【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第一部】 5章

21

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あれから3日

俺と空は休みを合わせて前に話していた海に行くことにした。

俺は水着なんて持ってなかったから空が買ってくれた。

「わああああ、すごい!!空!!すごいよ!海だ!!」

昼間に海を見るのは初めてで思わず大きい声を出してしまった。

「ちー、落ち着いてよ。もうすぐ着くから!」

「空!海!連れてきてくれてありがとう!!」

「ちー、運転中に可愛いことしないでって前にも言ったでしょ。キスも抱きしめることもできないんだから!」

旅行に行った時と同じように空が運転してくれている車で来ている。

いつも通り、空はかっこいい。

「ほら、ちー着いたよ。着替えに行こ。」

そう言って俺に差し出してくれた手を躊躇なく握る。

「空、楽しみだね。」

「うん。楽しみ。」


わー、、わー、空。反則だ。

「空、かっこいい」

「ほんと?ちーも!似合ってる!!」

水着になった空は綺麗に割れた腹筋も腕の筋肉も全部綺麗で俺じゃなくてもみんな見惚れちゃう。


「ほらちー!行こ!」

あの時は寒い冬の夜だった。
もうなどと空に会えないってそう思って、空と一緒になってるみたいに見えた海でもう終わろうって思ってた。

それが今は、明るい太陽の下で、あの頃とは違う、恋人の空と一緒に海に入ってる。

「空、俺幸せ。」

浮き輪でぷかぷかしている俺に近づいてきてキスをする空。

「僕も幸せ。僕、あの日からずっと海はちーを攫っていくもので、嫌いで嫌いで仕方なかったんだ。でも、今日ちーと来れたから好きになれた。嫌いなものまで好きにさせるなんてちーはすごい」

空だって、俺を何度も幸せな気持ちにさせてくれる。すごいのは空の方だ。




「おいしー!!空!これ美味しい!」

「よかったね、念願のいちご練乳のかき氷。はい、これもあげるブルーハワイ」

「空みたいな色!!これ甘い?食べたことない」

「甘くておいしいよ。一口食べてみな。」

こんな青い色した食べ物見たことも食べたこともなくて恐る恐る口にする。

「ん!!おいし!!空!美味しい!」

「でしょ。僕はこの味好きなんだ~」

ブルーハワイも美味しいし、念願のいちご練乳も美味しかった、


ん?

「空、舌、青くなってるよ。」

空の舌が青い。

「あぁ、かき氷のシロップが色映るんだよ。」


そうなんだ!俺もなってるのかな。

「ほらぁ、ほれもいろふいてる?(空、俺も色ついてる?)」



「んっ!!!・・・っっぁ、んぁ、、んんぅ」


「・・・こんなとこで誘ってんの?」

「そ、そ、そんなわけないじゃん!!こんな人いっぱいいるところでとか!空のバカ、」

絶対見られた。

「いや、今のはちーが悪いよ。」

舌が赤くなってるのか知りたかっただけだもん。


「お、俺トイレ行ってくる!!」


恥ずかしさのあまりそう言ってしまった。
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