【完結】優しくしないで

【第二部】1章

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「「わぁ～」」

「ふはっ、まって、おもしろ」

「何笑ってんだよ空。」

俺たち4人は今日、水族館へ来ていた。
家を出る時は施設に戻されると思ったのか泣き叫んで車に乗せるのに1時間かかった。これは、今後保育園に預けるのも一苦労だな。

ベビーカーも双子用を購入していたので乗せようと思ったが初めてのベビーカーで少し怖かったのか初めはぐずっていた。でも、外向きだったものを対面にして俺たちの顔が見えると安心したようだ。

ここは俺が初めて空と来た水族館。2人を初めて連れてくるならここにしようと空と決めた。




「2人が初めて大水槽見たときの顔、ちーが初めてここ来たときの顔とおんなじなんだもん」

「え～俺あんな顔してた？」

2人の顔は口をあんぐり開けて水槽に夢中な顔。
ベビーカーの横に座り込む。

「どう？おさかないっぱいでしょ？」

「ぱぱ！おしゃかな！！」

「おしゃかな！！」

魚を指差しながら興奮して喋っている。

「すごいね。もう30分も見続けてる。」

たしかに。2人でキャッキャ言いながら見てる。
時々俺にパパ見てと言って魚を指差してくる。あんなにぐずっていたから不安だったが、よかった。楽しそうにしてくれてて。

「ぱぁぱ、とや、だっこ」

「とや、やぁや！しゅや、だっこ！！」

あらら、抱っこ抱っこになってしまった。まぁ、初めてのベビーカーで長く乗ってくれた方かな。

2人を片腕ずつに抱っこする。
嬉しそうに俺の胸のところをギュッと握ってくる。

「あち！いく！」

なるほど、水槽にもう少し近づきたかったのか。
まだまだ飽きてないみたいだな。

「春夜、冬夜、イルカさんのショー観に行かない？」

「「？？」」

わかってないな。とりあえずショーの時間近づいてるし、行ってみるか。

歩き始めると少し名残惜しそうに水槽を見ていた。

「見たかったらまた後で来ようか。」

「「うん。」」

イルカショーの真ん中の方に席をとって見てみると2人は興奮して膝から降りて立って、イルカをキラキラした目で見ていた。

「ぱぱ！！いうか！！とんだ！！」

「ぱん！って！！おみず！！」

「すっかり興奮状態だね。一旦昼ごはんにしたら興奮治るかな？」

「今日は一日中このままじゃない？」

俺も初めて来た日は夜も興奮治らなくてなかなか眠れなかったもんな。
魚が泳いでいてイルカが飛んで驚きの連続だったもんな。

ここの水族館は子供用のご飯も豊富だった。2人はご飯よりもイルカやペンギンの旗の方が気になるようで手に持って離さない。これは、家まで持って帰りたいんだろうな。俺の鞄に入れて帰ることにして、俺と空はそれぞれ2人にご飯を食べさせる。

「よし。じゃあ、ペンギンのとこ行こっか。」

今日はまだまだある。
4人で初めての外出、家族って感じがして嬉しい。