【完結】優しくしないで

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
167 / 199
【第二部】 2章

2

しおりを挟む

「すっげぇーーーー!!!」

「あ、こら!春夜!!走るな!!」

感激して走っていってしまった春夜は空が追いかけていった。
春夜はいつも活発で、すぐ行動に出てしまう。

冬夜は周りをキョロキョロしながら動けないでいる。

「冬夜?どうだ?初めてのランドは」

「パパ、、、すごい。」

「ふはっ!そんな、魂抜けたみたいな顔しないでよ。ほら、行こう。」

そう言って手を出すとぎゅっと握ってくれる。この歳になっても親と手を繋いでくれるのは結構貴重だよな。

普段は繋いでくれないけどね。こう言うところでは繋いでくれるってことなのかな?

「父さんと合流するまで、こうしてる。父さん来たら父さんと交代する。パパ、父さんいないとしんどいし、人多いところ苦手でしょ?」

「・・・気づいてたのか。」

「うん。前父さんが仕事で遅くなった時に顔色悪かったし、父さん帰ってきてすぐに寝室から鳴き声とか聞こえてきたから。それに、人多いとこ行く時父さんがパパに大丈夫?って聞いてるから。春夜も気づいてるよ。」

そっか。だから最近出かけるか聞いてもパパが行きたいところとか、家で映画見よとか言ってたのか。

「ありがとな。」




俺にとっても初めてのランド。
全員でお揃いのカチューシャをつけてると、キャストのお姉さんから仲良し家族ですね!!って言ってもらえて、なんだか嬉しくなった。

「パパ!次あれ行きたい!!」

「わかったから!走らない!!」

「はーい!冬夜!!これの次は冬夜の行きたいやつ行こ!!」

「うん!!!」

「楽しそうだね、2人」

「うん。連れてきてよかった。」

今日ここにきてほとんどの時間を空と手を繋いで過ごしている。
女の人から庇うようにして歩いたり列に並んだりしてくれる。

「パレードまで頑張れる?」

「うん。大丈夫だよ。・・・帰ったらいっぱいギュッてしてくれる?」

「・・・もちろん。えっちもしよ」

「っ!!!ちょ、こんなとこでそんなん言わないで!!子供に聞こえたらどうすんの!」

「2人はずっと楽しそうに喋ってるから大丈夫だよ。」

空の馬鹿。

「次変なこと言ったら当分えっちしないからな!!」

「それは話違うよ!!!」

「違くない!!」

「違う!!」

「「喧嘩しない!!!」」

空のせいで2人に怒られちゃった。
だって、空が悪いんだもん。

「ほら!もうすぐだから!!パパも父さんも行くよ!!!これ乗ったら冬夜の乗りたいやつ乗って、そしたらパレードの時間なると思うから!!!」

「わかったから、ほら前見て歩けって!!」

ほんと、いつか転びそうで怖いよ。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

からかわれていると思ってたら本気だった?!

雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生 《あらすじ》 ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。 ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。 葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。 弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。 葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

処理中です...