【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第一部】 4章

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「ちー、忘れ物ない?」

「うん。」

旅行、終わっちゃう。

「ん?どうした?元気ないよ?」

---ギュッ

「帰りたく、ない。空とずっとずっと2人でいれればいいのに。」

空が抱きしめ返してくれる。

「僕もそう思うよ。でも、時々こうして違う場所で2人きりになるのもいいけど、僕はちーと2人であの部屋で過ごすのも大好きだよ。おかえり、ただいまとか、いってきます、いってらっしゃいって言える毎日が、大好きなんだ。」

「うん、俺も好き。空、また旅行しようね。」

「次は飛行機とか乗ってみる?ちー乗ったことないでしょ?」

「うん、ない。空とならどこでもいいよ」

「僕もだよ。ほら!荷物持って、僕たちの家に帰ろう?あ、ちー!これ、あげる!」

シャチのぬいぐるみ。

「え!いつのまに!いいの?ありがとう!!嬉しい!!」

知らぬ間に買っていたみたいだ。

かわいい!!

この年でぬいぐるみで喜ぶの少し恥ずかしいけど、でも嬉しいものは嬉しい!


帰りの車の空ももちろんカッコよくて、シャチのぬいぐるみを抱きしめる俺に嫉妬して、かわいいし、旅行楽しかったしですっかり浮かれてた。
だから気づかなかった。蒼真さんにからかわれるまで。


「お前ら!!キスマークつけすぎだろ!!ヤってきましたって言ってるようなもんじゃん!!童貞と処女卒業おめでとうじゃん!!」

殺意芽生えるくらいからかわれた。

若にも、親の前では少しは隠せよなって言われたし、涼也さんにも、千秋、腰とか痛くないですか?って余計恥ずかしくなるようなこと言われるし、京平さんにいたっては、夜、部屋に来たと思ったら、赤飯持ってきたんだ!!

もう恥ずかしすぎて明日からの仕事まともにできない。

それにみんなは知らない。

「ちー、見て見て、俺の体蕁麻疹出てるぐらいキスマークある~!幸せ~」

俺の体にも空の体にも、首の比じゃない量のキスマークが散らばっている。

だって空は俺のだからね。

年上の余裕とか、そういうのは諦めた。
俺は空に甘えたいし。13年もの片思いが実ったんだから、もう好きなだけ甘えるんだ、俺は。

旅行から帰ってきてもう日も経つのに、全然消えないキスマーク、あの日から増えた分もあるから、ずっと蕁麻疹。幸せ。


「ちー明日休みでしょ?僕大学行くけど、14:30に授業終わるから夕飯一緒につくろ?」

空大学か、、空の大学生してるとこ、見てみたいな。

「うん。夕飯の買い物一緒に行ってくれる?」

「もちろん!」

「大学ってどんな感じ?なんか中学とか高校は漫画で出てきたから想像つくけど、大学は分かんない。広い?」

「そうだね~僕の通ってるとこはすっごい広いよ。って言っても僕のいる学部は正門の真正面にある建物だからそこ以外はほとんど行ったことないよ。お昼もちーが作ってくれたお弁当あるから学食もいかないし。」

「学食行ってみたかったらときどきは作らないでもいいんだぞ?」

「何言ってんの!僕の大学での生活で1番の楽しみなんだからだめだよ!毎日作って?ね?お願い」

「そ、空がそういうなら、俺は嬉しいけど、」

「どこのご飯よりちーのご飯が1番だからね?」

「ぅぅ、、ありが、とう。」

明日のお弁当は空の好きなものばっかにしよ。

チーズの卵焼きと、ハンバーグと、空はご飯詰めるよりおにぎりにした方が喜ぶからおにぎりも作ろう。
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