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【第二部】 2章
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しおりを挟む「ねぇ父さん!!何頼んでもいい?」
「いいよ。好きなの頼みな。」
「ねぇねぇ、パフェも頼んでいい?」
「いいけど春夜と半分こな。夕飯食べれなくなるから。あ、ちーは僕と半分にする?」
「えー!僕がパパと半分する!!」
「俺がする!」
「ほら、喧嘩すんなって!あ、この大きめのパフェ頼んで4人で分けよ?」
「「うん!!」」
ほんと、空は大人気ないんだから。
2人は頼んだご飯を美味しそうに食べてていつのまにか、こういうところでもお子様ランチを食べなくなって、いつのまにか一人前食べられるようになって。
あぁ、まだまだ成長見ていたいなぁ。
だめだ、ここ最近すぐにこんな思考になってしまう。
「パパ!次いこ!アザラシだから父さんが好きなコーナーだね!」
昼の時以外はずっと2人が手を繋いでくれていた。
「ほんとだな。パパも可愛くて好きだよ、あざらし。」
「寝てる時のちーの口元がさ、アザラシみたいなんだよね。だから好きなんだ。」
「パパのこと本当に好きだよな。学校の人たちの父さん母さんより仲良いもん。ずっとラブラブしてるし。」
2人がこう言うのには理由は2人の授業参観の日にある。
授業参観というものは、子供の授業を親が見学する。そう、親が見学するんだ。2人のクラスメイトの両親が大勢来るんだ。母親というものにトラウマを持っている俺が正気を保っていられるかどうか自信がなかった。そんな俺を見て空が手を繋いでていてくれたんだ。それが2人の友達たちの間で話題になったみたいで、俺と空がイチャイチャ?する度に2人にからかわれるんだ。
「俺も冬夜もイチャイチャしている父さんとパパが好きだよ。」
「うん。大好き。」
「・・・そんな真っ直ぐな目で言われたら、照れるよ、、。」
「照れてるちーかわいいね。」
3人に赤くなった顔を揶揄われながら水族館の中を進んだ。
お土産か、、なんか2人に買ってやりたいけど、どうしよう。
「何か欲しいものある?」
「んー、パパたちとお揃いのものが欲しい。身につけておけるもの。」
「俺も、俺もそれがいい。」
「ならこれなんてどう?」
空が俺たちの元へ持ってきたのはリングの通ったネックレス。
「このリング、イルカが彫ってあるんだ。2人に初めて買ったぬいぐるみがイルカだっから、なんかイルカって僕の中で特別なんだよね。」
「父さんセンスいい!!これがいい!これが欲しい!!」
「じゃあ、これ買おうか。」
4人でお揃いのものはこれで二つ目。一つ目は動物園で買った虎のぬいぐるみ。二つ目がこれ。
どっちも宝物だ。これから先、増えることのない、宝物。
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