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【第一部】 3章
8 涼也side
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あの日から空は人が変わってしまった。
あの日、千秋がこの土地を離れた日
毎日学校から帰ると千秋の部屋に行っていた空。
その日も真っ直ぐ千秋の部屋に行ったんだろう、そう、何も無くなった千秋の部屋に。
--バタバタッ
「父さん!ちーは!!どこいったの!!いないんだけど!!荷物もないんだ!!」
「千秋はこの屋敷を出た。もうここにはいねえ。」
怒ると思ってた。若に怒鳴るか、探しに行くって言うと思ってた。
でも実際は、
涙を流して、絶望したような顔をした空がそこにいた。
その日から空は俺たちとも嵐ともほとんど会話もしない。必要最低限は部屋から出て来なくなった。
夜中部屋を覗くと、千秋からもらったんだろうプレゼントや千秋から借りてた服を抱きしめて、泣きながら寝ている空がいた。
学校には行っているし、食事もとる。
でも、以前のように明るい空はもうどこにもいなかった。
今でも学校終わりには千秋の部屋に行き、1~2時間ほどしたら帰ってくるという日々を過ごしていた。
そんな日々を過ごしたある日、空が夕飯の時間になっても帰って来ず、千秋の部屋に行ってみると、電気もつけず鍵がかかっていた。
若に鍵を開けてもらい中に入ると
唯一そのままになっていた千秋の使っていたベッドの上で泣き続けている空がいた。
「ねえ父さん、ちーはなんで僕に何も言わずに出て行ったの。いつか帰ってくるかもしれない。そう思ってどうにか生きてるけど、今日で丸5年だ。もう5年も待った。なのに千秋は戻ってきてくれない。僕もう、疲れたよ。待つのに疲れた。僕が死んだら、それを知ったら千秋はまた僕のこと想ってくれる?また僕を思い出してくれる?もう、本当に、疲れたんだよ。何もかもがどうでもいい。」
なんでこんなに思いあってるのに、この2人は、、
千秋の気持ちも空の気持ちも知ってるこちらとしては本当に見ていて歯痒い。
--バキッ
「え!若!?!?」
若が空を殴った。
「おい空、おめえ、何腑抜けたこと言ってやがる。
お前もう16だろうが!千秋が16の頃は役に立ちたくていくつも資格の勉強して、毎日努力してたんだぞ!!!同じ歳のお前はなんだ!うじうじしやがって、それでも俺の息子か!!千秋のことがそんなに好きなら、ウジウジせずに何十年でも待つくらいの気持ち持てねえのか!!
千秋は俺が拾ってきた、俺の息子みてえなもんだ。
そんなウジウジしてるんならもし千秋が戻ってきたとしても千秋には会わせねえし千秋と一緒にもいさせねえからな!!」
「っっっ、、、」
「ほらよ。」
「なにこれ、、、、」
「千秋があの日お前に残した手紙だ。渡すか迷ってるって言ってたからな、今渡す。」
あの日書かれた手紙を若はまだ渡してなかったのか。
だが、その手紙を読んだ空の目は光を取り戻していた。
その日から俺たちや若、嵐にまで何も言わずに部屋にこもって何かをしてるようだった。
あの明るい空はまだ戻ってきてないが、魂が抜けたような空とは違い、何かを決心したような空だった。
「あいつ、手紙読み終わった後、そっちがその気なら覚悟しろよって小声で言ってたんだよ」
「空がですか?」
「あぁ、千秋のやつ、離れれば空の気持ちがなくなるなんて甘い考えだったな。逆効果だ。」
「執着が増してしまってますね。千秋にこのことは伝えるんですか?」
「伝えねえよ。帰ってきたとき驚くぞあいつ。
あーあ、なんか息子同士が恋愛関係になってる気分だ。」
「まあ、千秋も息子みたいなもんですからね。私は2人が幸せならそれでいいかなと思いますよ。」
その後、空はなんと司法試験予備試験に17歳で合格し、18歳で司法試験に合格した。
ちーがほんとは弁護士資格欲しかったって言ってたから取った。と。
