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【第一部】 6章
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2人に向かって銃を構える。
「あなた!私に向かってそんなもの向けていいと思っているの!?!?」
若姐さんが叫ぶ。
「確かにあなたは若の奥さんです。しかし、こちらで調べがついている。あなたが組のお金を少しずつ中野組に流していたこと。それに、薬物の売買にも関わっていたこと。
この家に残っている証拠になりそうなものを回収しに来たんですよね?そちらの牧野由良は何をしに来たのか知りませんが。」
怖くないって言い聞かせても、牧野由良の方を見ることができない。
「なーんだ。全部バレてるのか。
でも、もう一つ目的があることは知らないでしょう?」
もうひとつの、目的、、、?
「私は確かにこの組のお金を流していたし、薬物の売買も関わった。でも子供たちのことを大切に思っていたのは事実よ。この牧野由良と手を組んだのはあんたが邪魔だったから。翔太は私が怖がるふりしたら簡単にあんたのことを敵と認識してくれた。本当はあの時死ぬと思ったんだけどね、なかなか死ななかった。
だから、いい母親としてあんたに忠告してせっかく自分から死のうとしてくれたっていうのになぜかあんたは生きてしかも空と付き合った?一緒に住む?
冗談じゃない!!!!!!
私はこの組の姐としてみんなから慕われてチヤホヤされて好きなように行きたかったのに!嫁いで来た時にはあんたがいて、心に傷を負ってるかなんか知らないけど、みんなにチヤホヤされて、子供が生まれてからだって!空は私にはほとんど懐かないのにあんたに懐いて!あんたが死にかけてからは空は私と話してくれなくなって、蓮も、私に構ってくれなくなって、、、
全部あんたのせいよ!!!!
あんたなんかいなければ!!私は幸せだったのに!」
何も言えなかった。銃を持つ手が震える。
「ハハッ、千秋~あんた、どんだけ人から恨まれてんの。ウケる。私はお金が欲しくてこの女に近づいたんだけどね~、だってさ、組の構成員になったんだから私から勝手に奪ったってことでしょ?しっかりお金もらわないとね~、はぁ~、ほんと、成長すればするほどあの女に似てるわね。気持ち悪い。」
「ど、どうして、俺を誘拐なんか、したの。」
「だって、あんたがいれば、あの人は私を愛してくれると思ったから!!!!なのにあの人は私を捨てた!!お前が生まれなければ!私は幸せだったのに!!!」
2人から同じことを言われる。
怒鳴られる。
目の前が、暗い。
銃を持つ手を下ろす。
「あんた、消えてよ。今すぐに」
そりゃそうだ。組に乗り込むのに女だろうと武器を持っていないわけがない。
目の前の2人が俺に銃を向ける。
腕が、上がらない。
動けない。
「お、かあ、さん、」
「だから、私はお母さんじゃないんだってば。母親が思うようにお前のこと可愛いとか、愛しいとか思ったことすらない。小さい頃育ててもらったとでも思ってんの?あんたの面倒見たことなんてない。私が家に連れ込んでた奴らが面倒見てただけ。あんたのことなんて生きてとか死んでとかすら考えたことない。」
2人が引き金を引いた。
空。
「あなた!私に向かってそんなもの向けていいと思っているの!?!?」
若姐さんが叫ぶ。
「確かにあなたは若の奥さんです。しかし、こちらで調べがついている。あなたが組のお金を少しずつ中野組に流していたこと。それに、薬物の売買にも関わっていたこと。
この家に残っている証拠になりそうなものを回収しに来たんですよね?そちらの牧野由良は何をしに来たのか知りませんが。」
怖くないって言い聞かせても、牧野由良の方を見ることができない。
「なーんだ。全部バレてるのか。
でも、もう一つ目的があることは知らないでしょう?」
もうひとつの、目的、、、?
「私は確かにこの組のお金を流していたし、薬物の売買も関わった。でも子供たちのことを大切に思っていたのは事実よ。この牧野由良と手を組んだのはあんたが邪魔だったから。翔太は私が怖がるふりしたら簡単にあんたのことを敵と認識してくれた。本当はあの時死ぬと思ったんだけどね、なかなか死ななかった。
だから、いい母親としてあんたに忠告してせっかく自分から死のうとしてくれたっていうのになぜかあんたは生きてしかも空と付き合った?一緒に住む?
冗談じゃない!!!!!!
私はこの組の姐としてみんなから慕われてチヤホヤされて好きなように行きたかったのに!嫁いで来た時にはあんたがいて、心に傷を負ってるかなんか知らないけど、みんなにチヤホヤされて、子供が生まれてからだって!空は私にはほとんど懐かないのにあんたに懐いて!あんたが死にかけてからは空は私と話してくれなくなって、蓮も、私に構ってくれなくなって、、、
全部あんたのせいよ!!!!
あんたなんかいなければ!!私は幸せだったのに!」
何も言えなかった。銃を持つ手が震える。
「ハハッ、千秋~あんた、どんだけ人から恨まれてんの。ウケる。私はお金が欲しくてこの女に近づいたんだけどね~、だってさ、組の構成員になったんだから私から勝手に奪ったってことでしょ?しっかりお金もらわないとね~、はぁ~、ほんと、成長すればするほどあの女に似てるわね。気持ち悪い。」
「ど、どうして、俺を誘拐なんか、したの。」
「だって、あんたがいれば、あの人は私を愛してくれると思ったから!!!!なのにあの人は私を捨てた!!お前が生まれなければ!私は幸せだったのに!!!」
2人から同じことを言われる。
怒鳴られる。
目の前が、暗い。
銃を持つ手を下ろす。
「あんた、消えてよ。今すぐに」
そりゃそうだ。組に乗り込むのに女だろうと武器を持っていないわけがない。
目の前の2人が俺に銃を向ける。
腕が、上がらない。
動けない。
「お、かあ、さん、」
「だから、私はお母さんじゃないんだってば。母親が思うようにお前のこと可愛いとか、愛しいとか思ったことすらない。小さい頃育ててもらったとでも思ってんの?あんたの面倒見たことなんてない。私が家に連れ込んでた奴らが面倒見てただけ。あんたのことなんて生きてとか死んでとかすら考えたことない。」
2人が引き金を引いた。
空。
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