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【第一部】 6章
12 蓮side
しおりを挟む武田組の地下にある拘束部屋へ向かう。
乱雑に床に寝かされている俺の元妻。
「お前には聞きてえことがある。中野組は消えた。お前の親父は刑務所だ。もう2度と表の空気吸えねえと思え。
・・・牧野由良とのこと全て吐け。」
蒼真が海に水をかける。
「っっっげほっっ、ぅ、、ぁ、、」
「千秋にやられてボロボロだろうが口は動かせんだろ。早く喋れ」
「空は、空は無事なの」
「お前と子供たちはもう関係ねえ。2度と拘らせね朝、俺にお前の質問に答える義理はねえ。いいから俺の質問に答えろ。牧野由良とはいつであった」
「・・・・っっ、、あの女とは、蓮が千秋を拾ってくる前から知り合いよ。」
まさかの回答だった。千秋が邪魔だから牧野由良を探し出したんだと思っていた。
「あの女、なぜ早々に捨てずに殴りながらも家に置いていたか知ってる?
・・・中野組の重役である男色家の男に売る予定があったからよ。峯田雄三という男に15歳になれば売る予定だったのよ。それがいなくなって蓮に拾われたことを知って私に頼ってきたのよ。今回私たちが別宅にいたのは千秋ならお引き出せると思ったから。あの女や私にトラウマがある千秋なら私たちに手は出せないと思っていたわ。だから怪我でもさせて峯田に売ろうと思っていたのよ。それが、こんな様になるとはね。」
こいつは、ほんとに親なのか?
自分の子どもを持つ親ならなぜ、そんなことができる。千秋がこいつに何をした。
海に近づき思いっきり蹴る。
勢いよく壁にぶつかっていった。
手加減なんてしねえ。
「よくも俺の大事な息子を傷つけてくれたな。死ぬより苦しい思いすると思え。てめえの行動を死にたくなるほど反省しろ。」
俺はすぐに梶田さんに電話をかけた。
「こっちは吐きました。そちらはどうですか?」
「こっちも吐きました。また内容は共有しましょう、、っっっ、、、すいません、こんなやつのもとに11年もの間愛する息子がいたと思うと、、後悔しかできない、、俺たちの元に生まれてきてくれた千秋が、こんな苦しい思いしなければいけないだなんて、ほんとうに、、悔しいです。」
「・・・俺もです。うちの傘下の組が繋がっていたこともっと早く分かっていれば、、、本当に、申し訳ないです。」
「謝らないでください。千秋を救い出し、あんなに立派に育ててくれて、空君という存在までいてくれて俺たちができなかったことたくさんしてくれた。私たちはあなたに感謝しかしていません。」
「あなたが千秋の父親で良かったです。あいつらのこと、しっかり見守ってやりましょう。」
俺も梶田さんも組では上の立場だが1人の父親だ。
息子の幸せを願っている。
梶田さんも牧野由良は警察には出さないみたいだ。
警察に出したところで2人の罪なら数年で出てきちまう。だったら組で囲って、罪を償ってもらうだけだ。
もう2度と外の空気なんて吸えないこの場所で。
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