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【第一部】序章
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しおりを挟む行くあてもなくただただ歩いて、少しでも暖かいところへ行きたかった。
路地裏の自動販売機の横
自動販売機にくっついていると暖かい。
何日くらいしたら死ねるかな。
「おい。」
目の前に真っ黒な男の人が立っていた。
「お前こんなとこいたら死ぬぞ。」
「いいんだよ。死んでも。だけど最後くらい暖かいところで過ごしたいからここに来たんだ。」
「行くあてないなら俺のとこ来るか?極道だけどな」
「極道?」
「あぁ、どうする?」
「そこでなら生きててもいいの?」
「っ、、あぁ、生きてていいぞ。ていうか生きろ。飯も食べさせてやるし、暖かい布団もやる。風呂もだ。悪くねえだろ?」
「うん。行く。」
世間知らずな俺は何も考えずにご飯につられてあやしい男について行くことにした。
車に乗せてくれて移動中にいろんな話を聞いた。
怪しい男の正体は武田組若頭の武田 蓮さん
若ってみんな呼ぶみたい。
若の側近は3人いる。
若の横にいる優しそうな人が木本 涼也さん。
チャラそうな人が情報担当の太田 蒼真さん。
顔が怖い人が八代 京平さん。
俺はいずれは側近の1人になるんだって。今は見習いみたいな扱いにはなるけど。
武田組は日本トップクラスのやくざで若はすごい人なんだって言ってた。
「千秋、お前何歳だ?」
「11歳。」
「「「11!?!?」」」
「11歳には見えませんね。8歳くらいかと思いました。」
と涼也さん。
「年もだし顔も幼いし女顔だしね~」
と蒼真さん。
「千秋。屋敷着いたら風呂と飯だな。」
と京平さん。
「千秋、この年でこの世界はいっちまったら後戻りなかなかできねえぞ?いいのか?」
「若、俺、たぶん今日か明日には死んでたから、いいんだよ。使えなかったら殺してもいいよ。」
「・・・今日からお前の第二の人生だと思え。」
--キキッ
「屋敷につきましたよ。」
この屋敷は若が住んでる屋敷で、側近の人以外住んでいないみたい。本家の敷地内に建ててる別宅なんだって。俺も今日からここに住んでいいみたい。
あまりにも屋敷が広くてぼーっとしていると、
「風呂入ってこい。」
そう言って若は使用人を呼んだ。
その人たちが現れた瞬間息が苦しくなって、目の前が真っ白になって、何が何だかわからなくなってしまった。
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