【完結】優しくしないで

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
90 / 199
【第一部】 6章

12 蓮side

しおりを挟む


武田組の地下にある拘束部屋へ向かう。

乱雑に床に寝かされている俺の元妻。


「お前には聞きてえことがある。中野組は消えた。お前の親父は刑務所だ。もう2度と表の空気吸えねえと思え。


・・・牧野由良とのこと全て吐け。」


蒼真が海に水をかける。

「っっっげほっっ、ぅ、、ぁ、、」

「千秋にやられてボロボロだろうが口は動かせんだろ。早く喋れ」

「空は、空は無事なの」

「お前と子供たちはもう関係ねえ。2度と拘らせね朝、俺にお前の質問に答える義理はねえ。いいから俺の質問に答えろ。牧野由良とはいつであった」

「・・・・っっ、、あの女とは、蓮が千秋を拾ってくる前から知り合いよ。」

まさかの回答だった。千秋が邪魔だから牧野由良を探し出したんだと思っていた。


「あの女、なぜ早々に捨てずに殴りながらも家に置いていたか知ってる?

・・・中野組の重役である男色家の男に売る予定があったからよ。峯田雄三という男に15歳になれば売る予定だったのよ。それがいなくなって蓮に拾われたことを知って私に頼ってきたのよ。今回私たちが別宅にいたのは千秋ならお引き出せると思ったから。あの女や私にトラウマがある千秋なら私たちに手は出せないと思っていたわ。だから怪我でもさせて峯田に売ろうと思っていたのよ。それが、こんな様になるとはね。」


こいつは、ほんとに親なのか?
自分の子どもを持つ親ならなぜ、そんなことができる。千秋がこいつに何をした。


海に近づき思いっきり蹴る。

勢いよく壁にぶつかっていった。
手加減なんてしねえ。

「よくも俺の大事な息子を傷つけてくれたな。死ぬより苦しい思いすると思え。てめえの行動を死にたくなるほど反省しろ。」

俺はすぐに梶田さんに電話をかけた。

「こっちは吐きました。そちらはどうですか?」

「こっちも吐きました。また内容は共有しましょう、、っっっ、、、すいません、こんなやつのもとに11年もの間愛する息子がいたと思うと、、後悔しかできない、、俺たちの元に生まれてきてくれた千秋が、こんな苦しい思いしなければいけないだなんて、ほんとうに、、悔しいです。」

「・・・俺もです。うちの傘下の組が繋がっていたこともっと早く分かっていれば、、、本当に、申し訳ないです。」

「謝らないでください。千秋を救い出し、あんなに立派に育ててくれて、空君という存在までいてくれて俺たちができなかったことたくさんしてくれた。私たちはあなたに感謝しかしていません。」

「あなたが千秋の父親で良かったです。あいつらのこと、しっかり見守ってやりましょう。」

俺も梶田さんも組では上の立場だが1人の父親だ。
息子の幸せを願っている。


梶田さんも牧野由良は警察には出さないみたいだ。
警察に出したところで2人の罪なら数年で出てきちまう。だったら組で囲って、罪を償ってもらうだけだ。

もう2度と外の空気なんて吸えないこの場所で。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜

Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、…… 「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」 この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。 流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。 もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。 誤字脱字の指摘ありがとうございます

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

浮気な彼氏

月夜の晩に
BL
同棲する年下彼氏が別の女に気持ちが行ってるみたい…。それでも健気に奮闘する受け。なのに攻めが裏切って…?

ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話

かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。 「やっと見つけた。」 サクッと読める王道物語です。 (今のところBL未満) よければぜひ! 【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...