【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第二部】1章

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あれから5日。

園長先生のおかげで土曜ではなく金曜の夜に迎えに行けることになった。
月曜日からも2人に寂しい思いをさせないように仕事終わりには施設に寄って様子は見ていたが月曜の朝以降2人はあまり笑顔を見せてくれなくなった。
どこが不安があるように、どこか俺を探るように様子を伺っている感じだった。

今日から毎日2人にいっぱい愛情をあげるしかできない。俺が空にしてもらったみたいに。

空はこの5日間、子供たちと暮らすようになったら我慢も必要になるからと言って付き合いたての時以上に俺に引っ付くし触れるしで俺は毎朝ヘトヘトだった。



「じゃあ、2人をよろしくね。」

「はい。春夜、冬夜、行くよ。」

「いしょにいっていいの?」

「うん。これから一緒に暮らすんだよ。」

「あさなったらばいばい?」

「ううん。朝になってもずっと一緒。俺と一緒に行ってくれる?」

「「うん。」」

小さいリュックに入ってるもの。全てがここで買ってもらったものらしい。
保護された時点で親から与えられたものは何一つなかったそうだ。

おむつも数日取り替えられておらず、ガリガリにやつれていたみたいだ。

歩いても帰れる距離だが今日は空も一緒に行きたいからと2人で車できた。

空が新しく買った車は中古の普通車。
4人で出かけられるように購入した。

2人を後部座席に乗せると、チャイルドシートが初めてなのか不思議そうに見ては2人で顔を見合わせて次は俺たちに視線を戻す。そんなことを繰り返しているうちに家に着いた。

俺たちの住む離れはもとは1人が住むためのもの。4人では少し狭いが家が建つまではこの狭い家で4人でくっついて過ごそうって空が言ってくれた。
家の内装やデザインは俺と空とお父さんの知り合いの建築家さんとで少しずつ話していたのを今週中に決定する予定だ。
早くて半年後には新しい家だ。

今から楽しみだ。
ただ、今はまず2人が1日でも早く俺たちに心を開いてくれることを願う。

「よし、ご飯作るから待ってて!料理中は危ないから近づいたらダメだからね?」

俺が夕飯を作っている間は空が2人と遊んでくれるみたいだ。
何がいいのかわからなくておもちゃやにあったおもちゃをいくつか買ってみたが気に入ってくれるだろうか。

俺のご飯もこの間は美味しいって言ってくれたけど、今日もそう言ってくれるかな。

本読んでたくさん勉強したが2人の好きな食べ物や嫌いな食べ物はこれから知っていこう。

「よし!ご飯できたよー!」

そう言うとトタトタ効果音が出ていそうな足取りで俺の足にギュッとしがみついてきた。

「春夜、冬夜、ご飯食べよ。」
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