【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第一部】 5章

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「ちーの馬鹿!!」

「馬鹿は空じゃん!!何でわかってくれないのさ!」



空と初めて喧嘩した。


原因は、俺の一言。

「嵐さんと、姐さんにちゃんと挨拶したい。」

だ。

たしかに姐さんとはいろいろあって正直会いたくない。
でも、でも俺、空と一緒に暮らしてるし、それに来週に迫っているの新しい同盟の組との顔合わせでは会わなければならない。

なら、その前にちゃんと会っておきたい。
空との同棲も俺からちゃんと許可をもらいに行ってない。

なのに、

「絶対に会わせない。無理。会わせるわけないでしょ、母さんに何されたか忘れたの?」

「でも!あれからもう何年も経ってるし、空がそ

「会わせないって!!この話終わり!!」

空がそばにいてくれれば大丈夫だと思うからって言おうと思ったとたんそう言われて、俺もムキになった。

「何でわかってくれないんだよ!!俺!前に進みたいんだ!!」

そこから言い合いになり冒頭にいたる。


空は頭冷やしてくるって外に出た。俺は仕事部屋にこもってる。

空の馬鹿。何でわかってくれないんだよ。

涙が込み上げてくる。


夕飯も作ったけどまだ帰ってこない。

俺が布団に入って2時間後、空が入ってきた。

怖くて空の方も負けなくて、空も向こうを向いた。いつもは抱きしめてくれるのに。

でも素直になんかなれなくて、そのまま寝た。枕が濡れてるのは気づかない振りをした。


次の日も、その次の日も同じことが続いていた。
俺の不安感も、心細さも限界でもうどうしていいかわからなくなっていた。

きっと今日も話さずに終わる。そう思って布団に入り目を閉じていると、

「ちー、寝てる?起きてる?」

「・・・起きてる。」


「・・・」

「空?」

空が、言葉も発さずに泣いてる。

「僕もう、限界。ちーと話さないのも、ちーを抱きしめて眠れないのも、つらくて仕方ない。
ちーが僕を必要じゃなくなったらっどうしようって、ちーが僕のこと、嫌いになったらどうしようって、そんなんばっかり考えて、もう、無理だよ。でも母さんたちに会うのは反対なんだ!もしまたちーが、ちーが死にそうになったら、僕は今度こそ生きていけない。」


「空。俺も限界だった。俺もつらかった。
俺絶対嫌いになんかならないし、空しか必要じゃない。空のお母さんに会いたいのはね、空と同棲する時もちゃんと許可とか取ってなかったし、俺、空とず、ずっと一緒にいたいから。何言われても、空とは離れられないから、結婚も子供も望めないけど、それが空の未来を壊すって言われたとしても、それでも、空とのこと、ちゃんと許してもらいたい。」

「父さんだけじゃダメなの。」

「うん。だめ。空の家族に許してもらいたい。」


すごい悩んでる顔してる。

「なんか言われても、飛び出ていかない?海に入っていって、僕のこと置いて死のうなしない?ちゃんと僕には辛かったって言える?」

「俺まだ空としたいこと、行きたいとこあるから、もう死のうとしない。辛かったらちゃんと言うし、空の前で泣いちゃうかもしれないけど、ちゃんと空を頼る。」

「・・・わかった。」

「うん。ありがとう。」


空が若に連絡をしてくれて明日の夜、俺と空は久しぶりに若の屋敷で夕食を取ることになった。


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