩く速さを上げた。
町を出てすぐ草原なので、2時間ほどだろうか、軽く走って少し休むとトラキチがじゃれだした。
休憩は要らないなと思い、サエはすぐ辺りに集中すると気配を探り出し、獲物を1匹捕まえて見せた。
トラキチは、食べさせてもらえると思ったのか、サエの前に座ると「ギャウ」と吠える。

「ちがうよー。自分で捕まえるんだよー」

と言って、もう1匹捕まえて見せた。
トラキチも気配を探り獲物を捕まえると、そのまま食べだしてしまったので、サエは慌てて止めるも時すでに遅し、3キロほどの獲物は丸っと食べてしまった。
皮の納品の依頼なのに、皮まで残らず食べてしまうと困るので、次は待てを覚えさせる。
もう1匹捕まえ、すぐに止めて収納に収めると、トラキチは抗議の声で吠えた。
代わりに別の肉を与えると、満足そうに食べて狩りを再開した。
弱そうに見えるトラキチでも、流石奥深い森で出た魔獣だけあってなかなかに鋭い動きをする。
町に戻る途中サエがトラキチとじゃれあいながら戻ってきたのは、トラキチの訓練でもあったのだ。
昼を大きく過ぎて納品を済ませると、トラキチのアクセサリーを買いに行くのであった。
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