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【第一部】 4章
20 空side
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泣き疲れて寝ている僕の愛しい人。
どうしてお母さんは俺を捨てたの?か。
ちーが安心すればと思って小さい頃から何度も何度もちーに生まれてきてくれて嬉しいと伝えた。
でも、その度にちーは自分の経験からの矛盾に1人で立ち向かっていた。
誰にも、僕にも言わずに。その矛盾を抱えて、苦しみながらいつも、ありがとって言ってたのか?
ちーの気持ちを思うと苦しい。
生まれてすぐから30年近く、何度もちーに言われた言葉たち。そんなすぐ解決できるものではない。
でもまずはあの女たち、だな。
友人もどきから空がこの間抱きしめていた男がお前のファンたちに囲まれてるって教えてくれて急いで行けば、僕のちーに聞かせたくないような言葉を浴びせて、蹴っていた。
その女の1人はいつも僕に媚びてくる女。
いつも胸が丸見えな服着てきて臭い香水つけて近づいてくる。
そいつが言った言葉で僕は相当焦った。
生まれてきてごめんなさいって言ってた?
まずい!
「ちー!ちー!」
無反応だ。
ちーから何を言われたか聞くと、
女たちをどかして家に帰ると、僕に隠れて爪を腕に立ててるちー。
しかも、捨てないで。だって?
思わず叫んでしまった。
ちーが自分に自信持てないのもわかってるけど、僕が捨てるかもしれないってそう思ってることを否定したかった。
なんでちーはこんなに苦しまなきゃいけないんだろう。何で僕は、ちーの不安を取り除けないんだろう。
目が腫れてるちーの頭を撫でる。
「ごめんね。ごめんね、ちー、どうしたらちーが苦しくならないのかな。ごめんね。ちー、っっ、っ、ぅ、ごめん、ぅ、」
---プルルッ
「っはぃ、、父さん、」
「空?どうした。泣いてんのか。今日千秋とお前が帰ってきた時の様子がおかしかったと聞いてな。」
「ねぇ父さん、僕は、どうしたらちーを守れるの。っっぅ、、っっ、、ちーは!何でこんな苦しまなきゃならないの。」
「・・・千秋を拾った日、あいつ言ったんだ。使えなかったら殺していいってな。11歳のガキがだ。光なんて、希望なんてないって目して、そう言った。お前と会う前までも命の危険があるほどまで暴行受けてな、笑いも泣きもしない。表情ってものがない、それまでは、笑わなくても少し嬉しそうだとか、苦手そうな顔とかしてたのに、全くなくなった。それがどうだ、お前と会ってから泣くし笑うし、お前のためを思って苦手なはずの知らない奴だらけのところへ行ったんだぞ?
お前は千秋にとって大切だし、千秋のすべてなんだよ。大丈夫だ。お前は十分すぎるくらい千秋の力になってる」
何も言えなかった。涙がずっと流れて、止まらなかった。
いつの間にか電話は切れていて、いつの間にか起きたちーが、僕を抱きしめて、
「空、泣かないで。空がなくと俺も辛い。」
「ぅぅ、、僕も、ちーが泣くと、辛いよ。」
「俺、これからは空のことちゃんと頼る。空に頼りすぎちゃダメだって思ってたけど、ちゃんと頼る。」
「僕も、ちーに頼られる男になる。」
「・・千秋」
「ん?」
「さっきは千秋って言ったでしょ?もっかい、言って?」
「さっきはつい、、えっと、、ち、千秋。」
「うん。空、空、大好き」
「僕も、僕も大好き、ちーのこと大好きだよ」
「あ、またちーになった」
「だって小さい頃からちーだから」
「ちーって呼ぶの空だけだからいいよ。でも時々千秋って呼んで?それも嬉しいから。」
「じゃあ、どっちもいっぱい呼ぶ。」
どうしてお母さんは俺を捨てたの?か。
ちーが安心すればと思って小さい頃から何度も何度もちーに生まれてきてくれて嬉しいと伝えた。
でも、その度にちーは自分の経験からの矛盾に1人で立ち向かっていた。
誰にも、僕にも言わずに。その矛盾を抱えて、苦しみながらいつも、ありがとって言ってたのか?
ちーの気持ちを思うと苦しい。
生まれてすぐから30年近く、何度もちーに言われた言葉たち。そんなすぐ解決できるものではない。
でもまずはあの女たち、だな。
友人もどきから空がこの間抱きしめていた男がお前のファンたちに囲まれてるって教えてくれて急いで行けば、僕のちーに聞かせたくないような言葉を浴びせて、蹴っていた。
その女の1人はいつも僕に媚びてくる女。
いつも胸が丸見えな服着てきて臭い香水つけて近づいてくる。
そいつが言った言葉で僕は相当焦った。
生まれてきてごめんなさいって言ってた?
まずい!
「ちー!ちー!」
無反応だ。
ちーから何を言われたか聞くと、
女たちをどかして家に帰ると、僕に隠れて爪を腕に立ててるちー。
しかも、捨てないで。だって?
思わず叫んでしまった。
ちーが自分に自信持てないのもわかってるけど、僕が捨てるかもしれないってそう思ってることを否定したかった。
なんでちーはこんなに苦しまなきゃいけないんだろう。何で僕は、ちーの不安を取り除けないんだろう。
目が腫れてるちーの頭を撫でる。
「ごめんね。ごめんね、ちー、どうしたらちーが苦しくならないのかな。ごめんね。ちー、っっ、っ、ぅ、ごめん、ぅ、」
---プルルッ
「っはぃ、、父さん、」
「空?どうした。泣いてんのか。今日千秋とお前が帰ってきた時の様子がおかしかったと聞いてな。」
「ねぇ父さん、僕は、どうしたらちーを守れるの。っっぅ、、っっ、、ちーは!何でこんな苦しまなきゃならないの。」
「・・・千秋を拾った日、あいつ言ったんだ。使えなかったら殺していいってな。11歳のガキがだ。光なんて、希望なんてないって目して、そう言った。お前と会う前までも命の危険があるほどまで暴行受けてな、笑いも泣きもしない。表情ってものがない、それまでは、笑わなくても少し嬉しそうだとか、苦手そうな顔とかしてたのに、全くなくなった。それがどうだ、お前と会ってから泣くし笑うし、お前のためを思って苦手なはずの知らない奴だらけのところへ行ったんだぞ?
お前は千秋にとって大切だし、千秋のすべてなんだよ。大丈夫だ。お前は十分すぎるくらい千秋の力になってる」
何も言えなかった。涙がずっと流れて、止まらなかった。
いつの間にか電話は切れていて、いつの間にか起きたちーが、僕を抱きしめて、
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「ぅぅ、、僕も、ちーが泣くと、辛いよ。」
「俺、これからは空のことちゃんと頼る。空に頼りすぎちゃダメだって思ってたけど、ちゃんと頼る。」
「僕も、ちーに頼られる男になる。」
「・・千秋」
「ん?」
「さっきは千秋って言ったでしょ?もっかい、言って?」
「さっきはつい、、えっと、、ち、千秋。」
「うん。空、空、大好き」
「僕も、僕も大好き、ちーのこと大好きだよ」
「あ、またちーになった」
「だって小さい頃からちーだから」
「ちーって呼ぶの空だけだからいいよ。でも時々千秋って呼んで?それも嬉しいから。」
「じゃあ、どっちもいっぱい呼ぶ。」
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