156 / 199
【第二部】1章
14
しおりを挟む「春夜、冬夜、俺と一緒に遊ぼっか。」
空が大量に買ったおもちゃがあるから2人に選ばせて遊ばせようと思ったが2人はおもちゃに見向きもせずに俺の腕から降りようとしない。
「しゅやここいる」
「とーやも」
「そっか。じゃあ、本でも読もっか。」
2人を抱えたままソファに腰掛けるがそれでも俺の服から手を離さず離れそうにもない。
朝施設に帰るの、そんなにトラウマになっちゃってたのか。と思いながらもそれぐらいここに慣れてくれたことに嬉しく思った。
本を読んでいる間は真剣な顔をして聞いているから俺もつい熱が入って読んでしまった。名演技だったと思う。
それに喜んでくれたのか
「「もっかいーー!!」」
と言って楽しんでくれていてあっという間に時間が過ぎるんだ。
お昼を食べた後には散歩にでも行こうかな。敷地内なら安全だし。
だがこんな小さい子供2人との散歩は想像の何倍も大変だった。目を離すとすぐに転ぶし、変なものを口に入れようとしたし、急に泣き出してしまうしでオロオロしながらもどうにか帰宅した。
その頃には落ち着いてきて2人でベビーサークルの中で遊んでくれているからその間にご飯を作ってしまう。
「「んぁぁぁああああ、」」
「え~どうしたの?パパだよ~なんてね」
おしめでもないし、お腹すいたかな?それとも寂しかったのかな?
抱っこすると泣き止んだから寂しかったんだな~
俺の存在を確かめるようにペタペタと触ってくる手が小さくて、どうしてこんな小さい子供に酷いことができるんだろうか。と思う。この子達の親もだし、俺の親も。
「「ぱぁぱ」」
・・・?
「お、俺のこと?お、俺のことパパって言ったの??」
いや、違うかもしれない、だって教えてないぞ、でも知ってるのか?このぐらいの歳なら。
「こ、この人だあれ?」
自分を指差しながら問うと
「「ぱぱ」」
う、嬉しい、どうしよう、え?どうしたらいい?嬉しすぎる。
思わず2人をぎゅっと抱きしめて頬をすりすりする。2人はキャッキャッと言いながら喜んでくれている。
「なーにしてんの?楽しそうだね。」
「空!おかえり!」
2人に夢中になって空が帰ってきたのに気づかなかった。
あとで拗ねそうだな。
「なんかいいことあった?」
「うん!!聞いててね!!春夜、冬夜、この人だーれ?」
先ほどと同じように自分を指しながら2人に聞くと
「「ぱぱ!!」」
「ね!!2人がパパって呼んでくれるようになったの!!!」
「え!ずるい!!!僕も!!おとうさんだよ!!おとうさん!」
2人は首を傾げてしまう。
そこで俺が吹き出してしまったから空の機嫌が悪くなってしまって、
「夜に絶対なかす」
と言われてしまった。怖っ
83
お気に入りに追加
1,639
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?


見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる