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【第一部】 2章
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あれからリハビリの毎日を乗り越えて、今日から新しい離れに住む。
うわー、予想以上に汚い。
「ちー!!お手伝いしにきた!!」
「空!!いいの?ここに来て」
敷地内といってもここは若の屋敷からかなりの距離がある。
「いーの!!!掃除しよ!!」
家具と家電は若が買ってくれて今日の夕方に届く。
それまでに掃除終わらせなきゃ。
空と2人でする掃除は楽しかった。
ゴキブリが出てきて俺がギャーギャー言ってたら空が退治してくれたり、2人して埃まみれになったり、でもどうにか家具が届くまでに部屋の掃除を終わらせることができた。
家具の搬入も終わって一息ついていると京平さんが食材を持ってやってきた。
「京平さん?どうしたの?」
「飯の作り方教えてやる。」
「俺ちょっとはできるよ?昔やってたし!でも、京平さんのレシピ教えてほしい!」
「僕、ちーのご飯食べるの楽しみ!!」
「え、空は離れに帰りなよ!みんなとご飯食べな!!」
そう言うとムッとした顔になった空。
「なんで。僕には食べさせたくないの?僕これまでと変わらず次の日がおやすみの日はちーのとこ泊まるからね。」
「え!?いやでも、ここ若の屋敷から遠いし」
「もう嫌だもん。ちーが死んじゃうかもしれなくなるのいやだもん。」
空、、、
「ごめん空、もう死のうとしないから。しんどくなったらまたギュッてしてくれる?」
「うん!!いつでも言って!!僕がちーのこと守るから!!」
こんな小さい子に助けられてる俺って。
「ちー。僕、こないだちーを守れなかったの本当にくやしかったの。だから、こんどこそ守らせてね?」
「うん。ありがとう。俺も空のこと守るからね。」
「俺帰ったほうがいいか?邪魔か?」
あ、京平さんのこと忘れてた。
そのあとなんとか料理を習い終わって、明日は幼稚園だから空は京平さんに連れられて屋敷に戻って行った。
新しい場所。ここには俺しかいない。
なのになんでか、安心できない。
空のタオルはあの日海でなくしてしまった。
この家は今日が初めて。だから空の匂いがどこにもない。
早く週末にならないかな。
恋する乙女かよ。俺。しっかりしろ。
でも、
空の声が聞きたい。
空に会いたいな。
そう思って眠りについた。
うわー、予想以上に汚い。
「ちー!!お手伝いしにきた!!」
「空!!いいの?ここに来て」
敷地内といってもここは若の屋敷からかなりの距離がある。
「いーの!!!掃除しよ!!」
家具と家電は若が買ってくれて今日の夕方に届く。
それまでに掃除終わらせなきゃ。
空と2人でする掃除は楽しかった。
ゴキブリが出てきて俺がギャーギャー言ってたら空が退治してくれたり、2人して埃まみれになったり、でもどうにか家具が届くまでに部屋の掃除を終わらせることができた。
家具の搬入も終わって一息ついていると京平さんが食材を持ってやってきた。
「京平さん?どうしたの?」
「飯の作り方教えてやる。」
「俺ちょっとはできるよ?昔やってたし!でも、京平さんのレシピ教えてほしい!」
「僕、ちーのご飯食べるの楽しみ!!」
「え、空は離れに帰りなよ!みんなとご飯食べな!!」
そう言うとムッとした顔になった空。
「なんで。僕には食べさせたくないの?僕これまでと変わらず次の日がおやすみの日はちーのとこ泊まるからね。」
「え!?いやでも、ここ若の屋敷から遠いし」
「もう嫌だもん。ちーが死んじゃうかもしれなくなるのいやだもん。」
空、、、
「ごめん空、もう死のうとしないから。しんどくなったらまたギュッてしてくれる?」
「うん!!いつでも言って!!僕がちーのこと守るから!!」
こんな小さい子に助けられてる俺って。
「ちー。僕、こないだちーを守れなかったの本当にくやしかったの。だから、こんどこそ守らせてね?」
「うん。ありがとう。俺も空のこと守るからね。」
「俺帰ったほうがいいか?邪魔か?」
あ、京平さんのこと忘れてた。
そのあとなんとか料理を習い終わって、明日は幼稚園だから空は京平さんに連れられて屋敷に戻って行った。
新しい場所。ここには俺しかいない。
なのになんでか、安心できない。
空のタオルはあの日海でなくしてしまった。
この家は今日が初めて。だから空の匂いがどこにもない。
早く週末にならないかな。
恋する乙女かよ。俺。しっかりしろ。
でも、
空の声が聞きたい。
空に会いたいな。
そう思って眠りについた。
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