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【第二部】1章
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しおりを挟む2人がこの家に来て5ヶ月。
明日は平日だが俺だけでなく空も休みだ。なぜなら明日、9月14日は2人の誕生日だから。
「2人とも寝るよ~」
「しゅやぱぱとねる!」
「や!とや!」
これは最近の毎晩のお決まりだ。
日中一緒にいる時間が長いためか俺の隣でどちらが寝るか2人が喧嘩してしまう。普段は仲良いのだが、この時はどちらも譲らない。だから交代交代にしてるのに、それでも喧嘩してしまう。
5ヶ月経って2人はできることがたくさん増えた。走れるようになったし、最近ではジャンプも少しできるようになった。ご飯も自分で食べられるし、なにより、表情豊かになった。
毎日成長を見守っているけれど、毎日驚かされる。子供ってあっという間に大きくなる。空が小さい頃もそれは思っていたけれど、あの頃の空よりも小さいこの子達では余計そう思う。
「昨日冬夜だったから今日は春夜ね。」
そう言うと冬夜は拗ねて空のところへ行った。これもお決まりだ。
空は
「僕の隣では争ってくれないのに負けた時には甘えてきて小悪魔すぎない?この子達。」
と言っていた。なんだかんだ言いながら2人が拗ねて甘えてきてくれることが嬉しくてたまらないくせに。
俺知ってるんだ。空がときどき寝静まった時に俺たちの寝てる姿を写真に撮ってるのを。それを会社の引き出しに入れてるって春樹さんに教えてもらったから。
俺も空も最初は手探りだったが、少しずつ親になれてるのかな?
---ピトッ
「ぱぱ!ねんね!!」
「そうだな。寝よっか。空!冬夜!寝るよ~!!」
今日もたくさん遊んだからぐっすりだ。
「はやいね。2歳だよ。」
「うん。この子達の未来が、明るくなるといいな。」
「ちーと僕が明るくしよう。僕はちーと一緒ならいつでも死んでいいくらいに思ってたけど、この子達とお酒飲みたいって夢ができた。」
「うん。そうだね。・・・っ、、」
あんなにボロボロだった子たちが2歳の誕生日を迎えられるんだと思ったら涙が出てきてしまった。
---ギュッ
「ほんと、すぐ泣くんだから。最近さらに涙腺弱くなってない?」
「そうかも。」
「来月には家も完成するし、忙しくなるんだから。それに、明日は思いっきりお祝いしてあげよう?」
「うん。ごめんね。」
「もう。まだ言ってんの?気にすんなって言ってんじゃん。」
最初はネズミーランドに行こうとした。でも、人がかなり多いってことで俺が耐えられるかわからない。ちょうどテレビで特集していて、人の多さを見て、耐えられる気がしないと思ったんだ。
空はじゃあ動物園に行こうって言ってくれた。平日だから人も少ないだろうし。
この子達も成長してるんだ。俺も、いつかこの子達をどこにでも連れて行けるようにしたい。
「ほら、あと10秒。」
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