162 / 199
【第二部】1章
20
しおりを挟む「「誕生日おめでとう。春夜、冬夜。」」
空と2人で起こさないようにコソコソと伝えた。
明日の朝ごはんは2人の好きなパンケーキにしよう。そのあとは動物園だ。
喜んでくれるかな。
今日が幸せな1日になりますように。
「ぱぱ!」
「ん、、冬夜、おはよ。」
起きると春夜は俺の上に乗っていて、冬夜が俺の隣にいた。そしてちゃっかり俺の手を握っているのが空。
空はほんと、抜け目がない。
ソファでくつろいでいても俺の隣を陣取る春夜と冬夜を膝の上に移動させてまで俺の横を死守する。
春夜と冬夜ももちろん可愛いけれど、空も可愛いんだ。
「冬夜、お誕生日おめでとう。」
「ぅ?」
「まだわかんないかな?っよいしょっと。」
春夜が起きないようにそっとベッドに降ろし冬夜をぎゅっと抱きしめる。
「生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。」
「しゅき!!」
「うん。しゅき~」
---ギュッ
ほんとかわいい。
さて、2人もそろそろ起こすかな。
2人を起こすと冬夜が俺に抱っこされてるのが気に入らなかったのか春夜が大泣き。冬夜もつられて大泣きしてしまったが、春夜のこともぎゅっと抱きしめて
「お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。」
そう伝えると、わかっていないんだろうが嬉しそうに手をぱちぱちしていた。
「「わぁ~」」
昨日空と2人でした飾り付け。
2人の好きなキャラクターの風船とカラフルな風船で飾りつけた。
きっとこの家でお祝いするのは最初で最後だから。派手にやろうってなったんだ。
「「すごぉーーい!」」
そう言って2人できゃっきゃっと笑って手を叩いている。
朝ごはんも2人の好きなパンケーキを出すと目をキラキラ輝かせていて、いただきますをした途端にかぶりついていた。
この数ヶ月で2人のものはたくさん増えた。おもちゃや服はもちろん、2人の写真や4人で撮った写真をそこら中に飾っている。
いつか2人が男同士の俺たちに疑問を抱く日が来るんだろうけど、この写真は俺には家族写真にしか見えないんだ。
2人が理解してくれる日が来るといいな。と思ってる。
「いちご!」
「うん、いちご。2人とも大好きだもんな。」
「あ!」
春夜が口を開けて待ってるのであーんをしてやるとそれを見ていた冬夜が
「とやも!!!」
と言って2人交互に口を開けるもんだから忙しくいちごを運ぶ。
そしてやはりそれに便乗する人が1人。
「ちー、僕もあーん」
「子供の前だぞ。恥ずかしくないの。」
「ぜーんぜん。ほら、はやく!」
空が恥ずかしくなくても俺が恥ずかしいんだよ。
少し顔を赤くしながらも空にもあーんしてやると
「「ぱぱ、あー」」
2人がフォークにいちごをさして、俺に食べさせてくれた。
ほんと、最近涙腺ゆるいんだから泣きそうになっちゃうよ。
82
お気に入りに追加
1,636
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。


あまく、とろけて、開くオメガ
藍沢真啓/庚あき
BL
オメガの市居憂璃は同じオメガの実母に売られた。
北関東圏を支配するアルファの男、玉之浦椿に。
ガリガリに痩せた子は売れないと、男の眼で商品として価値があがるように教育される。
出会ってから三年。その流れゆく時間の中で、男の態度が商品と管理する関係とは違うと感じるようになる憂璃。
優しく、大切に扱ってくれるのは、自分が商品だから。
勘違いしてはいけないと律する憂璃の前に、自分を売った母が現れ──
はぴまり~薄幸オメガは溺愛アルファ~等のオメガバースシリーズと同じ世界線。
秘密のあるスパダリ若頭アルファ×不憫アルビノオメガの両片想いラブ。


男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる