【完結】優しくしないで

にゃーつ

文字の大きさ
上 下
60 / 199
【第一部】 5章

6

しおりを挟む
「ちー緊張してる?大丈夫だよ。僕、ちーの側から離れるつもりないしさ」

空の馬鹿!そういう問題じゃない!

「ひ、人がいっぱいいる。」

「大丈夫だから、手繋ぐ?」

「馬鹿!若の息子と手繋いでる側近がどこにいるんだよ。だ、大丈夫だから、いくぞ。」

今日はうちの本宅で顔合わせが開かれてる。

武田組、うちの同盟相手の田畑組、坂岡組、八代組。ここは大所帯で来てるな。
傘下の組たちは組長、若頭、それぞれ側近1人ずつぐらいがきてる。

そして梶田組、組長は最近継いだばかりだという。うちの組長よりかなり年下の梶田湊。物腰は柔らかいが、相当やり手らしい。奥さんはいるが子どもはいない。
梶尾湊は奥さんを溺愛してるらしく、表に出したがらないんだそうだ。
だが今日は組の大切な顔合わせ。さすがに参加するみたいだ。
俺はまだ会ったことがない。若たちも奥さんに会うのは今日が初めてだという。




「空、千秋、久しいな。元気だったか?」

「く、組長!お久しぶりでございます。こちらからご挨拶すべきところを申し訳ありません!」

5回ほどしか会ったことがない組長。
俺のことを気にかけてくださっていて、本当に優しい方だ。

「気にするな。空と一緒に暮らし始めたそうだな。お前がいない間空は抜け殻のようだったからな、私も嬉しいぞ。2人仲良くやりなさい。」

「はい!ありがとうございます!」

「じいちゃんありがとうね。」

「ほれ、梶田組がもう時期来る。わしらのところに挨拶に来るはずだ。部屋で待機しておくぞ。」


そう。俺たち組長と若の側近たちも部屋で待ち、梶田組と挨拶を交わした後、大広間にて組長とあちらの組長が盃を交わすこととなっている。


「ねえ空、組長は俺と空とのこと認めてくれてるってことかな?」

「じいちゃんに僕小さい時からずっと言ってるもん。大きくなったらちーと結婚するって。ちーがほしいって!だからじいちゃんは僕がどんだけちーのことが好きなのかを知ってるんだよ。」

「お前は組長に何を言ってんだよ。顔合わすの恥ずかしいじゃん。」

組長にそんなことまで話しているとは思わなかったから、もう次顔合わせるの恥ずかしいじゃん。


「空、千秋、行くぞ。」


わ!京平さんが呼びに来た!


組長、姐さん、若と前列に座る。
若姐さんは今日は欠席だ。やっぱり実家に戻ったのか?あの後のことは若に気にするなと言われて教えてもらっていない。

若の後ろに嵐さんと空、そしてその後ろに組長の側近、そして俺たち若の側近は壁際に座っている。


「梶田組の方が見えました。」

「通せ。」



「失礼いたします。」


入ってきた人を見て俺は驚いた。

正確にいうと、梶田湊さんの後ろから入ってきた梶田組の姐さんを見て驚いた。


だって、俺とそっくりの顔だったんだから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。 「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」 高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。 そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに… その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。 ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。 かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで… ハッピーエンドです。 R18の場面には※をつけます。

瞳の代償 〜片目を失ったらイケメンたちと同居生活が始まりました〜

Kei
BL
昨年の春から上京して都内の大学に通い一人暮らしを始めた大学2年生の黒崎水樹(男です)。無事試験が終わり夏休みに突入したばかりの頃、水樹は同じ大学に通う親友の斎藤大貴にバンドの地下ライブに誘われる。熱狂的なライブは無事に終了したかに思えたが、…… 「え!?そんな物までファンサで投げるの!?」 この物語は何処にでもいる(いや、アイドル並みの可愛さの)男子大学生が流れに流されいつのまにかイケメンの男性たちと同居生活を送る話です。 流血表現がありますが苦手な人はご遠慮ください。また、男性同士の恋愛シーンも含まれます。こちらも苦手な方は今すぐにホームボタンを押して逃げてください。 もし、もしかしたらR18が入る、可能性がないこともないかもしれません。 誤字脱字の指摘ありがとうございます

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

敵国軍人に惚れられたんだけど、女装がばれたらやばい。

水瀬かずか
BL
ルカは、革命軍を支援していた父親が軍に捕まったせいで、軍から逃亡・潜伏中だった。 どうやって潜伏するかって? 女装である。 そしたら女装が美人過ぎて、イケオジの大佐にめちゃくちゃ口説かれるはめになった。 これってさぁ……、女装がバレたら、ヤバくない……? ムーンライトノベルズさまにて公開中の物の加筆修正版(ただし性行為抜き)です。 表紙にR18表記がされていますが、作品はR15です。 illustration 吉杜玖美さま

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎

亜沙美多郎
BL
本編完結!番外編も無事完結しました♡ 「私立秀麗学園高校ホスト科」とは、通常の必須科目に加え、顔面偏差値やスタイルまでもが受験合格の要因となる。芸能界を目指す(もしくは既に芸能活動をしている)人が多く在籍している男子校。 そんな煌びやかな高校に、中学生まで虐められっ子だった僕が何故か合格! 更にいきなり生徒会に入るわ、両思いになるわ……一体何が起こってるんでしょう……。 これまでとは真逆の生活を送る事に戸惑いながらも、好きな人の為、自分の為に強くなろうと奮闘する毎日。 友達や恋人に守られながらも、無自覚に周りをキュンキュンさせる二階堂椿に周りもどんどん魅力されていき…… 椿の恋と友情の1年間を追ったストーリーです。 .₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇ ※R-18バージョンはムーンライトノベルズさんに投稿しています。アルファポリスは全年齢対象となっております。 ※お気に入り登録、しおり、ありがとうございます!投稿の励みになります。 楽しんで頂けると幸いです(^^) 今後ともどうぞ宜しくお願いします♪ ※誤字脱字、見つけ次第コッソリ直しております。すみません(T ^ T)

十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...