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【第二部】 2章
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しおりを挟む手を繋いではいるが、少し引っ張られるようにして帰路を歩く。
会社を出てから俺をチラチラ見て気にしながらも帰路を急いでいる空。
なんでそんなに焦ってるんだろう。昔、自分を傷つけていた時みたいな顔してる。俺は平気なのに。こんなに元気なのに。大丈夫なのに。なんで?
家に着くとすぐにリビングのソファに座らされた。
「分かんないんでしょ?なんで僕がこんなに焦ってるか。」
「・・・うん。分かんない。」
「俺のこと信じて休んでくれる?」
「・・・うん。空が言うならそうする。」
空が言うんだからそうした方がいいんだと思う。理由は分からないけど。
「とりあえずさ、今日は出前にしてゆっくりご飯食べよ?オムライスは明日作ってよ。」
「そうだね、買い物も行かなかったし。」
かなり久しぶりに出前をとった。たまにはジャンクなものもいいだろうってことでピザを頼んで2人でお腹いっぱいになるまで食べた。
昔みたいに空があーんしてくれて少し嬉しかった。
「空、ピザ美味しいね。」
「うん。美味しい。たまにはいいよねこういうの。」
「でもさ、俺もう40なんだよ?こんなん食べてたらすぐ太っちゃうと思う。」
「僕、ちーがぶくぶくに太っても抱けるよ?」
「そ、そういうことじゃないってば。」
そうやって空となんともない会話をしながらもずっと肩は触れ合っていて、子供達がいたらイチャイチャしてるって言われるんだろうな。
「片付けは僕がするからちーは先に風呂入っちゃいな?」
「え、でも、、」
「いいから。ゆっくりあったまっておいで。あ、一緒に入る?」
「きょ、今日は1人で入る、、、」
「わかってる。ほら、行っておいで。」
お風呂にゆっくり入っていると、今日の昼間に感じていたような不思議な感覚になる。心だけじゃなくて頭にもモヤがかかってるような。これはなんなんだろうか。昔も、こんな感じあった気もするけど、その時は傷をつけたくて仕方ないって感情が強かったからな。
そんな中でお風呂から上がり、空に声をかけて寝室へ向かう。
お風呂から上がっても、髪を乾かしている間も、空を待っている間も変な感覚が治らない。体調が悪いのとは違うんだよな。
空が寝室に来ても、空と話していても、ぎゅっと抱きしめられても、あまり良くならない。
寝たら治るのかな。そう思って空の匂いに包まれながら目を閉じた。
「おやすみ。・・・ちー?なんかあったら僕が寝ててもちゃんと起こしてね?」
「うん、ぎゅってしててね。おやすみ。」
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