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【第二部】3章
6 冬夜side
しおりを挟む「あんなに反抗されるとはね。双子だしもっと可愛い感じかと思ってたよ。」
「あなたが引き取れって言ったんじゃない!!それが、再婚の条件だからって。」
「仕方ないだろう。私は不妊で子供を作れない。でも子供が欲しかったから子供のいる人と結婚するしかないんだから。もっと小さい頃から父親でいたかったのに、意外と時間かかったもんだな。」
「私は別にあの子達引き取らなくてもいいと思ってたのに、あなたが子供が欲しいって言うからよ。」
「まあ、今は生意気でも所詮は子供。おもちゃでも買い与えれば懐くさ。今度家族でどこかに出かけよう。」
「そうね。あなたとの家族なら楽しそうだわ。」
「手は上げるなよ、次保護されたらもう戻ってこない。お前と結婚した意味無くなるからな。」
「わ、わかってるわよ。私にちゃんと懐いてくれれば可愛いだろうなとは思ってるわ。あの気持ち悪いホモのことばかり言うから腹が立つだけよ。」
「仕方ないさ、幼少期からあんなやつらのところにいたんだ。少しずつ普通の世界に戻してやればいい。」
僕たちのこともだが、パパたちのこともまだ悪く言うだなんて、、今すぐ飛び込んでやりたくなった。
---トントン
「っ!!!って、なんだ春夜か。」
「いいから、部屋戻るぞ。見つかる。」
小声で話してすぐに2人で部屋に戻る。
「なんで急に引き取るんだって思ってたけど、心入れ替えたってのよりよっぽど納得できた。」
「僕たち、そんなことのためにパパと父さんのところから引き離されたんだね。」
子供ができないから、好きな人と結婚したいから、そんな理由で僕たちは大好きな人たちから引き離された。
パパは大丈夫かな。父さんがついているけど、パパは泣き虫だし、不安なことがあるとしんどくなっちゃうから心配だ。
「調べてみよう、どうにかしてあの2人の元へ戻ることができないかを。どれだけ時間がかかっても。」
「うん。そうする。」
法律上の親があんなに勝手なことするんだから、僕たちだって勝手なことをする。
「穏便にするためにも、できるだけいい子でいよう。何かあればパパや父さんが悪く言われる。それだけは嫌だ。」
「それは僕も嫌だ。さっきもホモとかって言ってた。どの親より仲良しで優しくて強いのに。僕たちの自慢のパパと父さんなのに。」
「パパたちも言ってただろ?俺たちがわかってくれればいいって。それに、パパや父さんのいいところをみんなが知ったら取られちゃうかもだし。」
「それは嫌だ!!僕たちだけのパパと父さんだもん」
「そうだろ。だから、これからもずっと俺たちの中では2人しか親じゃない。でも、表では演じるんだ。いつかここから逃げ出すために、あいつらを騙そう。」
僕と春夜は誓った。
僕たちの家族を取り戻すことを。
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