【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第二部】1章

6 空side

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「これいいんじゃない?」

「うん。良さそう、色違いで買おう」

そんな風にして2人の服や靴、帽子など必要そうなものをどんどんカゴに入れる。

土曜日に2人を引き取って、月曜から半年の間ちーは育休を取ることになった。施設への訪問は子どもと一緒に行けるから行くみたいだが、役員業務はどうしても必要で在宅でできるものはするが基本的には休み。
子どもたちと時間を過ごしたいからと言うと会社側はすぐに許可を出してくれた。まだ結婚していないし男同士だが理解のある会社で良かったと心底思う。

「ちー、今日夜ご飯はどうするー?」

「んー、昼外食だったし家で食べよっか。久しぶりにオムライス作ろうかな。」

僕の好きなものをよく作ってくれるし、大学4年間毎日作ってくれたお弁当は入社してからも続けてくれている。
まだまだ不安定な部分はあるけれど、昔に比べたらかなり落ち着いた千秋。

どんな千秋も大好きだけど、笑ってくれるのが1番嬉しい。

ニコニコしながら買い物する千秋はずっと眺めていられる。

「千秋、早く帰っていちゃいちゃしよ?」「千秋じゃん!!!!」

誰だよ、僕に被せてきたの。
相手を恨めしく思いながら振り向くとそこにはちーの友人がいた。

時々僕を差し置いてちーとランチしてる奴。

「千明!!久しぶり!!・・・隣の人は?」

「あ、この人は、その、前に相談してた人、だよ。」

「こんにちは。千秋くんだろう?隣は彼氏の空くんだね。高松康介です。」

高松、、なんかどっかで聞いたことあるような。

隣ではコソコソと2人が

「前言ってたお医者さん?結局オッケーしたんだ!」

「だってもうプッシュだったんだもん!それに、付き合ってみたら優しくて大事にしてくれるの!」

完全に女子の恋バナだ。

「2人のことは父からよく聞いてるよ。手のかかる子達だって言ってたよ。」

父、、、、?

「・・・!?あ、明先生の息子だ。」

そうだった。明先生の息子の長男の方が康介だ。昔一度だけ会ったことあるんだった。

「え!明先生の息子さんなの!!すごい!世間って狭いんだね!!」

「千秋、康介のお父さん知ってんの?」

「うん。俺の主治医の先生!子どもの頃から見てもらってるよ。千明が明先生の息子さんと付き合ってるなんてびっくり!」

「ひゃー!驚き!でもさ、私さっきから気になってるんだけども。何で子供服大量買いしてんの!?」

まぁ、そりゃ驚くよな~
千秋が事情を説明すると驚いた後千秋と少し話し、絶対いつか会わせてね!と言い残した2人は去っていった。

「ちー、早く家帰ろ。」

「・・・いちゃいちゃはちょっとだけね。」

聞こえてたんじゃん。意地悪。
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