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【第一部】 7章
21
しおりを挟む「ん、、」
「あ、起きた?ごめんね。無理させちゃって。」
そうだ。あの後ベッドでも何回もして、気失ったのか。
・・・
「あ!!」
急に出した俺の大声にびっくりする空を無視して冷蔵庫へ向かおうとした。
そう、向かおうとしたんだけど、
---バタン
だめだ。立てない。
すぐに寄ってきた空に抱えられてベッドに戻されてしまう。
「無理したらダメだよ。あんなにして足腰立つわけないでしょ。なんか欲しいものあったの?お水?」
「・・・・あのさ、冷蔵庫にケーキ、あって。」
空の誕生日ケーキを用意していたんだ。BBQが終わったら一緒に食べようと思っていたのにもう日付越えちゃってる。
「ほんと?なら一緒に食べよ。・・・よいしょっと」
空は俺をお姫様抱っこでテーブルのところに運んでくれてケーキとフォークを持ってきて俺の隣に座った。
「蝋燭火つけないの?」
「・・・つける。」
空のせいなんだけど、俺が立てないから空が全部してくれる。
自分の誕生日ケーキに自分で蝋燭立てて火つけるっておもしろいな。
「ちーとずっとずっと仲良く入れますように。」
「っ、七夕じゃないんだぞ?」
お願いをしながら火を消す空に笑ってしまう。
「いーの。ちーと誕生日すごせた感謝も込めてるの。」
空が火を消してから切り分けることもなく2人でホールケーキを掘って食べた。
空が俺が甘いもの好きだからって俺にいっぱい食べさせようとするんだ。
腰も含め体中が痛いけれど心がぽかぽかしてなんだか幸せってこの瞬間のことかなって思う。
嬉しそうな空を見ることも俺が嬉しい、楽しいと感じることも、全てが幸せだと思える。
ありがとう、空。
「も、もうしないから!!!無理だから!!」
一緒に寝ると聞かない空に忠告する。
俺の体はもう限界だ。さっきあんだけしたんだから。もう、無理なんだからな。
「わかった。しないから。だから抱きしめて眠りたい。いいでしょ??」
そんなうるうるした目で言われたら頷くしかない。
「大好きだよ。」
いつもいつも俺に愛情表現をしてくれる、いつも俺が不安にならないように好きだと言ってくれる。
だから俺も、それを返したい。
俺自身の気持ちをちゃんと伝えたいって思うようになった。
「・・・俺も、世界で一番大好き。愛してる。」
その言葉に対して空の反応はなかっけど、抱きしめる力が少し強くなった。
そのままお互いの存在を確かめるように力強く抱きしめあったまま朝を迎えた。
幸せな空の誕生日を含めた三連休を過ごすことができたんだ。
今は空がアメリカに行くことは一旦忘れてこの幸せを噛み締めようって。そう決心した。
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