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【第一部】 4章
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だめだ。空に頼っちゃダメだ。
「ごめん、空、大丈夫だから、大丈夫、だから。」
そう言って、部屋に入っていく俺。
心配そうについてくる空。
「ちー、手擦りむいてるから、それだけ手当てしよ?」
「いい。大丈夫だから、ちょっとだけ寝る。ごめん。」
心配してくれる空を無視して布団に入る。
苦しい。苦しいの止まらない。
カッター、、、だめ。空と約束した。
気づいたら俺は、爪を腕に立てて、思いっきり引っ掻いていた。
何度も何度も。
「ちー、やっぱ消毒だ、け、!!!何やってんの!!!」
空?怒ってる?
「ごめんなさい、怒らないで、ごめんなさい。俺頑張るか、ら、俺、空に迷惑、っかけない、ようにっ、するっから、っっ、ぅ、、ごめんなさい、、っ、はぁはぁはぁ、、ごめんなさい、だから、がんばる、から、捨てないで。」
捨てないでなんて言ったって捨てられる。でも、縋らずにはいられなかった。
「千秋!!こっち見ろ!!あの女たちに何言われたか僕まだ聞いてないからわからない!千秋にとって嫌なこと言われたんでしょ?それで自分に自信なくなっちゃったのはいいよ!千秋の性格だし、その分俺が愛してあげる!でもね!僕のことは疑うな!!」
--ギュッ
「僕が千秋のこと捨てるわけないでしょ。千秋も僕のこと捨てないでしょ?」
「ぁ、、空。、、、そらぁ。」
「ん。泣けたね。僕の前でなら、どんだけ泣いたっていいから。いつまでもこうしてるから。」
「っ、そ、らのっことっ、信じなくて、っ、ごめんな、さいっっ」
「うん。千秋がどんなに極悪人になろうとも、もし千秋が僕のこと嫌いになっても、僕絶対千秋から離れないから。」
「俺、空のこと嫌いになんてならない。」
「うん。僕も、ちーも、お互い嫌いになんてならないし、なれないでしょ?」
「うん。空、もっとギュッてして。」
「いつまででもするよ。あとでちゃんと、あいつらに何言われたか教えてね。」
「・・・うん。」
「どうしたの?もう話す?落ち着いてからでもいいんだよ?」
「・・・・ねぇ空?空は俺が生まれてきて嬉しいって言ってたでしょ?」
「当たり前でしょ。」
「でもね、お母さんは、俺のこと生まれてこなきゃよかったって言った。翔太さんも、俺なんかこの世にいらないって言った。さっきの人も、俺なんかいらないって言った。俺が生まれてきてよかったなら、どうしてお母さんは俺を捨てたの?空のお母さんもみんなのお母さんも、子どものこと、大切にしてるのに。お母さんは子どもを大切にするのに俺のお母さんがしなかったのは俺が生まれて来ちゃだめだったからじゃないの?」
「・・ちー、これまでずっと、そんな思いを抱えて生きてきたの?僕がいうたびに、その矛盾に苦しんでたの?そんな、苦しいこと考えてたの?」
「っっ、そらに、生まれてきてくれて、ありがとって、っ、ぅ、言われたっのは、嬉しかったの。っ、でも、だったら、なんで、なんでだろうって、おもってっっぅ、ぅぁ、っ」
空がずっと抱きしめて背中をだトントンしてくれている。
「ちー、気づいてあげられなくてごめん。僕ちーのこと誰より知ってると思って、ちーのことちゃんと見てあげられてなかった。今の僕に、その疑問をね、ちーが納得するように解決することできないみたい。ごめんね。でも、僕は、僕はずっとちーのことが大切だし、ちーが生まれてきたことを何より嬉しいって思うよ。だから、一緒に考えよ。苦しい時も一緒だよ。」
「ん。っっっぅぅっぅぁ、、ぅぅぅ。」
「ごめん、ごめんね、ちー。っっっぅっ、」
空も泣いてる。俺のことで空がないてくれてる。
うん。今はこれでいいや。
「ごめん、空、大丈夫だから、大丈夫、だから。」
そう言って、部屋に入っていく俺。
心配そうについてくる空。
「ちー、手擦りむいてるから、それだけ手当てしよ?」
「いい。大丈夫だから、ちょっとだけ寝る。ごめん。」
心配してくれる空を無視して布団に入る。
苦しい。苦しいの止まらない。
カッター、、、だめ。空と約束した。
気づいたら俺は、爪を腕に立てて、思いっきり引っ掻いていた。
何度も何度も。
「ちー、やっぱ消毒だ、け、!!!何やってんの!!!」
空?怒ってる?
