133 / 199
【第一部】 8章
11 空side
しおりを挟む
長かったアメリカ生活もあと2日。
本当に長かった。長すぎた。ちーがアメリカに来てくれた日からは電話も増えて少しだけマシにはなったけど、それでもマシってだけでちー不足は解消されるわけもない。ちーがいないと眠れないのも変わらないし、食欲があまりないのもかわらない。
ちーと一緒以外は海外なんてもう2度と行かないって毎日誓った2ヶ月だった。
早く会いたい。
明後日には会えるって言ったら喜んでたなぁ。ご飯も作って待っててくれるみたいだし。
「空くん。予定より早く終わりそうだね。」
「はい。そうですね。順調です。」
思ったよりも早く終わりそうで嬉しい。
あ、ちーに内緒でもう一本か二本早い便で帰れないかな。そしたらきっと驚く。
「あの、早く終わったら僕の乗る予定だった便より早い便に乗ってもいいですか?」
「あぁ、かまわないよ?この間来ていた恋人かい?アメリカのホテル業界とも繋がっている大物の」
よし。これでちーに早く会える!!
「まあ。彼自身は繋がっていないんですけどね。彼のお父さんがってだけです。」
「いいねぇ若いね。恋人に会いたくてアメリカまで来ちゃうなんて。俺ぐらいの歳になるとそんな行動力ないからね。若いうちだよ?」
「・・・彼、もう30超えてますよ。」
そう言った時の上司の顔は一生忘れられないと思う。
大きいスーツケースにはちーへのお土産がパンパンに入っている。
アメリカのスーパー連れて行った時のちーかわいかったな。サイズ感にびっくりしまくって。
これどんな味するんだろとか独り言ばっかりで。
ちーがそう言ってた中で持って帰れそうなものをちーへのお土産に選んだ。
予定より6時間くらい早く会えるって思ったら嬉しくて仕方ない。
「ちーにサプライズあるよってメールだけしとこうかな。」
そう思って携帯を取り出したのが間違いだった。
「っ!!!おい!!!!」
一瞬の隙で携帯を盗まれてしまった。
追いかけたが大きいスーツももっている状態じゃ追いつけるわけもなくて
「嘘だろ。」
ちーとの写真は全部パソコンにバックアップしてるからいいけど、ちーのメール、、、、
ショックは大きかったがちーにはサプライズで会うからすぐには焦らなかった。
数時間後にこのことをあんなに後悔することになるなんてこのときは思わなかったんだ。
飛行機に乗っている間もちーがどんな顔して驚くのかなってそんな想像ばっかりで、僕ののは予定だった飛行機があんなことになっていたなんて思ってもみなかったし、ちーを驚かせたいって思った僕の行動がちーのことどん底へ落としてしまうなんてことも思ってなかった。
本当に長かった。長すぎた。ちーがアメリカに来てくれた日からは電話も増えて少しだけマシにはなったけど、それでもマシってだけでちー不足は解消されるわけもない。ちーがいないと眠れないのも変わらないし、食欲があまりないのもかわらない。
ちーと一緒以外は海外なんてもう2度と行かないって毎日誓った2ヶ月だった。
早く会いたい。
明後日には会えるって言ったら喜んでたなぁ。ご飯も作って待っててくれるみたいだし。
「空くん。予定より早く終わりそうだね。」
「はい。そうですね。順調です。」
思ったよりも早く終わりそうで嬉しい。
あ、ちーに内緒でもう一本か二本早い便で帰れないかな。そしたらきっと驚く。
「あの、早く終わったら僕の乗る予定だった便より早い便に乗ってもいいですか?」
「あぁ、かまわないよ?この間来ていた恋人かい?アメリカのホテル業界とも繋がっている大物の」
よし。これでちーに早く会える!!
「まあ。彼自身は繋がっていないんですけどね。彼のお父さんがってだけです。」
「いいねぇ若いね。恋人に会いたくてアメリカまで来ちゃうなんて。俺ぐらいの歳になるとそんな行動力ないからね。若いうちだよ?」
「・・・彼、もう30超えてますよ。」
そう言った時の上司の顔は一生忘れられないと思う。
大きいスーツケースにはちーへのお土産がパンパンに入っている。
アメリカのスーパー連れて行った時のちーかわいかったな。サイズ感にびっくりしまくって。
これどんな味するんだろとか独り言ばっかりで。
ちーがそう言ってた中で持って帰れそうなものをちーへのお土産に選んだ。
予定より6時間くらい早く会えるって思ったら嬉しくて仕方ない。
「ちーにサプライズあるよってメールだけしとこうかな。」
そう思って携帯を取り出したのが間違いだった。
「っ!!!おい!!!!」
一瞬の隙で携帯を盗まれてしまった。
追いかけたが大きいスーツももっている状態じゃ追いつけるわけもなくて
「嘘だろ。」
ちーとの写真は全部パソコンにバックアップしてるからいいけど、ちーのメール、、、、
ショックは大きかったがちーにはサプライズで会うからすぐには焦らなかった。
数時間後にこのことをあんなに後悔することになるなんてこのときは思わなかったんだ。
飛行機に乗っている間もちーがどんな顔して驚くのかなってそんな想像ばっかりで、僕ののは予定だった飛行機があんなことになっていたなんて思ってもみなかったし、ちーを驚かせたいって思った僕の行動がちーのことどん底へ落としてしまうなんてことも思ってなかった。
83
お気に入りに追加
1,640
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?


見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」

幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる