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【第一部】 7章
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しおりを挟む「ちー、上手くできない。」
「ははっ、空、下手くそ!」
「なんでちーそんな上手いの。」
「わかんない。初めてしたよ?」
俺と空はたこ焼きパーティをしている。千明からもらったホットプレートで。
「できた!!あ、これ写真撮って千明にありがとうって送ろうかな。」
そう思ってたこ焼きの写真を撮る。
空が作った不恰好なたこ焼きも一緒に。
「きっとあの子はその写真より、このほうがいいよ。ちー、カメラ向いて。」
カシャ
空が俺の肩に手を回してくっついてきてカメラを向けた。
俺と空のツーショット。たこ焼き器も入れて。
「婚約祝いなんでしょ?なら僕らが一緒に写ってたほうが喜ぶよきっと。って僕が撮りたいのもあるけどね。」
「・・うん。空、その写真送って?」
「うん。さ、冷めないうちに食べよう?」
「そうだね。これ熱いかな?」
初めてのたこ焼き。ソースかけるってことはそれ自体にはあんまり味ないのかな?熱い?
「熱いよ。火傷しないようにね。」
「~!うま!!」
想像以上に美味しかった。だしの味もして、ソースとマヨネーズも最高。
「ん、ほんと。美味しいね。」
「うん。美味しい!」
「なんかね、調べてみたらタコ以外にもいろんなもの入れて楽しめるんだって!また今度色々試してみようよ!」
「うん!そうする!」
「明日からまた学校と仕事か~」
「俺今仕事楽しいよ?新しく建てるホテルの業務してるんだけど、完成予定が3年後とかだから、空が卒業するくらいにそこに一緒に行けるといいね。」
「ほんと!?一緒に行ってくれるの?」
「うん。もちろんだよ。俺空と行きたいとこいっぱいあるし。」
「嬉しい。」
空が嬉しそうだ。ニヤニヤしてる。
空、可愛い。
「そのホテルができて少ししたら今度は施設とかの運営になるんだって。いろんなことできて嬉しいよ。俺。」
「ちーならなんでもできるよ。頭いいし。」
「俺頭いいか?」
「涼也から聞いたよ?18になる前に受けた高卒認定1発だったって。資格もいっぱいもってるじゃん。」
「まあその時は、若のためにできること何でもしてたから。でもそんなん言ったら空の方が頭いいよ。俺の自慢の彼氏だもん。」
「もう、すぐそうやって僕のこと夢中にさせるんだから。」
だって本当のことだ。
空のこと世界で1番かっこいいって思っているし。
みんなに言いふらしたいぐらいに自慢できる彼氏だし。
「本当のことだもん。」
「僕も、思ってるよ。ちーのこと、自慢の彼氏だって。」
恥ずかしくなって下を向いてしまう。
絶対今顔赤い。
「ちー?こっち向いて」
「やだ。顔赤い。」
「知ってる。それ見たいから言ってんの。」
おそるおそる空の方を向くと、
---チュッ
「ふふっ、大好きだよ。」
「な、な、恥ずかしい!ほら!ご飯食べるから!!」
「はいはい。次僕焼く!綺麗な丸作る!!」
「わかったから。はい、よろしくね」
空は上達することなくその日のたこ焼きパーティは終わった。
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