「ごめんなさい、怒らないで、ごめんなさい。俺頑張るか、ら、俺、空に迷惑、っかけない、ようにっ、するっから、っっ、ぅ、、ごめんなさい、、っ、はぁはぁはぁ、、ごめんなさい、だから、がんばる、から、捨てないで。」
捨てないでなんて言ったって捨てられる。でも、縋らずにはいられなかった。
「千秋!!こっち見ろ!!あの女たちに何言われたか僕まだ聞いてないからわからない!千秋にとって嫌なこと言われたんでしょ?それで自分に自信なくなっちゃったのはいいよ!千秋の性格だし、その分俺が愛してあげる!でもね!僕のことは疑うな!!」
--ギュッ
「僕が千秋のこと捨てるわけないでしょ。千秋も僕のこと捨てないでしょ?」
「ぁ、、空。、、、そらぁ。」
「ん。泣けたね。僕の前でなら、どんだけ泣いたっていいから。いつまでもこうしてるから。」
「っ、そ、らのっことっ、信じなくて、っ、ごめんな、さいっっ」
「うん。千秋がどんなに極悪人になろうとも、もし千秋が僕のこと嫌いになっても、僕絶対千秋から離れないから。」
「俺、空のこと嫌いになんてならない。」
「うん。僕も、ちーも、お互い嫌いになんてならないし、なれないでしょ?」
「うん。空、もっとギュッてして。」
「いつまででもするよ。あとでちゃんと、あいつらに何言われたか教えてね。」
「・・・うん。」
「どうしたの?もう話す?落ち着いてからでもいいんだよ?」
「・・・・ねぇ空?空は俺が生まれてきて嬉しいって言ってたでしょ?」
「当たり前でしょ。」
「でもね、お母さんは、俺のこと生まれてこなきゃよかったって言った。翔太さんも、俺なんかこの世にいらないって言った。さっきの人も、俺なんかいらないって言った。俺が生まれてきてよかったなら、どうしてお母さんは俺を捨てたの?空のお母さんもみんなのお母さんも、子どものこと、大切にしてるのに。お母さんは子どもを大切にするのに俺のお母さんがしなかったのは俺が生まれて来ちゃだめだったからじゃないの?」
「・・ちー、これまでずっと、そんな思いを抱えて生きてきたの?僕がいうたびに、その矛盾に苦しんでたの?そんな、苦しいこと考えてたの?」
「っっ、そらに、生まれてきてくれて、ありがとって、っ、ぅ、言われたっのは、嬉しかったの。っ、でも、だったら、なんで、なんでだろうって、おもってっっぅ、ぅぁ、っ」
空がずっと抱きしめて背中をだトントンしてくれている。
「ちー、気づいてあげられなくてごめん。僕ちーのこと誰より知ってると思って、ちーのことちゃんと見てあげられてなかった。今の僕に、その疑問をね、ちーが納得するように解決することできないみたい。ごめんね。でも、僕は、僕はずっとちーのことが大切だし、ちーが生まれてきたことを何より嬉しいって思うよ。だから、一緒に考えよ。苦しい時も一緒だよ。」
「ん。っっっぅぅっぅぁ、、ぅぅぅ。」
「ごめん、ごめんね、ちー。っっっぅっ、」
空も泣いてる。俺のことで空がないてくれてる。
うん。今はこれでいいや。
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