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【第二部】 2章
2
しおりを挟む「すっげぇーーーー!!!」
「あ、こら!春夜!!走るな!!」
感激して走っていってしまった春夜は空が追いかけていった。
春夜はいつも活発で、すぐ行動に出てしまう。
冬夜は周りをキョロキョロしながら動けないでいる。
「冬夜?どうだ?初めてのランドは」
「パパ、、、すごい。」
「ふはっ!そんな、魂抜けたみたいな顔しないでよ。ほら、行こう。」
そう言って手を出すとぎゅっと握ってくれる。この歳になっても親と手を繋いでくれるのは結構貴重だよな。
普段は繋いでくれないけどね。こう言うところでは繋いでくれるってことなのかな?
「父さんと合流するまで、こうしてる。父さん来たら父さんと交代する。パパ、父さんいないとしんどいし、人多いところ苦手でしょ?」
「・・・気づいてたのか。」
「うん。前父さんが仕事で遅くなった時に顔色悪かったし、父さん帰ってきてすぐに寝室から鳴き声とか聞こえてきたから。それに、人多いとこ行く時父さんがパパに大丈夫?って聞いてるから。春夜も気づいてるよ。」
そっか。だから最近出かけるか聞いてもパパが行きたいところとか、家で映画見よとか言ってたのか。
「ありがとな。」
俺にとっても初めてのランド。
全員でお揃いのカチューシャをつけてると、キャストのお姉さんから仲良し家族ですね!!って言ってもらえて、なんだか嬉しくなった。
「パパ!次あれ行きたい!!」
「わかったから!走らない!!」
「はーい!冬夜!!これの次は冬夜の行きたいやつ行こ!!」
「うん!!!」
「楽しそうだね、2人」
「うん。連れてきてよかった。」
今日ここにきてほとんどの時間を空と手を繋いで過ごしている。
女の人から庇うようにして歩いたり列に並んだりしてくれる。
「パレードまで頑張れる?」
「うん。大丈夫だよ。・・・帰ったらいっぱいギュッてしてくれる?」
「・・・もちろん。えっちもしよ」
「っ!!!ちょ、こんなとこでそんなん言わないで!!子供に聞こえたらどうすんの!」
「2人はずっと楽しそうに喋ってるから大丈夫だよ。」
空の馬鹿。
「次変なこと言ったら当分えっちしないからな!!」
「それは話違うよ!!!」
「違くない!!」
「違う!!」
「「喧嘩しない!!!」」
空のせいで2人に怒られちゃった。
だって、空が悪いんだもん。
「ほら!もうすぐだから!!パパも父さんも行くよ!!!これ乗ったら冬夜の乗りたいやつ乗って、そしたらパレードの時間なると思うから!!!」
「わかったから、ほら前見て歩けって!!」
ほんと、いつか転びそうで怖いよ。
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