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番外編【第一部】
千秋の誕生日
しおりを挟む「頼む!!この通り!!!」
「いやいや!!!ちょっと、頭上げてください!あなたそんなことしていい人じゃないでしょ、、」
僕の目の前では僕に頭を下げている義理の父親になる予定の人。
梶田湊、梶田組組長だ。
なぜこんなことが起きたのかというと
来週、ちーがの誕生日があるから。
今年はお義父さんたちにとっては長年探し求めていた息子とようやく会えた年、初めて息子と迎える誕生日なんだ。
だから梶田組で誕生日会をさせて欲しいと僕に言いに来たっていうわけだ。
「嫌だなんて言いませんよ、、ちーもお義父さんやお義母さんと過ごせるの嬉しく思うはずですし。ちー、お義母さんの料理食べる時いつも少し泣きそうになりながら食べるんです。ちーってテレビとかよく見るから、家庭料理とかお母さんの味ってのに憧れてたんだと思います。だから、お義母さんにとって大変かもしれないけれど、お義母さんの料理で誕生日会したら喜びます。」
そういうわけで、ちーがの誕生日当日。
もちろんちーには内緒だから、僕と昼間デートして、夕方梶田組に行くことになっている。
「空、今日どこいくの?泊まりの用意もしてるし、遠いとこ?」
「ひーみーつー」
僕の誕生日をあんなに最高の形で祝ってくれたちーにできることって何かわからなくて、悩みに悩んで決めた今日のデートプラン。
「映画館、、?」
「そう。ついてきて。」
そうして僕が入って行ったのは普通の受付ではなくゴールドルームと呼ばれる個室空間で映画が楽しめる部屋の受付。
人気なんだけど朝からチケット並んで取れたんだ。
ここならちーは周り気にせずに映画が見られるし2人でくっついて見られるからね。
映画館には行ってみたいけど怖いからいい。って言ってたのを昔聞いたからどうしても連れて行ってあげたかったんだ。
それに、ちーが好きなシリーズの映画が今日から続編公開なの見たくてうずうずしてたの知ってるんだから!!
「空、ここ俺が知ってる映画館じゃないんだけど、、テレビで見たことある感じと全然違う、、」
ちょっと豪華な作りに驚いているみたい。ウェルカムドリンクやケーキなんかも出てきて至れりつくせりだな。
映画が始まる前にポップコーンは持ってきてもらうようにお願いした。
きっと映画見ながら食べるやつやってみたいと思うから。
始まる時間まではイチャイチャできると思ったのに、妙にはしゃいでるちーが楽しそうで触りまくることはできなかった。ちょっと悔しい。
でも映画中はずっと手を繋いでくっついていられたし、迫力のあるシーンだとちーがびくってするのが伝わってきて、もう最高の気分だ。
「楽しかったーーー!!映画館で見ると迫力が違うんだな~空!連れてきてくれてありがとう!!」
「うん!じゃ、今日のデートプラン最後の場所に行こっか。最後まで秘密だからちーはこれつけてね。」
そう言って車に乗せてからアイマスクを着けさせる。
何人もでの誕生日パーティーなんて初めてだろうな。
泣くかもしれないな~
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