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しおりを挟む「ん、、?」
あれ、、?俺どうしたんだっけって蒼!?
目が覚めると蒼に抱きしめられたままで目の前にはさっきまでテレビで見ていた顔があった。
腕の中から抜け出そうとした途端に蒼の腕に力が入りぎゅっと強く抱きしめられた。「
「ダメ。ここから逃げんな。」
「いや、でも・・・ていうかなんで蒼がここに?お前仕事は?」
「金土日で休みだから大丈夫。そんなことより俺に言わなきゃいけねえことあるよな?伊織。」
「言いたくない。」
「なんで?」
「言いたくないから。」
「だからなんで。」
「・・・・・・」
「伊織、さっき泣きながら俺に助け求めてただろうが。全部言わなくてもいいから、なぁ、俺にもお前の辛いの少しは分けろよ。俺は東京行ってからずっとお前が支えだった。世間の声とか大人からの期待とかそんなんに耐えるのにお前が支えだったよ。お前は違えの?」
「そんなことないっ、、俺だって蒼がずっと支えだったよ。・・・ずっと、、」
「俺は、自分よりも何よりもお前が大事だ。お前が苦しい思いしてるなら一緒に苦しみてえんだけど?」
「・・・俺だって、蒼が大事だよ。」
そう言うと、さらに強く抱きしめてきた。
・・・蒼?
「怖えよ。ただでさえお前の顔が見れないメッセージだけのやり取りで不安だったのに、そのメッセージ返ってこなくなって、お前に何かあったのかって毎日そればっか考えてた。俺の前からいなくなろうとすんな。」
「っ~っ、、ぅ、、、そぉ、、っ。」
ずっと、こうして蒼と会って話したかった。テレビや雑誌だけで満足なんてできてなかった。会いたくてたまらなかった。
「ちゃんと話せ。な?」
「、んっ、ぅん、、」
途中何度も言葉に詰まりながらも中2の2学期からいじめられていたこと、いじめの内容、それが原因でご飯が怖くて食べられないこと、眠ってもいじめられていた時の夢を見て起きてしまうことを蒼に話した。
「いじめの原因は?分かんねえのか?」
「・・・うん、分かんない。」
「そっか。」
それだけは嘘をついた。いじめが始まった日のことは覚えているし、原因ってほどのものじゃないただの言いがかりだった。でも、それに蒼の名前を出したくない。だから嘘をついた。
「手見せろ。」
蒼は俺の手を取り火傷の場所を優しく撫でた。そのまま俺の服を脱がして背中も確認していた。
「伊織、そばで守ってやれなくてごめんな。ごめん、、、」
「蒼!謝んなよ!さっき言ってくれただろ?東京で俺が支えだったって!!俺もそうだ!お前の前で胸張っていられる人間でいたかったから中学の間いじめを耐えれてんだ。だから謝んな。」
「おぅ。悪いな、、、俺、好きなやつが傷ついてるの俺は耐えらんねえや。」
・・・好きな、奴、、、。
聞き間違い?いや、普通に友達として好きなやつって意味か。俺が蒼のこと好きだから変に変換しちまった。焦った・・・
「好きな奴って含みある感じで言うなよな。そういう言い方ばっかしてると誤解生むぞお前。」
「誤解じゃねえよ。お前のこと好きだって言ってんの。」
好き・・・・・・?お、俺のことが?
「う、嘘だっ!!そんなわけない!!蒼と俺じゃ天と地ほど差がある!!」
「嘘なわけねえだろ。昔からずっとずっとお前のことが好きだよ。」
「蒼・・・、、」
「俺は待つ気はねえよ。今ここで答え出せ。俺と付き合う?それとも親友のままでいる?お前がどんな答え出したとしても、俺がお前の親友なことに変わりはねえしお前の味方だ。ただ、俺はお前のことが好きで好きでたまんねえんだ。だから、付き合えなくても好きでいさせてほしい。」
蒼の真剣な顔が、蒼の気持ちが本物なんだって物語っている。
俺の気持ち、、、。
蒼のこと好きに決まってる。好きだよ。
俺なんか蒼に相応しくない、俺なんかよりもっといい人たくさんいるだろうし、優しい蒼もいつかは俺のことが嫌になるかもしれない。
でも、こんなに真剣に俺に気持ちを伝えてくれる蒼に嘘なんてつけない・・・
「っ、、ぅ、、」
「伊織?何で泣いて、、ごめん、困らせたよな?伊織、泣くな。お前に泣かれると辛い。」
違うんだ、困って泣いてるんじゃない。
釣り合わないって分かっていても、いつかはって思っていても、好きな人が好きでいてくれるなんて嬉しいに決まってる。
嬉しくて泣いてるんだ。久しぶりに蒼に会えただけじゃなくて、俺のことを好きでいてくれたことを知った。今日のことを俺は一生忘れないと思う。
「蒼・・俺も好き。」
真剣に伝えてくれた蒼に対して俺も真剣に伝えなきゃと思って涙で視界が歪みながらも蒼の目を見て俺の気持ちを伝えた。
---ギュッ
「本当に?いいの?俺男だぞ?」
「それはこっちのセリフだよっ、、」
「俺は世界中の誰より伊織のことが好きっ」
「俺もっ、世界で一番蒼が好きっ」
小さい頃からずっと一緒なのに、いつまででもこうやってドキドキするんだと思う。
蒼とのこの恋は終わりが来るだろうけど、今この瞬間蒼に気持ちを伝えることができて、蒼にも好きって言ってもらえるのは最高に幸せな瞬間だ。
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