35 / 199
【第一部】 4章
3 空side
しおりを挟む
「喧嘩とかじゃ、、ない。」
「まあどうせならねえんだろ。付き合えよ」
そう言って酒を持ってリビングに向かう父さん。
俺にはコーヒーを入れてくれた。
「んで?何が原因で喧嘩したんだよ」
「だから喧嘩じゃない。一方的に怒って出てきただけ。」
「千秋大好きのお前が怒るなんて珍しいこともあんだな。」
そう。僕はちーのこと大好きだ。
でも、今回のは、どうしても、つらくて
「ちーに、彼女できたかって聞かれて、カーッとなって飛び出してきちゃった。」
「ハハッ、ガキかおめえは。」
「だって、ちーは僕の気持ち知ってて僕から離れたのにちーのこと思わない日はなかったのに。僕の8年を否定されたみたいだったんだ。」
告白もしてないのに、振られた、みたいな。
「離れてた間に、ちーは彼女とかできちゃったから聞いたのかな。でも、女の人ダメだったはずだし、でも、、
---ガシッ
「落ち着け」
頭鷲掴みにし、目を合わせてくる父さん。
「千秋は、お前の気持ち知っててでてったんじゃない。お前の気持ちに気づいたからでてったんだ。」
「どういうこと?」
「それ以上は俺から教えられねえよ。」
意味わかんない。俺の気持ちに気づいたならなんで。
「だいたいなあ、好きなら振り向かせるくらいの気持ちでいかねえのかおめえは。女々しい男に育っちまって、そんなもんか?おめえの7年半は」
「ううん。諦めるつもりなんてない。監禁してでもちーのこと手に入れる。」
「お前、犯罪は犯すなよ?極道の俺が言えたことじゃねえが、ったく、この依存体質誰の遺伝子だ。」
千秋が僕を拒否しなければいいだけの話だよ。
拒否しなければね。
つい怒鳴っちゃったけど、どうしよう、ちーのとこ戻るか迷う。
なんかかっこ悪いじゃん
「千秋のとこ戻んねえのか?あいつ、8年経ったけど心はそんなに変わってねえぞ?心の外側ばっかり強くしようとして、内側は弱いままだ。」
弱いまま、、
なら、僕から嫌われたって思ったかもしれない。
「僕あっち戻る!!」
「あぁ。好きにしろよ。
そういやお前、千秋のことずっと好きだったんならその年で童貞か?」
馬鹿にしたように言ってくる父さん。
子どものそんなん普通知りたくないんじゃないの?
「童貞だよ。なんなら精通も、夜のおかずも千秋だよ。じゃあね、おやすみ」
リビングからする笑い声を後ろから聞いて僕は千秋の部屋へ向かった。
「まあどうせならねえんだろ。付き合えよ」
そう言って酒を持ってリビングに向かう父さん。
俺にはコーヒーを入れてくれた。
「んで?何が原因で喧嘩したんだよ」
「だから喧嘩じゃない。一方的に怒って出てきただけ。」
「千秋大好きのお前が怒るなんて珍しいこともあんだな。」
そう。僕はちーのこと大好きだ。
でも、今回のは、どうしても、つらくて
「ちーに、彼女できたかって聞かれて、カーッとなって飛び出してきちゃった。」
「ハハッ、ガキかおめえは。」
「だって、ちーは僕の気持ち知ってて僕から離れたのにちーのこと思わない日はなかったのに。僕の8年を否定されたみたいだったんだ。」
告白もしてないのに、振られた、みたいな。
「離れてた間に、ちーは彼女とかできちゃったから聞いたのかな。でも、女の人ダメだったはずだし、でも、、
---ガシッ
「落ち着け」
頭鷲掴みにし、目を合わせてくる父さん。
「千秋は、お前の気持ち知っててでてったんじゃない。お前の気持ちに気づいたからでてったんだ。」
「どういうこと?」
「それ以上は俺から教えられねえよ。」
意味わかんない。俺の気持ちに気づいたならなんで。
「だいたいなあ、好きなら振り向かせるくらいの気持ちでいかねえのかおめえは。女々しい男に育っちまって、そんなもんか?おめえの7年半は」
「ううん。諦めるつもりなんてない。監禁してでもちーのこと手に入れる。」
「お前、犯罪は犯すなよ?極道の俺が言えたことじゃねえが、ったく、この依存体質誰の遺伝子だ。」
千秋が僕を拒否しなければいいだけの話だよ。
拒否しなければね。
つい怒鳴っちゃったけど、どうしよう、ちーのとこ戻るか迷う。
なんかかっこ悪いじゃん
「千秋のとこ戻んねえのか?あいつ、8年経ったけど心はそんなに変わってねえぞ?心の外側ばっかり強くしようとして、内側は弱いままだ。」
弱いまま、、
なら、僕から嫌われたって思ったかもしれない。
「僕あっち戻る!!」
「あぁ。好きにしろよ。
そういやお前、千秋のことずっと好きだったんならその年で童貞か?」
馬鹿にしたように言ってくる父さん。
子どものそんなん普通知りたくないんじゃないの?
「童貞だよ。なんなら精通も、夜のおかずも千秋だよ。じゃあね、おやすみ」
リビングからする笑い声を後ろから聞いて僕は千秋の部屋へ向かった。
124
お気に入りに追加
1,639
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています

イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる