【完結】優しくしないで

【第二部】1章

18

「2人とも寝ちゃったね。」

「疲れてたんだろうな。はしゃいでたし。よかった。怖かったんだ。俺がそうだったみたいに人が怖くなってたらどうしようって。だから今日、怖がるかもしれないって思ってた。でもすごい夢中になってて楽しそうでよかった。またどっか連れて行きたいな。」

次はどこに連れて行こう。
楽しみがたくさんだ。

「そうだね。あ、2人に買ったの見せるの忘れてた。」

「じゃあサンタさん方式にしたら？明日の朝気づかせるみたいな感じでさ。」

ぱぁっと顔を明るくした空がいそいそと寝室に入っていった。
空も楽しそうだ。俺が勝手に決めてきちゃったのに空も同じ気持ちでいてくれてよかった。








「ん、、、お前ら起きるの早いな。」

朝、2人の声で起きた。
あ、、、
2人の様子に気づいた俺は静かに空を起こす。


「ん、、おはよ、どうしたの・・・・」

気づいたみたいだ。昨日空が買ったのはイルカのぬいぐるみ。青と水色の色違いで売っていたから水色を春夜に、青色を冬夜にと思って買ったみたい。

そのぬいぐるみを2人の間に置いて寝たら朝気づいて2人で遊んでいた。

「春夜、冬夜、おはよう。イルカさんはおとうさんからのプレゼントだよ。」

「「いうか！！！」」

嬉しかったのか2人はイルカのぬいぐるみを持って空に見せている。
空が持ってると普通のサイズだと思ったけど2人が持つと大きく見えるな。

「春夜、冬夜、おとうさんにありがとうしな？」

「おとしゃ！あーがと！」

「あがと！」

「ちー、やばい、僕何でも買っちゃう。」

「だめだよ！買いすぎたら！気持ちはわかるけどね」

そう言ってると冬夜が近づいてきた。
春夜は空のあぐらかいた足の中に座っているかで遊んでる。

「ぱぱ、いうか！」

「うん。よかったな。嬉しいんだな」

俺に見せたかったのか。まだ2人がここに来て3日目。思ったよりもはやくここに慣れてくれてよかった。
まだ俺や空から離れる時間はほぼないくらいくっついてばかりではあるが、俺や空からすれば嬉しくてたまらない。

「さ、ご飯にしよ。」

俺と空でそれぞれ抱っこしてリビングへと向かう。それでも2人はぬいぐるみに夢中だ。空、買ってよかったね。

「いぅかのまんま！」

イルカを抱きしめながら椅子に座った春夜がそう言うと春夜もこちらを見てくる。なるほど、そうだよな。子供の発想はおもしろいな。

「春夜と冬夜がお腹いっぱいになればいるかさんもお腹いっぱいになるよ～ほら、あーん」

空がそう言うと納得したみたいで口を開けて美味しそうに食べていた。
イルカにもご飯あげたいだなんて、かわいいよな。

そのあとは空が仕事に行くのが嫌でおとしゃんと泣きながら空に手を伸ばす2人に空が会社休むとか言い出して大変だったが何とかして送り出した。