【完結】優しくしないで

【第一部】 2章

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今日は金曜日。

空が泊まりに来る。
空、何作ったら喜ぶかな、ハンバーグ？オムライス？カレー？

今日はオムライスにしよ！！


「ちー！ただいま！！」

「空！おかえり！」

俺何にも望まないよ。空がある日常以外何にも望まない。

「今日はオムライスにした！空の好きなチーズも入れた！！」

「やった！！ありがと！ちー！」





「ねえ、ちー？渡したいものあるからここ座って？」

「渡したいもの？」

なんだ？そんな恥ずかしそうにして

「あのね、ちーの誕生日にほんとはあげたかったんだ。遅れたけど、誕生日おめでとう！」

そう言って渡されたのはマフラーだった。紺色に雲の小さなマークが入ったもの。

「渡すの遅くなって、冬終わっちゃうけどさ、紺色に雲って空っぽいでしょ？だから、つけてる間僕を思い出してよ。」

「うん。ありがとう。ありがとう。嬉しい。嬉しいよ。」

「ちー、嬉し涙なら流してもいいよ。」

「うん。っっっっ、、ぅ、、ぅ、、」


「何回でも言うよ。生まれてきてくれてありがとう。僕と出会ってくれてありがとう。」


「うん。ぅぅ、、、っっっ、ぅ、、」


俺が泣き止むまでずっと空は抱きしめててくれた。

こんな小さい体で空はいつだって俺を救ってくれる。


「ずっとずっと大事、っに、するからっ」

「うん。ちー大好き！！」

誰よりも大切な人。
神様なんていないって思ってたけど、もしいるなら、そらと出会わせてくれてありがとう。