【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第二部】1章

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「あの子達よ。どの職員が話しかけてもダメなの。」


そっと2人に近づく。
傷がまだ治り切ってないんだな。
2人の腕にはあざがまだ薄く残っている。
その目の前で服を捲る。
後ろで園長たちが驚く声が聞こえる。

「見て、・・・一緒。」



「・・・・・・いたい?」

「ううん。もう痛くない。ここは、怖くないよ。もう大丈夫だよ。」

2人との距離を詰めて抱きしめると2人は声を出して泣き出してしまった。

「頑張ったね。もう大丈夫だからね。ご飯いっぱい食べても怒られないから。しゃべったって怒られない。」

俺も少し泣いてしまったが、2人は泣き止むと同時に大きくお腹を鳴らしていた。2人が僕の服を掴んで離さないからここで3人でご飯を食べることにした。

交互にスプーンを持っていくと口を開けてくれる。雛鳥に餌あげてるみたい。

おいしいって言ってくれて俺まで嬉しくなった。

帰る時間になっても2人は手を離してくれなくて、









「それで、引き取るって言っちゃったの?」

「・・・うん。」

そう。その場でこの子達俺が引き取ってもいいですか。と言った。

何個か段階を踏まなきゃいけないみたいで、今週末、2人は泊まりに来ることになった。

それを今帰宅空に話してるんだけど、やっぱだめかな。空に相談せずにしたことだし、子どもはお金もかかるから、、

「ちーがだけ仲良くなってずるい!僕も早く会いたい!!」


!?

「いいの!!??」

「もちろん。子どもは好きだし、ちーがその子たちのこと助けたいって、家族になりたいって思ったんでしょ?」

「うん。昔の俺見てるみたいで、でも、空、俺ちゃんと考えたけど勢いみたいなのもあったから、、俺親になれるかな。」

あの子たちを助けたいし家族になりたい。でも、ちゃんと親になれるのかわからない。

「僕はちーはいいお母さんになると思うよ。」

「お、お母さんって、俺は男なんだけど、、、」

「だって夜は女役じゃん、子どもたちと暮らすようになったら頻繁にできないのかな~ちょっとそこだけ悲しい」

「い、いま、はしすぎだと思う、から!」

最近はって言うか、一緒に暮らし始めてからはほとんど毎日してる。

空は若いから元気だと思いきや俺もなかなか負けてないと思う。

「って!そっちの話に持ってかないでよ!!俺真剣な話してんの!!」

「ごめんごめん。親になれるかだっけ?そんなのわかんないもん。僕司法修士生のとき結構親子関係の裁判も見たけど、親も子も人間だもんね、理想がある。理想通りじゃなければ裏切られたってなるパターンも多いんだよ。だから、僕たちなりに2人に向き合えばいいんじゃない?」

そっか。なんだか空の言葉がスッと自分の中に入ってきた。
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