そんな簡単に取れるものじゃないんですがね。
そして今日、嵐と空は高校を卒業する。
あの日、千秋がこの土地を離れた日
毎日学校から帰ると千秋の部屋に行っていた空。
その日も真っ直ぐ千秋の部屋に行ったんだろう、そう、何も無くなった千秋の部屋に。
--バタバタッ
「父さん!ちーは!!どこいったの!!いないんだけど!!荷物もないんだ!!」
「千秋はこの屋敷を出た。もうここにはいねえ。」
怒ると思ってた。若に怒鳴るか、探しに行くって言うと思ってた。
でも実際は、
涙を流して、絶望したような顔をした空がそこにいた。
その日から空は俺たちとも嵐ともほとんど会話もしない。必要最低限は部屋から出て来なくなった。
夜中部屋を覗くと、千秋からもらったんだろうプレゼントや千秋から借りてた服を抱きしめて、泣きながら寝ている空がいた。
学校には行っているし、食事もとる。
でも、以前のように明るい空はもうどこにもいなかった。
今でも学校終わりには千秋の部屋に行き、1~2時間ほどしたら帰ってくるという日々を過ごしていた。
そんな日々を過ごしたある日、空が夕飯の時間になっても帰って来ず、千秋の部屋に行ってみると、電気もつけず鍵がかかっていた。
若に鍵を開けてもらい中に入ると
唯一そのままになっていた千秋の使っていたベッドの上で泣き続けている空がいた。
「ねえ父さん、ちーはなんで僕に何も言わずに出て行ったの。いつか帰ってくるかもしれない。そう思ってどうにか生きてるけど、今日で丸5年だ。もう5年も待った。なのに千秋は戻ってきてくれない。僕もう、疲れたよ。待つのに疲れた。僕が死んだら、それを知ったら千秋はまた僕のこと想ってくれる?また僕を思い出してくれる?もう、本当に、疲れたんだよ。何もかもがどうでもいい。」
なんでこんなに思いあってるのに、この2人は、、
千秋の気持ちも空の気持ちも知ってるこちらとしては本当に見ていて歯痒い。
--バキッ
「え!若!?!?」
若が空を殴った。
「おい空、おめえ、何腑抜けたこと言ってやがる。
お前もう16だろうが!千秋が16の頃は役に立ちたくていくつも資格の勉強して、毎日努力してたんだぞ!!!同じ歳のお前はなんだ!うじうじしやがって、それでも俺の息子か!!千秋のことがそんなに好きなら、ウジウジせずに何十年でも待つくらいの気持ち持てねえのか!!
千秋は俺が拾ってきた、俺の息子みてえなもんだ。
そんなウジウジしてるんならもし千秋が戻ってきたとしても千秋には会わせねえし千秋と一緒にもいさせねえからな!!」
「っっっ、、、」
「ほらよ。」
「なにこれ、、、、」
「千秋があの日お前に残した手紙だ。渡すか迷ってるって言ってたからな、今渡す。」
あの日書かれた手紙を若はまだ渡してなかったのか。
だが、その手紙を読んだ空の目は光を取り戻していた。
その日から俺たちや若、嵐にまで何も言わずに部屋にこもって何かをしてるようだった。
あの明るい空はまだ戻ってきてないが、魂が抜けたような空とは違い、何かを決心したような空だった。
「あいつ、手紙読み終わった後、そっちがその気なら覚悟しろよって小声で言ってたんだよ」
「空がですか?」
「あぁ、千秋のやつ、離れれば空の気持ちがなくなるなんて甘い考えだったな。逆効果だ。」
「執着が増してしまってますね。千秋にこのことは伝えるんですか?」
「伝えねえよ。帰ってきたとき驚くぞあいつ。
あーあ、なんか息子同士が恋愛関係になってる気分だ。」
「まあ、千秋も息子みたいなもんですからね。私は2人が幸せならそれでいいかなと思いますよ。」
その後、空はなんと司法試験予備試験に17歳で合格し、18歳で司法試験に合格した。
ちーがほんとは弁護士資格欲しかったって言ってたから取った。と。
そんな簡単に取れるものじゃないんですがね。
そして今日、嵐と空は高校を卒業する。
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