【完結】優しくしないで

にゃーつ

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【第一部】 4章

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空が怒鳴って出て行っちゃった。


空に嫌われたんだ。


これを望んでたんだ。空が離れることを俺は望んでいたじゃないか。

なのに、なのに、胸が痛い。

苦しい。

これを味わいたくなくて、逃げるように空から離れたのに、空、空から、嫌われた。


空、ほんとは好き。

彼女なんてできててほしくない。
聞いたとき声震えた。

空、空、空、布団の中に隠してた空からのプレゼントを抱きしめる。



だめだ、おさまらない。

苦しい。苦しい。苦しい。


辛い辛い辛い。


はぁはぁはぁはぁ



あ、ちょっとだけ、オチツイタ。





「ちょっとちー!!何やってんの!!」


あれ、空がいる。幻?


「なんでこんな深く!!ちーしっかりして!!」

空の声聞きながら、目が閉じていく。




気づいたら明先生がいた。


「今回のは深くやっちまったみてえだな。」


「先生お久しぶりです。」

「はぁ、8年前には治ってたのにまたしちまってたか。空とちゃんと話せよ。お前の安定剤だろ。」

そう言って明先生は帰って行った。

空に見られちゃった。


また嫌われた。
嫌われてるのにもっと嫌われた。

また苦しい。

辛い。


ベッドから手を伸ばす。もう一回だけ


---パシッ


「だめ。昔約束したでしょ。」

空に止められた。


「ちー、もう一回約束しよ。苦しくなったらギュッてしよ。ね?もう切らないで。今回は今までで1番深くて、血がたくさん出たんだよ?」



しちゃいけないことなのは知ってる。

でも空に嫌われたから、ギュってしてって言えない。


「なんでまた切っちゃったの?」


黙り続ける俺に馬乗りになった空。


「ちー、言わないとちーの考えてることわかんない。言わないと僕にできること何あるかわかんない。」

「っっっ、、空に嫌われたから、、」

「なんで僕に嫌われたら切っちゃうの?僕から離れたってことは、僕のことなんてどうでもよかったんじゃないの?」

「違う!!そんなことない、そんな、わけない。」

「知ってる。ちーはどうして僕の気持ちに気づいてるのに、その気持ちを否定しようとするの?

気失う前、そら、そらって呼んで、僕が昔あげたプレゼント抱きしめてたでしょ?


教えてよ。ちーの気持ち。」


だめだ。空の未来を壊したくない。


「ちなみに、僕はちーのこと世界中の誰よりも大好き。もちろん恋愛の意味で。」



!?!?空、、、。

俺だって好きだよ。俺だって。


「俺は、、そういう意味で空のこと、みたこと、は、な、いよ。かわいい弟みたいなもん、だ。」


傷ついた顔をした空。ごめん空、でも、こうしなきゃいけないんだよ。



「わかった。でも僕は諦めないから。」


諦め、ない。



「僕のこと、好きじゃなくていいから約束して、もう切らないで。ちーが死ぬかもしれないの、もう嫌なんだ。」

そう言って、部屋から出て行った空。


ごめんな空、でも、君は別の人と幸せになるべきだ



「っっっ、、ぅぅ、、、空、、ごめんね、好きだよ、、」


今日だけは空を想って泣かせてください。

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